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第380話 ある意味最良です⑦ ―R side―




見晴らしが良くなった部屋。

不正の証拠を掴んでいる旧国派の連中まで追い出せば、旧国派の大半を排除することが出来た。


「退出していただいた貴族家の方々は、一律貴族地位を返上してもらう事が決まっております」


………ルイス……何故そこを柔らかい言い回しにする…

素直に捕らえられた者達と言えばいいものを…


「後は個別で更に処罰がありますが、それはラファエル様の仕事ですのでここでは詳しく説明は致しません。それより今後の話に移らせていただきます」


ルイスがサクサク進めていく。

早くしてくれ。

俺はソフィアに薬を飲ませに行きたい。


「ここにいる方々は、今後の階級を変更させていただきます」


ザワッと騒ぎ出す。

静かに聞いてくれ。

ソフィアに会える時間が遅くなる。


「公爵家は現状維持でその地位のまま、各領地を管理、治めて下さい」


ルイスが周りの声を無視して、公爵達は頷いた。


「侯爵の地位の方も、公爵と同じく4家体勢に致します。丁度現在4家が残っておりますので、そのまま現状維持をして下さい」


侯爵達がホッと息をつく。

これで侯爵家が8→4になった。

伯爵が8→4家。

子爵が16→10家。

男爵が32→10家。

貴族家68家が32家となった。

仕事を与えて優秀な者には階級を上げ、仕事が出来ない者は階級を下げた。

使えなくてもいきなり貴族から平民にすれば反乱になるしな。

今後の頑張りに期待するか。


「お、お待ち下さい! そんな急に!」

「………私はお前達に仕事を与え、その仕事がこなせない者を残しておく必要はない。それに仕事が出来ないのに今の地位にいるのは苦痛だろう? 文句があるなら今すぐ平民落ちするか?」

「なっ……!?」

「自分の地位を守るのに必死になるのは結構だが、自領の民の為にならない貴族は要らない。肝に銘じておけよ」


冷たく見下ろすと、悔しそうに口を閉じて俯いた。


「その地位は誰が為にあるのか今一度考えるのだな。今まで見逃されてきたことは今後通用しないぞ。私はお前達に契約していると言ったはずだ」


ハッと皆が息を飲んだ。


「もう私は影に命じなくとも、騎士に命じなくとも、この国中の精霊を監視役に出来る」


嘘だけれども。

あくまで究極精霊が精霊達に命令できるのであって、俺の究極精霊の眷属が出来るわけではない。

でもこれで、彼らも何処で監視されているか分からないから真面目にやるだろう。

まぁ実際脅しではなく真実だが。

ソフィアが究極精霊に願ってくれ、快く貴族達の監視をしてくれている。

精霊は休息要らないから、飽きた、と言われるまで同じ精霊が毎日片時も離れず付いていてくれる。

今回捕らえた貴族の中には、精霊が見て報告をくれた者達もいた。

影だけでは探れなかった隠し部屋なども余裕で見つけ、証拠も数多く揃っている。


「サボっていればすぐに分かるし、不正を行えばそれも分かる」


ゆっくりと口角を上げると、真っ青になるのが何名か。


「まぁ不正と言っても、自分の家の使用人や子の教師にやらせていたので、大目にみているのだが?」

「っ…!!」

「それでもまだ言い続けるなら………まだ落ちるか?」

「申し訳ございませんでした!!」


バッと頭を下げる何名か男爵に落とした貴族達。


「分かればいい。これで議題はないな」

「はい」

「ではこれにて会議を終了する。ルイスから新たな課題の仕事を受け取って退室してくれ」


俺は前に席を立ってその場を後にした。

はぁ……疲れた……

ソフィアに薬飲ませて、ソフィアに癒してもらおう。


「ラファエル様、急ぎの書類がありますのでお早めに執務室へお戻り下さい」


ルイスの言葉に内心舌打ちしながら、足早にソフィアの部屋へと向かった。


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