序章
はい、そんなわけで7月のにじファンの乱が起きたためにオリジナルを書くことにしました。
序章だから短め。ファンタジーっぽい雰囲気が伝わればまずは成功。
今後は一万字以上を基本にしていきます。
短い文章って書いた気も読んだ気もしないんですよね。
皆の感想&評価&ネタ提供が作者の力になっております。
注意事項
なんとなく”リ●なの”的要素が含まれているような時が多々あるように思えるかもしれませんが当作品はSFファンタジーです。
科学要素が強いファンタジーなので今後も似た表現が多くなると思われます。
そういうのがダメな方は躊躇することなく即座にバックしましょう。
戦略的撤退を強く推奨します。
世界の始まり。様々な生物が生み出された。その中でも特に世界から愛された種族が居た。長命種と言われた種族。姿形は人間と変わらない。ただし寿命に限りがない。
長い生を持つ長命種は永遠にも等しい時間を掛けて高度な文明を築き上げた。彼らは存在する全ての陸を制覇し、海を踏破し、空を支配した。そして彼らは新たな開拓地である星の海を進み始めた。
長命種の多くが星の海の向こうへ旅立った。自分達の住む星を調べ尽くし知り尽くした彼らの知的好奇心は未知なる星の向こう側に注がれていたのだ。
僅かに残った彼らは故郷を見守ることにした。自分達が築いた痕跡を徹底的に消し去り歴史の裏を歩き出す。彼らは新しい星の支配者達を、多くの時代を影から見守り、時に手助けしてきた。
それは始まりの時代と言われた。ありとあらゆる生物が生を謳歌した時代。人間と亜人は笑い、獣人は野を駆け、ドラゴンは自由を謳歌する。そして精霊は歌うことで世界にマナを満たす。生命力溢れる力強い光に満たされ祝福された世界だった。
しかし、生命溢れた時代にも陰りは見えるものだ。精霊達の歌により世界に満たされたマナは減り世界は衰える。災害、疫病、そして死。世界は嘆きに侵食される。生を謳歌していた生物達はゆっくりと衰退の一途を辿った。
長命種は数々の種族を絶滅から遠ざけ最低限存続させ続けた。
次に神々の時代が出てきた。滅びに抗う者達が居た。最も力ある者達の御業により世界は再び力を取り戻す。それは始まりの時代にも決して劣らないほどの繁栄を見せた。再び世界にマナが満ちたことで生物達は生を謳歌する。
しかし、最も力ある者達は他の生物達を見下していた。人間と獣人は労働力に、亜人は愛玩用に、ドラゴンは荷馬車の如く扱う。精霊達は嘆きながらも歌う事でマナを世界に満たし続けて皆を慰撫する。
悲しくも見守り続けた。多くの種族の嘆きに突き動かされ各種族に武器と知恵を与えた。
黄金の時代。反乱の時代とも言われる時代。最も力ある者達に対して全生物達が自由を求めて反抗した。
人間は剣を取り戦った。亜人は弓で戦った。獣人は強靭な肉体を駆使して戦った。ドラゴンは蓄えた力の全てを解き放ち強大な力でもって戦った。精霊は減り続けるマナを繋ぎ止めるために歌い続けた。
最も力ある者達を打倒した生物達は繁栄への道を歩む。夏には生命力が溢れ、秋には実りを得て、冬には身を寄せて暖を取り、春には恋をして愛を育み、愛しき者との間に子をなした。
長命種が知恵と武器を与えたことで時代が動いた。だが、それは長命種の最大の過ちだったのかもしれない。
全ての生物は生を謳歌するがそれも長くは続かなかった。生物達が未曾有の争いを起こしたことで憎しみが生まれた。憎しみは生命溢れる世界に一滴の毒となった。
毒の一滴は負の代行者として世界を侵略する魔族という新しい種族を生み出した。
