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覇戒の龍神  作者: KB
ハジマリ
2/13

VRMMO

もう1つは待っててくださいorz


※2017/6/11改稿

※三人称

 VRMMO「インフィニティ・オンライン」

 またの名を「ウロボロス」

 パッケージに書かれている2匹の蛇が互いの尾を咬み交差するように描かれていることからこの名が付けられた。


 仮想空間体験装置(VRマシン)と呼ばれる画期的な発明品が世に出てから数年後、某有名ゲーム会社が様々な機関と共同で開発した世界最初のVRMMOである。

 その名の通り、無数にある種族と(ジョブ)スキルの樹(スキルツリー)と呼ばれるものの組み合わせにより無限にも及ぶキャラメイクとドロップアイテムや課金アイテム、果てはデータクリスタルと呼ばれる特殊なアイテムを組み合わせ、自分独自のアイテムや装備、装飾品(アクセサリー)などを生み出すことのできるゲーム。また、ギルド施設やパーティチャットなどの機能も備えており幅広い層で人気を博したゲームでもある。


 そんなこのゲームのコンセプトは『禁忌』。


 数多ある『禁忌』を集め、神の御前にてその願いを叶える。


 それがこのゲームの主題であり、全プレイヤーの目標であった。

 たった1つでもプレイヤー間の実力を狂わせることの出来るモノ。

 それが『禁忌』であり、一つでも持っていれば上位プレイヤーとして名を残すことの出来る代物である。

 特定の条件をクリアするか運営独自の鬼畜イベントをクリアする事で手に入るそれは「廃人発生装置」とまで呼ばれ、数多のプレイヤーが挑戦し骸を増やしてきた。


 そしてこの「インフィニティ・オンライン」には、主題とは別にプレイヤー達の間で重要視されているものがある。


 それは――『眷属』。


 文字通りNPCを自分の『眷属』として使用する事の出来るものである、と言ってもそう簡単に手に入れる事の出来るものではなく、イベントクリアや大規模対戦の上位者報酬、または超希少なアイテムや限られた種族の能力などでお目にかかる事の出来るレアなシステムである。しかしその分、能力や使い勝手は恐ろしいほど優れており、新参プレイヤーはおろか中堅ですら油断をするとさっくりいかれるほどの技能を持っており、とある有名プレイヤーに「運営が暇潰しに動かしてるに決まっている」等とまで言わしめるほどのスペックを秘めている。


 さて、長々と説明をしたがこの「インフィニティ・オンライン」において知っていてほしい事の一つを忘れていた。


 『ワールドマスター』。


 個人ランク・ギルドランクにおいて1位のプレイヤーにのみ与えられる称号。

 その位の高さが不可能に近いが故に全プレイヤーはこの者のことをこう呼ぶ――「廃神様」、と。


 そんな『ワールドマスター』が持つ異能(ギフト)は3つ。


 1つ目は『覚醒』。

 「インフィニティ・オンライン」において種族とは下位種族か上位種族しかないが、『ワールドマスター』になると最上位種族が解放される。だからと言ってすぐになる事の出来るものではない。様々な条件をクリアしてやっと至れる境地である。


 2つ目は『限界突破』。

 全ステータスの倍増や各種威力の上昇、抵抗値微増等の様々な恩恵が与えられる。


 3つ目は『無効化』。

 どの種族も持つバッドステータスや固有スキルの欠点、果ては呪いやステータス減少といった物の全てを消し去ってくれるというまさに最高にして最悪の恩恵。


 何を思って運営側がこのような隔絶としたシステムを組み入れたかは定かではないが、これらの効果を与えてくれるが故に『ワールドマスター』というのは全プレイヤーの憧れであり、一種の象徴でもある事は確かである。

 そして、そんなプレイヤーの頂点に君臨し『ワールドマスター』の制度が出来て以来、1度もその座を明け渡した事のないプレイヤーがいる。


 個人ランク・ギルドランク共に1位。

 所持する『禁忌』の総数は61。

 ギルド『邪蛇(じゃじゃ)』のギルドマスターにして、最強のソロプレイヤー。


 名を――「オロチ」と言う。


 彼のギルドに属する者は彼以外の者は全員がNPC。

 たった1人のPC(プレイヤー)と13人のNPC(ノンプレイヤー)

 普通、その程度の数なら大手ギルドに吸収されるか淘汰されるものだが、このギルドに至ってそれはありえない。


 なぜなら――――



 ――強いから。



 圧倒的なまでの強さを持ってして、ただ悠然と座り続ける玉座はいつしか誰の目にもそれが当たり前となっていた。

 2位以下のギルドなど歯牙にもかけないその圧倒的なまでの強さは、いつしかプレイヤー達から畏怖と尊敬の念を集めるようになっていた。

 しかし、だからと言って彼が常に1人なのかと問われれば否と答える。

 彼には7人の義兄妹達がいる。


 竜人(ドラゴニュート)


 それが彼らが選んだ種族であり、オロチが選んだ種族でもある。

 この種族は強さという面においては比類のないものを持っている。じゃあ、皆がこの種族を選んでいるのかと聞かれると、そうではない。

 この種族は強いがゆえに、他の種族と比べると圧倒的に使い勝手の悪い種族である。選べる(ジョブ)も少なく、それどころかスキルの樹(スキルツリー)次第では屑と化す使い手を選ぶ種族なのである。

 それが原因で竜人(ドラゴニュート)と呼ばれる種族は全国総数3億人を超えるプレイヤーの中で8,000人しかいない。

 それどころか龍人(ドラグニル)と呼ばれる上位種族はオロチを含め8人しか存在していない。

 故に彼らは、和を重んじる。

 後から進化した者は早くに進化した兄姉達を慕い、早くに進化した者達は後から進化した者達を弟妹のように扱う。

 その中でもオロチはずば抜けて慕われている、強さと序列を重んじる彼らはオロチという存在を本当の兄のように扱う。

 だからオロチもまた彼ら彼女らを本当の弟妹のように扱う。

 必然的に彼らはオロチの下に集まる。


 組織「(りゅう)」。


 竜人(ドラゴニュート)龍人(ドラグニル)達のコミュニティであり、オロチを家長とする家族組織である。

 決して表には出てこない非営利ギルドながら、強さは『邪蛇(じゃじゃ)』に匹敵するほどのものを持っている。

 が、必要とあらばその力を振るうのに一瞬の躊躇いも持たない者達。

 その為、彼らもまたプレイヤー達から恐れられている。


 だがしかし、彼らは決して、排他的でも鎖国的でもない。


 家族に甘く敵対者に厳しい、それだけなのだ。


 こんな温かい面も存在し、数多くの人間を魅了してやまないのが、この「インフィニティ・オンライン」なのである。



 さて、これらが世界中で人気を博しているVRMMO「インフィニティ・オンライン」の概要である。


 なぜこの様な説明を入れたのかというと、この物語はそんな彼らと「ウロボロス」に住まう者達があの日、大戦を超えて世界を渡り、各々の力を振るう。


 そんな哀しくも笑えて、


 それでいて楽しくも辛く、


 そして、誰もが忘れる事の出来ない、そんな歴史を刻んで行くことになるからである。

ゴリゴリの献上式隷属ハーレムになるかと思うのであしからず。

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