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テスト

みっちゃんは宣言通り勉強会に参加すること無く、優ちゃんも目標が出来たことで集中して勉強する事が出来た。


時折、お母さんが意味深な笑みを浮かべておやつを持ってきたりする事は度々あったけど。

そうして迎えたテスト週間。


「どうだった?」


全ての教科を終えた今日、爽やかな笑顔で小林君が尋ねてきた。


「うーん。まあまあかな。小林君が教えてくれたとこ出たから助かちゃった。」


「それは良かった。問題は・・・。」


小林君の視線の先には机にうつ伏せている長山君と何故かご機嫌の優ちゃんがいた。


「やっと終わったー。俺の出せる力は全て出し切った。」

「私もー。いやー頑張った。」


「何か対照的だね。」

「うん。」


とりあえず赤点回避が出来てるといいな。2人とも頑張ってたし。

もちろん私も苦手教科の赤点は避けたいところだ。


「とりあえずテストも終わった事だしカラオケでも行かねえ?」


燃え尽きから復帰しな長山君が笑顔で提案してくる。

確かに今まで勉強会続きだったからな。


「今日は私やめとく。」


いつもなら真っ先に乗る優ちゃんは荷物をまとめると「今日は家でゆっくりしたいんだ。」と笑顔で帰って行った。


「ちょ・・どうしたんだ田島の奴。」

「テスト終わったって言ってもまだ返ってきたわけじゃないからな。今日は田島さんに習って大人しく帰るか。」

「そうだね。」

「マジかよ。」


私が同意した事で長山君は再び項垂れたのであった。




「あードキドキしてきた。」

「大丈夫だよ優ちゃん。」


今日はテスト結果の発表の日。


「大丈夫。俺は大丈夫。」

「長山のそれは自己暗示か?」


それぞれの思いを胸に全ての結果が手元に返ってきた。

うん。赤点はないな。苦手教科もいつもより少し点数もいい。


「うおっしゃー赤点なし。」

「歴史はギリギリだけどな。」

「いいんだよ。赤点取らなきゃいい話なんだからよ。」


赤点がなかった事で元気を取り戻した長山君は笑顔だな。


「田島はどうだったんだよ?」


そう。気になっていたのは優ちゃんの結果。


「優ちゃん?」


さっきから結果を凝視して無言の優ちゃんに呼びかける。


「夢ちゃん、どうしよう。」

「え?」


もしかしてそんなに悪かった?!


「すっごくいい点数!!」


優ちゃんはそう言って私にガバッと抱きついてきた。

その拍子に手にしていた結果の紙が宙を舞う。


「田島、結果が飛んでんぞって・・・何だよこの点数。」


近くに飛んできた優ちゃんの結果をみた長山君が大きな声をだす。


「うわ本当だ。ほぼ90点代、1番低くても80点。」

「え?優ちゃん凄い!!」

「夢ちゃん達のおかげだよぉー。」


「何故だ?田島は俺と同じバカキャラだろ。」


長山君は再び項垂れていた。

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