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紅き瞳のプリンセス。
「お客様にみっともない姿を晒して、何をしているのですか」
二人の言い争いを止めたのは、僕たちとそれほど年の変わらない女の子だった。
紅くキレイな瞳。
サラサラのロングヘアー。
漆黒の髪。
「セレア!今までどこへ行っていたんだ!?」
「急用が入ったと伝えたはず。人の話をもっと聞きなさい」
キレイな水色のドレスを纏うその姿は、お爺ちゃんが話してくれた人と重なって見えた。
「あなたが、女神様…?」
「我が名はセレア」
女神様に選ばれた。
お爺ちゃんはそう言っていた。
それがどんな意味を示しているのかは、わからない。
だがこの人は、微笑んでいるのに瞳は悲しみを帯びていた。
その後、僕たちが連れて来られた理由。
お爺ちゃんが僕に言っていた言葉。
そのことを全て、姫に話した。