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第261話 今後の予定は




ラファエルがルイスに強制的休暇を取らされてから3日経った。

もう解毒剤を飲まなくてもラファエルの顔色が悪くなることはなくなった。

ホッとする。

動くのも問題ないようで、ベッドで1日過ごすことはなく、ソファーに座って日夜騎士達とカードゲームで遊んでいる。

私はそれを隣で眺めていたり、刺繍したり。

アマリリスも復帰し、日夜ソフィーとフィーアと共に仕事に明け暮れている。


「あ、そうだソフィア」

「ん?」


ソフィーの刺繍する傍に付いていた私は、ラファエルに話しかけられ視線を向ける。


「仕事に復帰したら近いうちにガルシア公爵領に行くけど、一緒に行く?」

「行く」


私は即答した。

ミルンクとコッコの飼育予定地に行く予定だろう。

広い草原も見たい。

それに道の整備具合も見れるだろうし。

前はガルシア公爵邸だけだったから、ゆっくり領地も見てみたい。

この国に最初に来たときも、食物を配ったときに回ったはずの場所だったと思うけど、雪が積もっていたし何より周りを見渡す余裕もなかった。

私の行動範囲は、この国で広いようで狭い。


「分かった。そのつもりで準備するよ」

「準備?」

「守りのね。まぁ、ソフィアの騎士は優秀だから大丈夫だとは思うけど、一応ね」

「あ、そっか」

「それに、サンチェス国王達が帰国するまでは動けないから、準備はゆっくりでもいいけど」


そうだった。

お父様達がいたんだった。


「とは言っても、国王達は滞在日数7日で取ってるから、俺の休暇終わる頃に帰国すると思うけど」


苦笑するラファエルに、私も苦笑で返した。

でもお父様達は温泉街を見に来たから、ラファエルとの会談などはなくても大丈夫だ。

会議前にも話してると思うし、会議後も打ち合わせで沢山喋ってたし。

後は見送りに顔を出せばいいだけだと思う。

堅苦しいのは自国だけでいいだろう。

温泉でリラックスするために来てるものね。


「………ソフィア、彼女たちとは会うかい?」

「………」


不意にラファエルに言われ、私は一瞬誰のことか思い当たらなかった。

けれど、マーガレットとスティーヴンの事だろうと察する。


「………会えば、話はするわ」


久しぶりすぎて、話題が見つからないと思うけど…


「ソフィアは、そういうのに疎いと思うけど」

「遠回しに馬鹿にされてる?」

「いいや。でも、普通の友達との交流もしていいと思うけどね。ソフィー達従者だけと接することは視野を狭めるよ」


むぅっと頬を膨らませる。


「ラファエルに言われたくないんだけどなぁ…ラファエルにも友人っていないでしょ」

「失礼な。俺にもい――ないな」

「いないでしょ。ナルサスはもうラファエルの友人じゃなくて従者だし」

「だね」


ラファエルは顎に手を当てて考える。


「そう考えると、俺もスティーヴン達ともっと話した方が良いのか。学園にも行けてないしなぁ」

「私は復帰のタイミングはラファエルとがいいと思ってるから、行けるようになったら言ってね」

「いいの?」

「うん」

「分かった。じゃあその時になったら言うね」


私は笑って頷いた。

今、私には学園に行かない理由はないのだけれど、やっぱり通うならラファエルとがいい。

ラファエルとの時間が一番大事だから。

もう、すれ違いたくないから。

ラファエルは私を甘やかしてくれるし、好きにさせてくれるし、ちゃんと私を想ってくれて、会議にまで参加させてくれた。

傍聴だけだったけれど。

それでもラファエルは私をランドルフ国の問題から、ラファエルの問題から、蚊帳の外にしない。

最初毒のことは教えてくれなかったけどね!

でも、今は一緒にいさせてくれる。

そんなラファエルに対して、私は出来るだけラファエルと一緒の時間を過ごすぐらいしか、返せていない。

やってもらうだけだなんて、待っているだけなんて、そんなの恋愛とは言えないと思うし。

もっとラファエルの役に立てること、見つけてかなきゃ。


「そういえばガルシア公爵領にはソフィアの好きそうな物があるよ」

「え? 何?」

「それは行ってからのお楽しみだね」

「教えてくれないの!? 気になるじゃない!」

「あはは」

「あははじゃないよ! ねぇ、なんなの?」

「秘密~」


教えてくれないラファエルに、私は頬をまた膨らませて抗議していた。


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