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永久なる魔龍大戦  作者: 0の魔法使い
1/3

始まる運命

それは、梅雨の雨降る夕方のことだった。

いつも通り友人と会話をしながら家に帰ってると、

突然後ろから衝撃が伝わった。

そこから、俺の記憶は無い。


目が覚めるとそこは暗闇だった。

果てしなく広がっているような、とても窮屈なような、

不思議な空間だった。

だが、唐突に光が広がった。眩しくてつぶっていた目を開けるとそこには、草原が広がっていた。空は今にも雨が降りそうな雲に埋め尽くされ、肌触りの悪い風が静かに吹いていた。「何処だ・・・ここは・・・」

訳もわからず、ただ、そうとしか言えなかった。

不意に強い風が吹く。その風のおかげか大事なことを思い出した。

「そういえば・・・荷物・・・どこ・・・?」

俺は自分の持ち物を確認し始める。

背負っていたリュックは・・・どう考えても無い。

次に服装を確認した、父からもらった黒いフード付きジャケットに中はねずみ色のニット、ズボンはお気に入りのジーンズ。服に関しては特に変化が無いことを確認した。

最後に持ち物がどの程度あるのかが気になりジャケットのポケットに手を突っ込むと、

「お?」

帰宅途中に助けたおばあちゃんからもらったアメ、おばあちゃん曰くアメちゃんが数個入っていた。

・・・他には特に無い。

財布も、某太郎のようにスマホも、

「マジかよ・・・」

落ち着け、まずは状況を把握するんだ・・・。

まずはここ・・・どこだよ・・・。

草原だと思うがここまで広い草原なんて知らんぞ・・・。

俺のオタク的思考が1つの答えを導きだした。

「異世界・・・転生・・・」

仮にそうだとしたら・・・

その瞬間、俺は希望と絶望の2色に彩られていた。

異世界転生・・・

希望:あのクソみたいな世界からファンタジー世界へ、最高だぜ!

絶望:なんか特殊能力とか無いのかな・・・というかどこだよここ・・・

どこぞの転生ハーレムウハウハものみたいになんか無いのかね・・・

とか思いながら俺は「とりあえずどっか行こう」と思い適当に歩き出す。

某偉人曰く「幸せは歩いてこない、故に我々は歩くのだ」

ということで歩き始めて早一時間。

途中で鹿やら馬やらは見かけたが一向に人の気配が無い。

まさかとは思うがゼロから人類始めましょう的なやつじゃないよな・・・

いや・・・しかしその場合・・・

数分後・・・

「以外と・・・良いかもな・・・」

いやなに考えてんだよ。

自分の思考にツッコミを入れ、再び歩き始める。

歩き続けて、どこまで行くの?

俺が小さい頃好きだったアニメの曲に、そんな歌詞があった。

その歌詞に答えるならば俺は、「とりあえず知的生命体を見つけるまで帰れま10」

とでも答えよう。

俺の思考がだんだんふざけて来たところで休憩をとるべく近くにあった木に向かう。

「よっこいしょ」

昔おばあちゃんが良く言ってたのを真似してたら本当にくせになった「よっこいしょ」はよく友人にからかわれる原因となった。

「はぁ・・・帰りたい・・・」

俺は「このままじゃ餓死する」という現実に直面していた。

ひとまず寝ようと思い瞼を閉じ意識を睡眠へと誘っていると、

「・・・!・・て!」

声が聞こえる・・・・・・

ファッ!?声!?

俺はとっさにまぶたを開けようとするが、何故か開けられず仕方なく耳をすますことに専念する。

「・・・い!衛星兵!」

どうやら怪我人がいるようだ、いつか見た戦争映画のような、

いや、それ以上の必死さが声からも伝わってくる。

すると少しボヤけてはいるが、景色が見え始めた。

焼け焦げた大地、武装した兵、泥まみれの死体。さまざまな物が見えた。

そして・・・

「誰か!いないの!?衛星兵は!?」

先ほど助けを呼んでいた者の姿が見えた。

女性だった。

こ、これは・・・お約束の・・・!?

