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第387話 私に対して冷たいよ




グイッと身体を捻る。

前後に揺らす。

伸びをする。

………うん。


「治った!!」


感極まって、私はばんざい状態で叫んだ。


「「「「「「………」」」」」」


はい。

従者からの視線が痛いです。

笑顔を作ったまま、そぉっと腕を下げる。

………何か反応ちょうだい。

いや、冷たい視線以外でお願いしたいのですけれども。


「………姫様、お医者様からの判断がまだです」


あ、うん…ごめんなさい…

ソフィーに冷たく言われて、大人しくソファーに座りましたとも。

何事もなかったようにお茶に口を付ける。

………って、何度も言うけれども、私主のハズなんですが!?


「………いつもあれ?」

「………そうですね」

「変わってないなぁソフィア様」

「………そうですね」


はい、上も煩いよ!?

もう諦め入ってますけれどもね。

取りあえず普段着に着替えたし…

ラファエルいつ来るかなぁ。

明日から一緒に日課出来るといいんだけど、まずは医者に診てもらって許可もらって、ラファエルの許可ももらって…

普通に行動できるようになったら、学園に行って…


「あ、影’s」

「………それは我々のことですか?」


影1~5が天井から顔を出す。


「うん。5人組なんでしょ?」

「………5名派遣されただけで、我々は元々別々の任務に就いていたのですが…」

「でも今回5人で私に付いたんだから、呼ぶときは纏めていいでしょ? 全員の名前言うのめんど……大変だから」


いちいち全員の名前を呼んでたらキリがないしね。

………番号でグループ分けしようかしら?

第一ファーストがライトとカゲロウ。

第二セカンド影一ガーネ影二シスト

第三サード影三アクア影四モンド影五ラルドとか。


「今面倒って言いそうになりましたよね」

「オブラートに包むことを知らないんですかね」

「いや、わざとの可能性があります」

「うわ。性格悪い王女は国民にウケないですよ」


………口煩いのが増えたよ!?

っていうか、そっちこそ隠そうよ!?


「貴方達も大概よ!?」

「そうでしょうか? それはともかくなんですか」


あ、流されたぞ!?


「………はぁ……学園に編入するんでしょ? いつから?」

「既に手続きは済んでおります」

「一応サンチェス国からの正式留学生として、ランドルフ国王太子宛に書類を送り、許可を得て」

「昨日の夜、王太子にはご挨拶しました。天井裏から」


………姿見せてないのか!?

失礼にも程があるよ!?


「影なのでむやみやたらに姿を現すのはどうかと思いまして」

「学園で顔出しするでしょ!?」

「いえ、変装するので」

「でなければ仕事がやりにくいです」


………なんだろう。

物凄く疲れるんですけれども…

私だけかしら…


「………って、変装したら私分からなくない…?」

「編入生として紹介されると思いますので、覚えて下さい」


………あ……現地で覚えろってことね…

先に見せるとかないんだ…


「とは言っても、常にソフィア様に群がりますので、ご心配なく」


虫みたいな表現しないで!?

むしろ余計に心配だよ!?

逆ハー求めてませんから!!


「ラファエルに怒られる!!」


それが1番嫌なんだけれども!!

ラファエル困らせたくないし、嫉妬されるのは愛されてるとは思うけど、後で腰砕けになっちゃうの確定するから嫌なんですけれども!!


「怒られて下さい」

「ヤダよ!?」


怒られるの分かってて何故やるの!?


「ソフィア様は何度も懲りた方がいいと思います」

「1度じゃすまないってどういう事!?」

「「「「「日頃の行いですね」」」」」


何故ハモるの!?

そしてさり気なく侍女も騎士も頷いてるんじゃない!!

影’sは最近の私見てないでしょ!?

君達の頭の中には何歳の私がいるの!?


「もう子供じゃないんですから、拾い食いしないで下さいよ」

「地面に落ちたの食べたんじゃないからね!?」

「王女なんですから、平民行動止めて下さい」

「食は大事なんだよ!?」

「それで自分で危険な毒物口に運んだんですから自業自得です」

「反省してるよ!!」


………あれ?

私、ペース乱されてない?

気付いてガックリと肩を落とした。

………助けてラファエル~!!

味方がいないこの部屋で、私は孤独に心の中で涙したのだった。


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