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第591話 通信 ―R side―




国を回っている途中、いきなり俺の光の精霊であるゴールドから、ソフィアに通信を繋ぐと言ってきた。

なんでだ。

っていうかそんな事出来るなら早く言え!

………まさか俺が心の中でユイカの名を何度も唱えていたから?

鬱陶しく――いや、そんなはずはない。

ユイカは俺の可愛い可愛い天使だからな。

名前も可愛いし。

俺の唯一無二の可愛い婚約者だし。

心の中っていいよね。

ソフィアの本名であるユイカの名を呼び放題なんだから。

精霊達もユイカの可愛さを知っているから。

………いや!

可愛いのは俺だけが知っていれば良い!

誰もユイカの魅力に気付くな!

俺のユイカが減る!!


『………』


ん?

何故か精霊達が作る空気の温度が下がった。

………気のせいか。


「それは気のせいではないのでは」

「なんだルイス」

「………もしやとは思いますが、口に出されているのに気付いていないのですか」

「え……」


………なんて事だ。

まさかユイカの名を出していたのか!?


「何処からだ!?」

「何故か精霊達の作る空気の温度が下がった、と」

「………ん? それで気のせいではないとは?」

「何を考えていたのか分かるぐらいに顔がだらしなくなっていましたから。どうせソフィア様の事でも考えておられていたのでしょう」

「ルイスは俺の考えが読めるのか?」

「いや、普通に分かります…」


呆れ顔で見られたぞ。

何故だ。


「あ、それよりソフィアと話せるようにしてくれるっていうんだ! 凄くないか!?」

「………ここにいないのに、ですか?」

「そうなんだよ! 本当に凄いよね」


ホクホクしながらゴールドに頼む。

ジト目で見られているのは気のせいだ。

ソフィアに繋がったと言われ、試しにソフィアの名を呼んだ。

すると、慌てたようなソフィアの声が聞こえた。

ああ……可愛い。

目の前にソフィアがいるように、その表情まで分かってしまう。

思わず含み笑いをすると、ソフィアが笑わないでと言う。

それも可愛い。

ソフィアの考えまで聞こえてくるなんて、損をした。

やっぱり早く言ってくれなかったゴールドを恨んでしまいそうだ。

故意に聞こうとは思わないけれど。

ソフィアも1人の人間で、秘密の1つや2つはあるからね。

それはソフィア自身の口から直接言ってくれるから価値がある。

卑怯な手を使って聞いても、それをすれば二度とソフィアの隣には立っていられない。

それぐらい分かる。

ソフィアが何故声が聞こえるのか聞いてくるから、ゴールドの能力だと説明した。

自分の精霊でも出来るかもしれないとソフィアが言うから、同意した。

ガイアス殿達のことを伝えると、テンソウマホウを知っているようだった。

ユイカの記憶かな?

現在地から俺の精霊に力を出してもらって、ガイアス殿達が話しているのを聞いた。

移動しているのに合わせて、マモノがこちらに向かっていると。

規模から推測して約100匹ぐらいだと話している。

こちらに向かっている数と、逃げ出したマモノの推測数から導き出したらしい。

ふぅん。

国全体を探知することは出来ないけれど、推測は出来るのか。

けれど、本当に殲滅できたかどうかはやはり回ってみないと分からないだろう。

ソフィアには後100匹ぐらいだろうとは伝えるけれど。

そしてサンチェス国の状況は酷いことを知る。

更にサンチェス国にマジュ国の者が見当たらないとも。

これは確認しないとサンチェス国は勿論、ソフィアも危ない。

こちらが片付き次第サンチェス国へ向かうことを約束し、ソフィアとの繋がりが消えた。

ふぅっと息を吐き、ガイアス殿へ目を向けた。

ガイアス殿は連れてきた魔道士達と話しながら移動している。

本当に魔導士を派遣していないのなら、これは大問題になる。

俺は馬をガイアス殿の元へと向けた。


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