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第429話 想像ですが

誤字報告ありがとうございます!




その後数日間、毎日カイ王子が近づいてきたけれど、全て影’sに妨害してもらった。

私は関わり合いません~

ラファエルに言えっつの!

私は何も出来ないし手助けも出来ないのに…

ラファエルと夕食後のお茶をしていたけれど、ここ数日のカイ王子の襲来に疲れていたから、テンションが上がらない…


「………はぁ……」

「………」

「………」

「ソフィア」

「………ぁ、なに?」


ハッとして顔を上げると、ラファエルが怖い顔をしていた。

あ……しまった……


「………ルイス」

「はい」


………いたのねルイス…


「至急、カイ・メンセーの強制送還の手配を」

「畏まりました」

「え……」


引き留める間もなくルイスが出て行った。

慌ててラファエルを見ると、いつもの顔でお茶に口を付けていた。

いやいや……


「ちょ、ラファエル……」

「ソフィアに近づくなっていう命令も聞かず、何度もソフィアに話しかけ、ソフィアをあろう事か“ちゃん”付けする。その結果、そんなにソフィアが憔悴している。もうこの国にいさせられない」


鋭い視線で見られ、私は口を噤んだ。


「自分で考えずに他力本願過ぎるし。自分の国のことは自分で考えればいいんだ」

「そうだね」


ラファエルも私のアイデアを採用してるけどね。

この国も私の国ということで、気付かなかったことにしよう。

ラファエルもちゃんと考えてるしね。

私より頻度が低いってだけだし。

ラファエルとカイ王子とは違う。


「………ねぇラファエル」

「ん?」

「………メンセー国の実状、書類手に入らないかな?」

「ソフィア!」

「ああ、違うよ」


私は怒って立ち上がったラファエルに、手を振って否定する。


「アイデアを出すんじゃないの。メンセー国の現状を知っておかないと、何かあったときにランドルフ国として何も出来ないのはマズいでしょ」

「ああ……そうだな……」


ラファエルは少し考えた後、頷いた。


「影だと見つかる可能性があるから、究極精霊に頼めるか?」

「あ……そうだね。行ってもらう」


私は究極精霊みんなにメンセー国に行ってもらえるように精霊に頼んでもらうことにした。

究極精霊みんなは快く引き受けてくれ、明日にはメンセー国に精霊を送り込んでくれるそうだ。


「………」

「………ソフィア?」

「あ、なに?」

「いや、何か考え込んでるみたいだから」


ラファエルに言われ、私は思わず困った顔になってしまう。


「ぁぁ…うん……多分、なんだけど…メンセー国の製品の売れ行きが悪くなっている1つの原因、なんとなくそうじゃないかなっていうのが……」

「え!? なに!?」


ラファエルの食いつきが半端ない。

気になってたのはラファエルも一緒か。


「えっと……資料が届いてから改めて、でいい…? 憶測だけでいうのはちょっと……」

「それでもいいから」

「………ぇぇ……」


私は口に出すのを躊躇う。

だって、1国の事だしな……


「ソフィア。間違っててもいいから」

「………本当に憶測だけだよ?」

「うん。わかってる」


ラファエルのキラキラした顔に負けた。

苦笑しながら口を開く。


「………うちに関係すると思うよ」

「………うち?」

「ランドルフ国。私のアイデアで何枚もの服を着る必要がなくなったし、劣化も遅い。今まで持っていた服を使い回しすれば、当分購入の必要もない」


そこまで言ってお茶に口を付ける。

ラファエルは最初キョトンとしていたけれど、次第に納得した顔になっていく。


「………ああ! なるほどね。確かに服を買う民は今のところいないから、商人も嘆いていたな」

「………それに、ランドルフ国の人口が……その……」

「………うん」


みなまで言わなくてもラファエルは分かってくれる。


「………確かにうちから布製品の購入はないな……だからか…?」

「“だから”って?」

「カイ王子が突然ランドルフ国に来たの」

「………そうだね」


来国理由が想像でき、私達は頷き合ったのだった。


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