魔族、それらは醜かった。黒く濁った肌、澱んだ眼、ねじくれた角、大きな皮膜の羽根などのそれら全てが醜かった。そして魔族は生を謳歌する全ての生物を憎悪していた。
破壊衝動に、欲望に忠実な悪魔は全ての生物を壊し、犯し、殺した。生物達は涙を流し悲しみに暮れた。
戦いの時代。人間、亜人、獣人が魔族との長い戦いに入った。他者に興味の薄いドラゴンは我関せずと通し、精霊は争いそのものを忌避していた。長命種は自ら介入する事はしない。見守り、時に小さな後押しをする事のみだった。
人間、亜人、獣人は強大な力を持つ魔族を相手に激しい戦闘を繰り広げるも徐々に劣勢に追い込まれた。
劣勢に追い込まれた三つの種族は力あるドラゴンとマナを生み出す精霊に助力を頼む。1度目、2度目は断られた。最後に3度目は長命種が仲立ちし協力を取り付ける事ができた。
ドラゴンは助力する代わりに竜種こそが生物の頂点であることを認めさせた。精霊は火を操り、風を吹き荒らし、水を荒れ狂わせる魔法の力を与える代わりに世界を愛することを約束させた。
これは盟約である。何人にも侵されぬ不変の約束。とても古い、大事な約束。
連合軍。人間と亜人と獣人、そしてドラゴンと精霊が力を合わせて魔族に立ち向かう。
精霊の加護により魔法の力を得た人間と亜人、獣人は反撃に移った。人間は剣と魔法で戦った。亜人は弓と魔法で戦った。獣人は拳と魔法で戦った。ドラゴンは大空を舞い爪で切り裂き、牙で噛み砕き竜の吐息で燃やした。そして精霊は戦う者全てにマナを魔力として与え続けた。
やがて戦いは収束する。人間、亜人、獣人、そしてドラゴンと精霊の連合軍が勝利によって。魔族は暗き地の底に追いやられ封印された。
勝利後、連合軍は解散された。人間は平原に村を作り町となり国を作った。獣人は人間の善き隣人として共にあった。
亜人は森の奥深くに村を築き自然を尊ぶ者、山を掘り地中に住む者、旅する者などが多く居た。
ドラゴンは天高く聳える山の頂上、深い渓谷、森や砂漠、ありとあらゆる場所に住み着き最強種として長きに渡って君臨した。
精霊は姿を隠し世界のために歌い続けた。大いなるマナよ世界に満ちよ満ちよ満ちよ、と歌い続けた。
最後に長命種は世界を見守り続ける。しかし、彼らは一部の魔族にも手を差し伸べた。契約内容は魔力を糧に召喚主と契約を結び、その手助けする事だった。これこそが召喚術の始まりである。
世界は、時間は止まることなく巡り続ける。始まりから終わりへ。誕生から終焉へ。世界は回り続ける。
「それから数万年、数億年の時代を影から見守り続けた長命種。それが父さんと母さんだったんだ。……どうだ、愛息子よ!すごいだろ!?父さん達がんばったんだぞ!あっはっはっはっ!」
「あー、はいはい。すごいね、すごいねったらすごいね。尊敬しちゃうなー」
「母さん!愛息子が冷たいよーっ!!反抗期かな!?これが文献にある反抗期なのかな!?」
「あらあらあら。アオイちゃんのお勉強の邪魔しちゃダメよ、パパ」
「ちょっ!?母さんヒドイよっ!?」
父さん……母さんに泣きつくとかやめろよ。あんた、俺の父親だろ?色々できるすごい人だと思うけどそういうところだけは尊敬できないよ……。
異世界で新しい生を受けたアオイ・ルメルシエ、12歳の事だった。
異世界転生系のSFファンタジーでっす。
主人公”アオイ・ルメルシエ”の名前は勢いで決めた。日本とフランスの混合型。
でも黒髪黒目は変更なし、だけどその他細かいところは変更しています。
ではでは。