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第123話 究極精霊の性質




「ソフィアに知っておいて欲しい精霊契約者は、4名」

「4人?」


ラファエルが右手の親指以外の手を立てて、私に向けてきた。


「1人目、ルイス」

「ルイス!?」


知っている人の名前が出てきた……


「2人目、ガルシア公爵令嬢」

「マーガレット嬢!?」


また!?


「3人目、クラーク伯爵次男、スティーヴン」

「………」


ちょっと!!

知り合いが全て精霊契約者なんて情報要らない!!

いや、王女としてはいるけど、ただの私には知りたくなかった情報!!

警戒対象になっちゃうじゃない!!

少なくともマーガレットとは、これから仲良くなれると思ってるのに!!

ってか、クラークって次男だったのか……

まぁ、でないと婿養子にはなれないか…

しかも伯爵家なの!?


「何の能力かは知らないけどね。流石に俺の精霊にはそこまで調べる能力は無いし。ちなみに3人は自主的に俺にこっそり教えてくれた者達」

「………4人目は…?」

「当然俺」

「………はぁ……」


私はまた机に突っ伏してしまった。


「で、5人目以降を示す精霊契約者は、また会ったときに伝えるよ」

「今名前を教えてくれないの?」

「一応こっそり調べたし、俺の精霊の能力で聞き出したときは一種の暗示状態で調べたから、本人に調べられた記憶は無い。大丈夫だと思うけど一応伏せておくよ」


………成る程。

万が一でも私が微妙にでも反応してしまうことを警戒しているのね。

相手に気づかれたら不審に思われるから。


「………まぁ、究極精霊の契約者は、精霊契約者かどうかすぐに分かるらしいけど」


チラッとラファエルに見られる。

それは私の周りに漂っているらしい究極精霊と契約する可能性が高いのが私って意味だろう。

見えないから本当かどうかしらないけど!


「ならないし。ありえない」


精霊が見える人限定なんでしょ?

私に見えるとは思えないし。

ラファエルにからかわれているかもしれないし。

………冗談言っている顔には見えないけど。


「………でも、どうして?」

「究極精霊は、力がトップなのは勿論、精霊達の長に当たるらしいよ。そんな長に下の精霊が姿を隠し通せると思う?」

「………ぁぁ……確かに……」

「力も権力も凄いらしいよ。だから、究極精霊は国のトップや重鎮と契約することが多いらしい。賢人を好むらしいから」


あ、じゃあ絶対無いわ。

私賢くないし。


「ラファエルは懸念しているのかもしれないけど、私に見えるとは思わない」

「何故?」

「ランドルフ国民限定なんでしょ? 私はサンチェス国民よ」

「俺と結婚したらランドルフ国民でしょ。それにここに住んでいる時点でランドルフ在中の民って事になるよ」

「………」


なんだその理屈!!

思いっきり拒否したい!!

ってか権力者って言ったらラファエルでしょ!!

私よりラファエルの方が絶対頭いいよ!!


「………サンチェス国に帰りたい…」

「え!?」


思わず呟いた言葉に、今度はラファエルがガタンと椅子から立ち上がった。


「ヤだよ!?」

「………うん、本当には帰らないけど……心情的に……」

「なんで!?」

「………過度な力は身を滅ぼすよ。もし私が究極精霊に気に入られていたとして…」

「気に入られてるからソフィアの周りにいるんだけど……」


見えないから知らない!!


「もし私が究極精霊に気に入られていたとして! 契約をしたとしても力を使う機会なんてないでしょ。だって、私は他国侵略とか自然破壊とかしたくないし! 考えてもいないし!」

「え? あるよ」

「は!?」


さらりと肯定され、私はラファエルを思わず二度見してしまった。


「ぁ、もしかしてソフィア勘違いしてる?」

「………勘違い?」

「究極精霊は、精霊の中で尤も力を持っているけれど、当然その階級に分類されている力だけではなく、下位の力も使えるよ?」

「………ぇ……」

「弱~特大の力に分類される力。当然でしょ?」


………キョトンと見られても…

そんな説明何処にも書いてないじゃない…


「ソフィアなら危ないことしないし、契約になっても大丈夫だよ」

「いや、そもそも契約なんて出来ないから。見えない人間に精霊との契約は無理よ」

「ソフィアちゃんと授業受けてた?」

「………ぇ……」


なんか嫌な予感が…


「精霊側が自分を見て欲しいと願えば、見えない人間にも見えるようになる」


………

………………

………………………そうでした!!

私はまた頭を抱えてしまったのだった。

ラファエルの言葉通りなら私の周りに群がってるみたいだし!!

いつそうなるか分からない。

私は無性にサンチェス国が懐かしくなってしまった。

私の平穏が出来る限り続くことを祈った。


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