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第369話 続編って何ですか

すみません、368話の王女の国名間違っておりました。

誤:カイオウ 正:カイヨウ




学園で話すのはマズいと思って、学園からの帰りの馬車の中でも当たり障りのない話をラファエルとローズとしていた。

王宮に帰れば、ラファエルがルイスに呼ばれて行ってしまう。

ユーリア・カイヨウの事を聞こうと思っていたのに…

ため息を思わずついてしまい、慌てて口元を押さえる。

心なしか早足になりながらも、自室へと向かった。

ローズも一緒に。

部屋に入ってから、盛大にため息をついてしまい、護衛達も、そして侍女達もギョッとして私を凝視した。


「ソフィア」

「だってローズ! あの人!!」

「言いたいことは分かるけれども、わたくしたちが試験で上位を取れなかったのは事実ですわよ」


冷静に言われ、私はムッとしたまま制服の上着を脱ぎ、ソファーの背もたれに乱暴に放つ。


「姫様」


ソフィーに窘められるけど、苛立ちはおさまらない。


「~~~なんでラファエルもルイスもカイヨウ国の王女が学園に編入してきたこと、言ってくれなかったのよぉ!!」


思わず頭を抱えて叫んでしまう。

自分の成績は自分の頭のせいだけれど、他国の王女だとは知らずに、彼女に対して失礼な態度を取ってしまったのは私だけのせいではないはずだ。

試験は仕方ないとしても、態度を理由にラファエルに不適正の烙印押されたらどうするのよ!!

そういう事を旧国派は突いてくるんだから!

王女同士は対等の話し方で話すのが当たり前。

私は知らなかったから、他国王女を最初無視してしまったじゃないの!

ぁぁ、サンチェス国の礼儀がなっていないって言われたらどうしよう!?

私だけじゃなくサンチェス国の評価が他国で下がっちゃったら、お父様達に迷惑かかっちゃう!


「まぁ、それは同意しますわ。ユーリア・カイヨウって確か…」

「カイヨウ国の第5王女よ! なんでいきなりそんな立場の女が出てくるのよ! あれ自分の意思!? それともカイヨウ国の王の命令!? カイヨウ国がランドルフ国の何に用なのよ!!」


ぼふっとソファーに置いてあったクッションに頭から突っ込む。


「姫様。床に座らないで下さい。顔をクッションに押しつけないで下さい。制服から着替えて下さい」


………ソフィーは私を注意するしかないのか。

ため息をつきながら私は寝室へ向かう。

ソフィーに着替えさせてもらい、いつもの部屋用ドレスになる。

部屋に戻ると、ズイッとアマリリスが私の方へ近づいてきた。

思わず後ずさり、寝室の扉に背が当たる。


「姫様……」

「な、何……どうしたの……」


いきなりのアマリリスの行動に、私だけではなく、他のみんなもギョッとする。


「………少し、よろしいでしょうか」

「い、いいけど……近すぎない…?」


後もうちょっとで、鼻がくっつきそうなんだけど…

私、ラファエル以外に唇許すつもりもないよ…?

って、冗談はさておき本当にどうしたの…


「………寝室で、よろしいでしょうか」

「え…?」


有無を言わさず私は寝室に押し込まれ、アマリリスが入室して扉を閉められた。


「な、なに……」


次の瞬間ガシッ!! とアマリリスに両肩を握られた。

な、何!?

本当にどうしたのアマリリス!?

いつものアマリリスじゃない。

昔のアマリリスのようだった。


「………確認しますが、ユーリア・カイヨウ、って先程言いました?」

「………言ったけど…」

「………さらに確認しますが、唯華さん…」

「………ぇ」


何故私の前世まえの名前を呼んだのか…

首を傾げると、アマリリスが私の耳元に唇を寄せてくる。


「………続編やりましたか?」

「………は?」


アマリリスの言葉に、私は思考停止した。

続編…

続編って何だ?


「唯華さん?」

「………続編って……まさかとは思うけど、『恋する乙女は美しい~強奪愛は情熱的~』略して恋奪の続編って事?」

「はい」

「え……あの三流の乙女ゲーム、続編出てたの…?」

「あ、はい……恋奪2はラファエル様攻略込みです。他にも出ていて、私が知っている限りは5まで…」


三流ゲームが意外と続いている…

っていうのは今置いておいて…

今重大な言葉を聞いた…!!


「ラファエル攻略やりたかった…!!」


思わずガクッとその場に崩れ落ち、四つん這いになって悔しがってしまう。

ストーリー知りたい!

物凄く知りたい!

何故死んだ私!!

せめて!

せめて2が出るまで生きていなさいよ私!!


「………今現在ラファエル様の婚約者になっている唯華さんには、必要ないと思うけど…」

「甘いわよ明里!! ゲームと現実は違うのよ!!」


ガシッと今度は私が明里の――アマリリスの肩を掴み、ガクガクと揺さぶる。


「~~~気持ちは分かりますが」


アマリリスが私の手を振りほどく。

それにより、私は冷静さを取り戻した。

………ごめんなさい。


「話進めていいですか?」

「………はい」


私はアマリリスの言葉を聞く体勢になった。


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