しょうもないことを思いつつどうにかせねばと思考を巡らすが、まぶたを開け体を動かさねばどうしようもない。

と、まぶたを開けようとすると、

開いた、普通に。

俺はとっさに後ろを向くと、いつの間にか煙が立ち上っていた。

しかも複数。戦闘が行われてることは一目瞭然。

なるほどこれが俺の補正(チート能力)、と思い一歩踏み出た。

だが、

「俺に・・・何が出来る・・・?」

相手はいくら中世ヨーロッパの古い武装とはいえ、剣や弓を持ってる。俺じゃすぐに殺されるだろう・・・。

いや、「考えても無駄か。」

どうせどのみち餓死する運命。

ならばこの命、人助けに使わなきゃ男の名が廃るわ!!

自分でかっこいいと思った。

しかし、その少し後、俺はその選択を大いに後悔することになるのであった。


到着すると、戦況は悪化しており、本気で生き残れる気がしなかった。

先ほどまで曇っていた空は、さらに黒く曇り、大粒の雨を降らせていた。カオルは死んでいるであろう兵士の手元から剣と盾をを拾い上げ、「どうか死にませんように」と祈りつつ、戦場を駆ける。

アドレナリンが出ているからなのだろうか、不思議と恐怖は感じず、一心に戦場を駆け巡っていた。

戦っている兵士たちは、戦闘に集中しているのか変な服装をしている俺には見向きもしない。

とりあえず剣と盾を持ってみたが、まともに戦える気がしない。

剣術なんて習ったこともないし、ましてや戦闘なんて生まれてこの方1度も経験していない。というか喧嘩すらしたことない。さて・・・どうしよう?

俺は癖で目を瞑り考え込んだ。戦場でこれは明らかに自殺行為だ。しかし、道は見えた。

暗闇の、まぶたの裏側であるはずのそこに、白く光る道が見えた。蛇のようにぐにゃぐにゃとしたその道は遠く先にある大きな光へと繋がっていた。

あれか!俺はあの大きな光こそゴールだという確信を胸に目を開け、脳裏に焼き付いた道に沿って進み始めた。

少し目を閉じるとだいたい五秒くらい先までの未来が見えた。先程からその力のお陰で流れ弾(流れ矢?)を何度か盾で防げていた。そして、再び。

カーン!

降ってきた矢を盾で塞ぐと、高い音が聞こえる。その音は不思議と心地が良いものだった。

しかし、気は抜けない。一瞬でも気を抜き、未来予知をしなければいつ矢に射ぬかれるかわからないからだ。

順調に、そして確実に道を進んでいく。

きっとそのゴールにいる・・・あの時見た彼女が・・・!

だが、予知ができるからといって、全てを避けきれるわけではない。

これは!

予知で見えた光景。それは、「剣撃」だった。

ちょっと・・・いや、結構強そうな兵士の一撃がおもいっきり腹部に直撃した。

そのまま吐血。そして気絶した。

あ、これヤバいやつだ。避けても追撃喰らうだろうし、受け止めるなんて不可能だ。止まる?いや、これも追撃喰らうだろう。

さてどうしようか?

しかし、考える暇もなく未来はやって来た。

空気が切れる音とともに、剣が迫る。

盾だ!もう盾で良い!防ぐといえば盾だぁ!

