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第570話 導かれる憶測




「ありがとう。大体分かった」


ラファエルがアマリリスの話を聞き終え、頷いた。

三流ゲームは三流ゲームのままらしい。

ちょっとは期待したのだけれど…


「とにかく俺は相手にせず、ソフィアにベタベタしてたらいいんだね」

「はい」

「いやちょっと待って!?」


ラファエルが軽く言い、アマリリスは間を置かずに頷いた。

それに私が待ったをかけると、2人共がキョトンとしている。


「それって、人目のあるところでラファエルと四六時中くっついているって事!?」

「うん」

「はい」

「いやいやいやいや!!」


真っ赤になっている自覚はある。

必死で首を横に振って嫌だと示す。

だって人前でラファエルとイチャつけなんて、出来るわけないでしょ!

もっと羞恥心を持ってくれる!?


「ソフィアは俺と一緒にいたくないの……?」


シュンとしても頷けないものは頷けないから!!


「一緒にいるのはいいよ!? それは嬉しいし!!」

「だよね。だったら問題ないね」

「あるでしょ!? 一緒にいることとくっついていることは全くの別の問題だから!! うひゃぁ!?」


ラファエルは今一度私を引き寄るため、腰に回している腕に力を込めた。

近いですラファエルさん!!

顔が後ちょっとでくっつくから!!


「今も人前でしょ。何が問題?」

「侍女と来賓客を同列にしないで!!」

「ソフィアってそういう時あるよね。遠慮してるのか本気なのか分からないところ」

「本気ですけれども!?」


誰が自分の照れている顔を、惚れている人以外に見て欲しいと思うのよ!!

それ以前に恥ずかしいでしょ!!

っていうか普通に考えて、来賓客の前で仲のいいアピールして問題が起きないとでも!?


「どうせ俺達のやり取りなんかとっくに見られているんだから、それを逆手にとって入る隙がないと示せばいいじゃん。そうすればあんな嫌がらせすぐに意味ないと理解するよ」


私はラファエルの胸を押していた手の力が抜けるのを感じた。

離れて欲しいと示していたのだけれども。


「………ぇ……」

「マジュ国の人間が来て、魔物討伐して、翌朝にアレだ。マジュ国の誰かの仕業としか思えないよ」

「で、でも……」

「精霊でも目撃した者はいない。影の警戒も難なく突破。そんな事出来るのは、ロードが作った道具、または――マジュ国のマホウでしか出来ないよね」

「………!?」

「精霊と同じ様な力を使えるんだから、姿を消すとか気配を消すとか、造作もないだろうね。1番怪しいのはソフィア達の言うヒロインとやらだろう」


決めつけるのは早い、と言う間もなくラファエルの中では決まっているようだ。


「………でも、ヒロインは魔物を消滅させる力しかないはずで……」


言いながらも自信がない――私はやったことがないので分からない為、アマリリスを見る。

アマリリスは顎に手をつけ、考えていた。


「………はい。私の記憶にも、聖女が魔法ではなく聖女の力のみを持っている事しかないです。聖女は魔法を使えないはずです」

「でも、お仲間にかけてもらったら?」


ハッと2人してラファエルを見た。


「何も犯人があの聖女だけとは言ってないよ。1番ソフィアを邪魔だと思って消したいと思っている人物はあの聖女だろうと。だから1番怪しいんだよ」


ラファエルの言葉に異論はなく、私もアマリリスも頷く。


「ソフィア、それとアマリリスも気をつけて」

「私も、ですか…?」

「そう。その記憶があることを悟られないように。彼女の前で少しでも知るはずのないことを知っていることを悟られれば、攻撃対象になるかもしれない。それに彼女がソフィア達の言う1冊目の記憶があるのならアマリリスも排除対象になるかもしれないしね」

「分かりました」


アマリリスは頷き、ラファエルが私に視線を向ける。


「ソフィアは出来るだけ俺から離れないように。事情を話してルイスに執務室滞在を言うから。これから俺が仕事でも、執務室に一緒にいて」

「………分かった」


ラファエルの仕事の邪魔になるのは嫌なのだけれど…

いらぬ心配をさせるわけにもいかない。

私は頷いた。

頭を撫でられ、私はこてんとラファエルの肩に頭を乗せた。


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