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第360話 突然言われて混乱します




私は冷や汗をかきながら、手招きしている満面の顔のラファエルに近づく。


「で?」

「い、言えない…」


ラファエルの強い視線から私は目を反らしてしまった。

………油断して夜に出ちゃったからな…

言い訳できない…


「俺に言えないことは深く聞かないけど、なんで夜更けに部屋を出るの? 護衛も置き去りで」


ハッとして室内を見渡す。

ゲッソリした護衛達がいました。

………ぁ、ごめん…

ラファエルに怒られちゃったんだ…


「ご、ごめんなさい……」


素直に謝った。

何を言おうと、言い訳にしかならない。


「ソフィアは攫われて日が浅いでしょ。警戒心をちゃんと持って」

「………はい……仰るとおりです……」


返す言葉も無い…


「………まぁ、無事だったなら良いよ」

「………ん…」


ラファエルの視線が和らぎ、ホッと息をつく。


「…ぁ、ラファエル早かったんだね。お仕事終わったの?」

「終わらない」


ニッコリ笑って言われ、思わずポカンとしてしまった。


「やること増えてたから片付けていたんだけど、一向に終わらないから寝て明日した方が捗るかと思って」

「………ラファエルが仕事奴隷じゃなくなってる…」


思わずポツリと呟いてしまう。


「………ソフィア?」

「あ、ごめん…」


笑ってない目を向けられました。

余計な言葉を言ってしまったようだ…


「せっかくソフィアの寝顔を眺めながら眠ろうと思ってたのに、いないんだもん」


………それは見なくて良いのだけれど…

やっぱりラファエルはラファエルだね…


「着替えるから待っててくれる?」

「うん。じゃあ、向こう行ってる」


ラファエルが1度寝室から出て行き、私は夜着に着替えた。

深く追求されなくて良かった。

明日まで待って欲しいし。


「ラファエル、いいよ」

「うん。あ、ソフィア明日やることある?」

「学園は明後日からだし、何も予定はないよ」


例の物は持ってきてくれるって言ってたし、外出してても留守番組が受け取ってくれるだろうし。


「良かった。漸く温泉街を開放することになったから」

「………え!? 明日!?」


言われた言葉に、ギョッとする。

そんな軽く言われる言葉だっただろうか。


「うん。告知はもうルイスがやってくれてたから。民はみんな知ってるよ」


………なんてこった…

私が知らない間にどんどん話が進んでいるんだけれど…

そりゃ私はアイデア出しだけで、あとはお任せしてるけど…

いつから告知するとか、言って欲しかったなぁ…


「そ、そうなんだ…楽しみだね」

「そうだね」


笑顔を作って喜ぶことしか出来なかった。


「で、その様子をこっそり見に行こうかなって」


………ラファエルが、こっそり?

顔バレしているこの国で?


「そ、そっか。じゃあお忍びデートだね」

「うん。楽しみだね」

「わぁ!?」


背中と膝裏を掬い取られ、私はラファエルにベッドへと運ばれた。

そしてラファエルと共に眠りにつくことになった。


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