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第489話 久しぶりに




公爵の別荘を出て、すぐ傍につけてくれていた馬車に乗り込んだ。


「ラファエル、この後の予定って?」

「特にないよ」

「え……」


じゃあ食事を断った理由として使ったのは、ただ単に早く離れたかったから?


「………ぁぁ、そういえば今日じゃなかったっけ」

「何が?」

「アシュトン公爵にフィーアとアルバートが呼ばれているの。確か今日だったと」

「そうだったっけ? 確か長期休暇前に一度行って、アルバートが凄く憔悴して帰ってきてたけど」


あの時は思わず言葉汚く、ざまぁ、と思ってしまった。

私を日頃馬鹿にしているから。


「茶会とかパーティ準備に忙しくなるよ」

「あ、そっか」


じゃあフィーアは私を着飾ってから出発したのかな。

アルバートは成り行きで除外されたけど、結果オーライだったんだ。


「フィーアは心配してないけど、アルバートはっ!?」


ガタンッと馬車が揺れる。

ラファエルは慣れたもので私をまた膝の上に乗せる。

整備されてない道になったようだ。


「まぁなるようになるでしょ」

「わ、たし、の、騎士が、礼儀っ、なってな、いって、言われた、ら、ヤな、んだけっ、ど!?」

「その辺はフィーアとアシュトン公爵に任せてしまおう」


ぅぅっ……

普通に話せるようになりたい…


「このまま温泉街行ってゆっくりする?」

「ら、ふぁえ、る、し、ごと、は?」

「今日は西でゆっくりするってルイスに許可もらってる」


あ、そうなんだ。

このごろラファエルもルイスも、仕事に余裕があるように見える。


「じゃ、ぁ、い、く」


こんな機会、次があるか分からないし。


「決まり」


ラファエルが嬉しそうに笑って、私の髪に口づけた。

スムーズに話せないから話したくないけれども!!


「ちょ、らふぁ、え、る!」


そんなスキンシップ、今はいらないよっ!!

頬が赤くなっていくっ!!


「ふふ。可愛いソフィア。真っ赤になってて」

「もぅ!!」


やっぱり、スキンシップがなかった期間が長いと、どうしても反応がこうなってしまう…

う~……なんでみんな慣れるのだろう。

聞いてみたい。


「ソフィア?」

「うひゃぁ!?」


バッと耳を押さえる。

い、今、な、舐めっ!?


「俺をおいて1人で考えこんでいるようだったから」


だからって舐めないでよ!!

ポカポカラファエルを叩くと、ラファエルは楽しそうに笑った。

それにむくれる私。

………って、バカップルか!?

そんな考えに陥って、また顔が熱くなる。

自爆した!!

私は温泉街に着くまでの間、どういう顔をしていたらいいのか分からなくなる。


「やっぱりソフィアは可愛いなぁ」


2回目!!

私は何度ラファエルに可愛いと言われるのだろうか!


「あ、そうだ。温泉街にも小物あるし、お揃いの物見ようか」


服が王族の物のままなんだけど…

いいのかな…?

ラファエルを見ると、何でもないような顔をしていた。

………いいってことにしよう!


「う、ん!」


コクンと私は頷いた。

それを見てラファエルも嬉しそうに頷いたのだった。


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