表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/26

集中力

各自昼は食べてからの集合ということで集まったのは13時を少し過ぎた頃。

昨日教えた事の復習と別教科の勉強を始めた。

みっちゃんは私達とは少し範囲が違うから、私の勉強机で1人で問題を解いたりしている。

時々どうしても分からないことを私か小林君に尋ねてくるが飲み込みが早いみっちゃんはすぐに理解してまた1人黙々と勉強を始める。

勉強を初めて1時間が過ぎた頃インターフォンの音と母親のパタパタとかける音が下から聞こえた。


「夢ちゃーん。お友達よー。」

「友達?」


今日約束何かしていない。

そもそも私が家に招くのは優ちゃん達位だから分からない。

検討もつかないまま下に降りて行くと、ニコニコとした母が既に玄関内まで招いていた。


「長山くん?」

「よっ。わりい連絡も無しに。」

「ううん。とりあえず上がって。皆もいるから。」


戸惑いながらも長山くんを連れて自室へと戻る。


「あれ長山、お前バイトって言ってなかったか?」

「バイトだったんだよ。朝から夕方まで。」

「夕方にしては日がまだ大分高いけど追い出されたとか?」


優ちゃんが冗談めかして言うと長山くんは静かに頷いた。


「えっちょ冗談だったのにマジなの?」

「まぁな。たまたま試験の話が客と出て俺らの所も今度テストだって話したらおっちゃんがテスト終わるまで来るなってよ。」


長山くんのバイト先は知り合いの店って言っていたから勉強が苦手なのも知っているのかも知れない。


「いい人だね。長山くん。」

「あーまぁな。おっちゃんの口癖が学生は勉強が本分って言ってっからなぁ。目先の金の為に時間を使わずに目的を持って勉強出来る今を大切にしろって。」

「へぇーいい事言うな。」

「だろ?俺にはまだ目標とか見つかんねぇけどな。」


長山くんが加わった事で少し賑やかになりながら勉強会は進んでいった。

15時30分勉強を初めて2時間ちょっと。

昨日は学校帰りだっから勉強出来たのは2時間少々。

つまり・・・


「飽きーたー。」


優ちゃんの集中力が切れる頃。


「ねぇ夢ちゃん。いっぱい勉強したんだし遊ぼ。」

「ダメだよ。優ちゃんまだ予定の半分しか進んでないんだよ?」

「でもでもここまでサボらずにやれたしご褒美ってことで。」

「ご褒美なら試験終わってからパァーっとやればいいだろ。」

「長山くんまで・・・試験終わりはやるけど今日は今日でさぁ。」

「優花。」

「なに?みっちゃんも疲れたよね?だったら「いい加減にしろ」え?」

「夢叶も小林も勉強が苦手だっていうお前の為にこうやって集まってくれてるんだろ。」

「そ、それはそうだけど・・・」

「それなのに肝心のお前がそんな調子じゃ駄目だろ。」


みっちゃんはそこまで言うと自分の荷物をまとめ出した。


「み、みっちゃん?」

「夢叶、悪いけど俺は帰らせてもらう。」

「みっちゃんが帰らなくても・・・」

「そうだよ。夢ちゃんが言う通りだよ。」

「いや。優花は俺といると甘えがちになる。だから俺はテストが終わるまで会わない。夏休みに補習になったら夏休中も会わない。」


みっちゃんはそこまで言い切るとバタンと私の部屋を出ていった。


「どうしよう・・・みっちゃんに嫌われた。」


優ちゃんの目からは大粒の涙が溢れ出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