盾は剣をしっかりと受け止める。俺は本能的にもう片方の手にある剣で兵士に斬りかかった。だが、兵士も盾でその剣を防いだ。

やっべ。これはまずい。

すぐさま兵士の蹴りが腹部に決まった。

吐血こそしなかったが、地面に倒れ込んでしまう。

ああ・・・死ぬのか、俺。

意識がもうろうとしている中、目の前にいた兵士が後ろから来た別の兵士に殺されたのが見えた。

「大丈夫?」

俺を助けたその兵士は心配そうに声をかけた。だが、鉄兜の下から聞こえたその声を、俺は知っていた。

予知で見た・・・女の子の声だ。

俺はその場で気を失った。疲労と極度の緊張のせいだろう。その後どうなったかは、気絶してたので知らん。


気が付くとテントっぽいところの中で、ベッド的なやつで横になっていた。

「え・・・?ここ・・・どこ?」

声に出してみたものの、ここには誰もいないようだ。

さて、どうしたものか・・・

あの声は、確かにあの少女の声だった。

それじゃあ、あの時見たものはなんだったのだろう・・・。

疑問は絶えない。それを一々考えるのもめんどくさい。故に、寝よう。

困ったら睡眠。疲れたら睡眠。1に睡眠2に睡眠。3~4も睡眠5も睡眠。ってことで寝る。

俺は仰向けの状態から右に寝返り、眠りについた。

後ろで物音が聞こえた気がしたが、きっと気のせいだろう。


私は傭兵団「オーラスの貴公子団」の団長。「マリア・フィクセント」。

今は傭兵というよりも帝国に支配された土地を解放するために戦っている。いわば解放軍だ。

元はといえば、故郷を取り返したいという者が多かったため、戦うこととなったのだが、議論はあった。金銭的な問題等、言い始めたらきりが無いほどに。だが、最終的に「解放の報酬を国から貰えば良い」となり、報酬として貰えなければ「解放した土地を自分たちの土地にしてしまおう」という結論に至った。

もちろん異議を唱える者がいない訳では無いが、当面の目標を決めておくのは決して悪いことではない。

支配地域の解放などという夢物語を本気にしている訳では無い。100人ちょっとで構成されたこの小さな傭兵団に解放という夢は大きすぎるかもしれないが、小さい故に夢は大きく持ちたいものだ。

ところで、この前戦った場所で黒髪の奇妙な青年を助けた。その服装は見たことが無く、手に持っていた武器は血と泥で汚れ、剣は刃がつぶれていた。怪我等は一切しておらず、倒れた原因は貧血だろう。それにしても奇妙な青年だ。キャンプに連れ帰ってからもう3日にもなるのに一向に目覚める気配が無い。もう起きてもおかしくないのだが・・・まあ良いか。起きたら尋問をしよう。

ふと青年が寝ている方で物音がした。

「何かしら。」

私はそれを確認するために彼が寝ているテントへと足を運ぶ。どうやら青年が寝返りをうっただけらしい。

彼女はテントから出ると、雲一つ無い夜空を見上げた。

「今日はずいぶんときれいだなぁ・・・」

星が煌めくその光景に、彼女は見とれた。そして、とある言葉を思いだし一言こう呟いた。

「星は運命を呼ぶ、か・・・」

過去に、彼女が占い師から言われたその言葉は何を意味するのか・・・はたまた意味など無いのか・・・それは誰にもわからない。そう、「今は」誰にも。

どうも、作者の0です。魔龍大戦を読んでいただきまことにありがとうございます。僭越ながら後書きなるものを書かせていただきます。

この、魔龍大戦は元々ファンタジーと近未来を混ぜたものにする予定でしたが、書き始める頃にはすっかり忘れてしまい、完全にファンタジーものになってしまいました。

勇者に関しては異世界無双系に入るかもしれませんが、転生してきた主人公(魔法使い)についてはそこまで無双しないと思います。

イメージとしては、力の勇者と技術の魔法使いって感じです。

個人的にはアクションよりもほのぼのとした日常ものの方が好きなのですが、なんとなくアクション系が書きたくて、魔法ありのファンタジーアクションものになりました。

あと、主人公の能力についてですが、私自身何も考えておらず、どんな能力にしようか悩んでいる所存であります。私自身は因果や運命に関する能力にしようかと思っております。

最後に、前書きについてなのですが、私自身何を書いて良いかわからず今回は保留させていただきましたこと、どうかご容赦くださいませ。


追記 2019年6月3日AM2:17

ちょっと短いと思ったため、物語を追加させていただきました。

1つの話を3000文字~4000文字程度に統一したいと思っております。

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