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夜襲


 


 昼間、夜襲の計画を立てた私達はモンスターに村を襲わせ、その村から金品を略奪した『デプレダドル』の連中が根城にしているであろう賭博場跡に来ていた。


 二階建てのボロい建物だが、何故だか人がいないはずにも関わらずやけに中は騒がしい。


 半次郎は刀を肩に当てながら、愛銃のシリンダーに魔力を使って生成した弾を込めている私にこう問いかけてくる



「ここかの?」

「だろうな間違いない、ここは誰も住んでねぇ筈だからな、しかも奴ら宴まで開いてやがる」

「ならとっとと皆殺しにしてしまおう、村から略奪されてる金を使い込まれたら厄介だしな」

「だな、私達の取り分が減る」



 手首を軽く捻り、弾丸を装填したシリンダーを元に戻しながらそう呟く私。


 中の人数は大体わかってるし、とっととかち込んだ方が話も早くて済む。


 私はゆっくりと賑やかな賭博場跡になっている建物の扉の前まで行くとその扉を蹴り飛ばした。


 先程まで賑やかだった宴会の笑い声がピタリと止む。


 すると、扉を蹴り破った私の元に『デプレダドル』の構成員らしき、人相が悪い顔が傷だらけのハゲ頭が私の元にやってきた。



「なんだてめぇら! どういうつもりで…!」



 そう言って、掴みかかろうとしてくるハゲ頭の構成員。


 だが、その前に私はそいつの頭に愛銃の銃口を突きつけてやると迷いなく、そのまま引き金を引いてやった。


 ガンッと言う音と共に額から血を流し仰向けに倒れていくハゲ頭を見た『デプレダドル』の構成員達は一気に顔色を変える。


 そして、私はそのまま愛銃の銃口をそいつらに向けるとまるで狂人のような笑みを浮かべたままこう告げる。



「季節外れのサンタクロースだ、テメェらに鉛玉をプレゼントしに来てやったぜ」



 すると、私の顔を見る『デプレダドル』の構成員達は目を見開いた。


 フリントロックではない変わった拳銃に燃えるように赤いショートヘア、そして、透き通るような青い眼差し、それを見ればはっきりと分かる。


 この街で関わってはいけない人間と言われている『ディアボロ』のロホ、その腕は裏の世界で知らない奴はいない。


『デプレダドル』の構成員の一人が声高に叫ぶ。



「こ、こいつ!? ロホだ!」

「てめぇら! 殺しにかかれ!」



 そう言って、襲い掛かろうと武器を持って押し寄せてくる『デプレダドル』の構成員達。


 そんな構成員達に対して、横に控えていた半次郎は刀を抜く構えを取ったまま先行し、スーナもまた剣を抜くと風の様に駆けていく。


 刀を抜く構えを取った半次郎は早速、抜刀で目の前の構成員を斬り殺すと嬉しそうな笑顔を浮かべたまま、隣にいるスーナにこう告げた。



「はっはー! ようやっと面白うなってきたのう!」

「やはり、こうでなくてはな!」



 半次郎に答えるスーナは舞う様にヒラリと斬りかかる構成員の攻撃を躱すとそのまま腕を切り落とし、流れるように首を跳ねる。


 二人とも大した腕だな、こりゃ、私も負けていられんよ。


 私は愛銃を巧みに扱いながら、机の上を猫のように飛び跳ね、次々と奴等の眉間のど真ん中を打ち抜いていく。


 半次郎はそれに負けじと、二人一度に首を跳ねる芸当を見せれば、スーナも綺麗な唐竹割りで構成員の脳天を割り、パックリと見事な真っ二つを披露する。


 気がつけば、あたり一面が血の海と化していた。次から次へと倒れていく『デプレダドル』の構成員達。


 そして、いよいよ最後の一人になったところで、返り血がついたナイフをチラつかせながら、私は怯えたように後ずさる最後の生き残りに視線を合わせるように屈みこう告げる。



「さぁて、テメェで最後なわけだが…金の在り処を吐いて貰おうか? 村から奪った金の残りはどこにある」

「ひ、ひぃ〜! 化け物かよお前ら!」

「質問に答えてねぇな」



 私はそう言うとそいつの右足を容赦なく銃で撃ち抜いた。


 撃たれた右足から血が吹き出ると共に構成員の男は涙を流しながらのたうち回る。


 脂汗を流しながら右足から血を流す男は蹲るように悲鳴を上げた。



「あ、あぃぎぁぁぁ! 足がぁぁぁぁ!」

「次は左足いくか? ん? 腕でも良いけどどうすんだ?」

「ひぃひぃ…わ、わかった! 話す! 話すよ! に、二階に金は全部運んであるっ!」



 恐怖を浮かべながら、慌てた様子で語り始める。


 なるほど二階か、もうちょっとお前ら隠し場所くらい工夫しろよとは正直思った。


 それに、最初から話してれば、わざわざ足なんて撃たれずに済んだのにな。


 足を撃たれた男は脂汗を掻きながら、強気にこんな話をし始める。



「お前ら、これでただで済むと思うなよっ!? こんな事して、『デプレダドル』と殺し合う覚悟は出来てんだろうなぁ!」

「あ? 最初からそのつもりだけどな。早めにお前ら全員殺しとかないと、おいおいオベッハプエブロで目障りになるだろ?」

「こ、このアマッ!」

「うるせえよ」



 私は足を撃たれた男が声を上げようとする脳天に弾丸を撃ち込み黙らせた。


 正直な話、どちらにしろ『デプレダドル』は目障りだし、戦争するつもりで今回はこっちからふっかけたんだ、今更、そんな事を言われたところで屁とも思わない。


 こんなのが残りが半分くらいいるレベルなら、別に気に留める必要も無いしな。



「それじゃ二階見てみるか」

「応、ひとまず貰えるもんばもろうち、はよズラかるのが吉ぞ」

「だな、私は外で奴らの馬車を回してくる」



 半次郎とスーナは取り出していた刀と剣をそれぞれ仕舞うと私に同調する様に頷く。


 段取りよく動いてくれるので、本当、腕も立つしこいつらが仲間にいてくれて助かる。


 私だけだったらもっと時間食ってただろうしな。


 こうして、私達は無事に村を襲撃した『デプレダドル』の奴らを皆殺しにし拠点を制圧したのち、奪われた金品を奴らからぶん取る事に成功した。


 さて、後はオベッハプエブロのギルドに報告して、村娘達を救出した報酬を貰えば言うこと無しである。


 後はこれを元手にどんな事業を拡大させていくかだな。


 それについては、プラダの奴と相談しながら、おいおい決めていけば良いだろう。

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