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第132話 変わらないことと変わったこと




ソフィア……ソフィーと私の関係をラファエルに告げ、ラファエルの怒りはおさまったようだった。

ホッとするものの、影達の様子があまりにも普通なのが気になった。

………まぁ、私の様子を常に伺っている影達は、何もかも把握しているんだろうから今更、だよね。


「………ぁ、ラファエル?」

「ん?」

「どうしてこんなに早く戻ってきたの…?」

「自分でライトに伝言持たせたの忘れたの?」

「え? でもあれは暫く戻ってこらないって聞いたから、時間があるときに目を通してくれたらよかったんだけど…」


ライトがメモってたから、書類渡しただけだよね…?


「新しいアイデアが渡されたら見るでしょ」


………そういう人でした…


「ごめん…お仕事邪魔しちゃったんだね…」

「いいよ。おかげでソフィアが自分の力に怯えて、逃げようとしていることが分かったからね」

「っ……」


ズキッと胸が痛んだ。


「思ったんだけどさ」

「………ぇ」

「前に言ってた建物、早急にやるよ」

「………建物……」

「精霊達が力を発散できる場所。王宮にも別館として作る。そしたらソフィア、そこで精霊の力使ってみなよ」

「………!!」


ハッとラファエルを見上げると、微笑まれた。


「使って、訓練して、操れるようになりな。そしたら怖いことなんてなくなるだろ」

「………ラファエル……」


………確かに、使ったことないから、話に聞いただけで恐ろしいと思っているから…

実際に使ってみたら…制御できたら……私は力に怯えなくて済むのだろうか…


「うん、頑張る。それまでにちゃんと精霊のことよく勉強するよ」

「………程々にね」

「え……」

「精霊にソフィア取られるから」

「………」


ブレないねラファエル……


「でも、精霊マスコットの案はいいよ。やろう」

「え? いいの? だって、精霊がいることは国外には内緒なんでしょ?」

「いるからといって口外するわけじゃないよ。オリジナルのデザインって事で売り出したら良いよ」

「やった!」


私が笑うとラファエルも笑う。

そしてラファエルは私の頭を撫でた。

………最近、私の頭撫でてくるんだよね。

まさかとは思うけど、子供扱いされてないよね…?


「後5日後ぐらいに温泉は勿論、温泉の外観と周りの店が完成しそうなんだ。次の学園の休みの時に行ってみる?」

「うん。視察って事だよね」

「デートだよ」

「………ぇ…」

「デートがメインで視察がついで」


普通逆だよね!?


「今度こそ一緒に入ろうね」

「入らないわよ!?」


今度こそって何!?

っていうか混浴なの!?

別々にしてよね!?

って、それ言ってなかったっけ!?


「混浴却下!! ちゃんと男女別に作ってるんでしょうね!?」

「え~……」

「なんでそんな残念そうなの!? それよりちゃんと別に作ってるんでしょうね!?」

「一般的には」

「一般的って何!?」

「俺とソフィアの専用温泉以外」

「そんなの作らなくて良いし!!」

「堂々とイチャつける場所だぞ?」

「わざわざそこに行ってイチャつく意味は!? っていうか、行ったら周りに今からイチャつくって公言しているようなものよね!?」


ラファエルに設計任せたの間違いだった!?

私が関わるべきだったわ!!

今から変えるのは難しいし…


「し、仕切りとか作って分けるしか…!」

「………そんなに真っ青にならなくても……傷つくな…」


ラファエルがため息をつく。


「………ちゃんと別だよ。王族専用の温泉も」

「え…」

「当たり前でしょ。それぐらいちゃんと分かってる。ソフィアと一緒に入るのは結婚するまで我慢するし」

「………そぅ………………って! け、結婚しても一緒に入るのは嫌よ!?」

「え!?」

「何でそこで驚くの!? っていうか、一緒に入る事を当然と思っているラファエルが可笑しいよ!?」


何度も言うけど、私は身体に自信がないんだってば!!

ただでさえ抱きつかれるのが嫌なのに!!

どうやったら胸大きくなる!?

胸以外は結構自信があるのよ!?

運動のおかげで普通の令嬢よりかはキュッとなってるって自負してる!

でもボンがないのよ!

こんな所まで前世と一緒にしなくていいのに!!

前世の私?

Cでしたけど何か!?


「………姫様、元はわたくしの身体だということをお忘れなく…」


背後からボソッと言われ、ハッとして振り向くと、居心地悪そうな顔をしているソフィーがいた。

………ぁ、ごめん…

ついいつものクセで。

今は私の心で思っていることに反応するソフィーがいる。

………なんか、良いかも。

私はソッと微笑んだ。


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