表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
403/740

第403話 役割は誰でもあります




「「「お前はバカか」」」


フィーアを送らせ、戻ってきたアルバートが珍しく沈んでいて…

どうしたと声をかければ、フィーアを泣かしたという。

一部始終説明させれば、私の騎士ら全員から突っ込まれていた。

………ジェラルドにも言われるとは。


「な、なんでだ!?」

「女心が分かっていない」

「いや、この場合、フィーアのプライドの問題ではないか?」

「とにかく、ソフィア様の世話だけ、って。お前そりゃないわ」


アルバートはこれだけ言われても首を傾げるだけ。

いやいや。

アルバートの頭でその言葉のみで納得しろという方が無茶だ。


「………フィーアの仕事はそれだけじゃないわよアルバート」


見かねて声をかけると、え……という顔を向けられる。

因みに私は今現在、ベッドから起き上がれない状態だ。

ラファエルに腰砕けにされたから。

まさかの2日連続で。

その事は突っ込まないでね!


「フィーアには薬物に関しての知識があるから、今後薬関係の勉強を更にしてもらって、新事業の一端を担ってもらおうと思ってるし」

「はぁ!?」


分析室の人にロードが作った薬の分析をしてもらっている。

それが終わったら、改良していい薬にしてもらおうと思っている。

その改良にフィーアも加われば、より薬の知識が得られると思う。

更に化粧品の開発して欲しいし。

薬草の使い方が勿体ないんだよね。


「もぅ……フィーアあんまり虐めないでよアルバート。私の侍女の役割をアルバートが決めるものじゃないでしょ」

「う……」


アルバートが言葉を詰まらせる。


「ソフィーにしたって、アマリリスにしたって、役割を決めるのは私。他者に指図される謂われはないわよ」

「………すまん…」

「勿論、貴方達騎士の役割を決めるのも私。私に無断で他者を責めることは許さないわよ」


そう言って私は不意にラファエルを見上げる。


「………そういえばラファエルも私の騎士勝手に使うよね」


私の言葉にニッコリ笑顔を返される。


「俺の騎士でもあるからね。ソフィアが絡んでいる件に関しては動かせるよ」

「………もぅ……」


ラファエルの言葉は間違ってはいないんだけれども…

ランドルフ国籍の騎士全員、ラファエルは命令できる権利がある。


「………今度から許可は取ってよ?」

「ソフィアが意識あるときは聞いてるでしょ?」

「うっ……」


今度は私が言葉を詰まらせる番になった。


「………姫様」

「どうしたのアマリリス」

「私の役割とは……?」


あ、そこ聞いちゃうんだ?

怒ると思うけど。


「アマリリスは料理だよ。新商品とかの開発をして欲しいから、厨房に入り浸ってもらう時間が増加するよ」

「………そ、れなら…大丈夫です」


………いいんだ?

ちょっと悩んでたみたいだけど…


「専属侍女から外されなければ」


………だからね?

アマリリスのその忠誠心は、何処から来ているのかな?

最初は敵だったし、嫌々だと思っていたのに。


「アマリリス」

「はい」

「和食食堂とか作ってよ」

「無理ですね」


即答されました。


「なんでよ!?」

「材料がありません」


………そうですね…


「姫様とラファエル様の分でしたら何とか出来るでしょうが、食堂と決められてしまいますと、その分材料が膨らみますからね。今もたまにしか出せてませんし…似たり寄ったりでしか出せていませんでしょう?」

「………はぁ……毎日食べたいよ…」


ポフッとクッションに顔を埋める。


「何年かかるか分かりませんが…取りあえず検討しますね」


見かねたアマリリスにそう言われ、苦笑する。

駄々こねる子供か私は。

何故かラファエルは私とアマリリスの言葉を聞いて、考え込んでいるけれど。


「よろしく。気長に待ってるよ」

「はい」


話が一段落したところで…


「とにかくアルバートは今後余計なこと言わない!」

「また来た!?」

「またって何よ! フィーア傷つけたら許さないわよ! 今度フィーア泣かせたら、あの男爵令嬢に返品するわよ!」

「言いません!!」


直立不動になるアルバート。

よっぽどあの令嬢の件が堪えているらしい。

………それかその後の仕置きが、かな?

私は苦笑して、そのままベッドの中で目を閉じたのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