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アナタは異世界で何をする?  作者: 鉄 桜
第一章・幼年期から青年期まで。
14/64

第6話

てーれってれー。

アオイが10歳になったー。


皆の感想&評価&ネタ提供が作者の力になっております。


 


 


 一〇歳になった。やっと一〇歳になった。

 今年からは父も俺の指導に参加する事を許された……母に。成長して漸く最低限の身体が出来上がった事が理由らしい。

 こういうところって家庭内の絶対的な力関係が露わになるから息子としては困る。見たくもない現実の力関係がわかってしまうから……。

 そうして指導初日の前日、つまりは昨日の事だけど、その時の父の張り切りようは尋常じゃなかった。俺も一時的に、とは言えあの母のスパルタンな教育的指導(主に課題処理)から解放される事実から自分らしくもなくハイになってしまい無駄に張り切っていた。

 で、父の指導初日の今日は一〇歳になって俺もある程度は実技もこなせる身体になったので場所は農業区画の比較的広い一角にて今から父に教えてもらう事になる。

 本当は実験区画に隣接してる訓練区画でやるべきなんだけど、“もしも”の時を考えて最初はシーちゃんとクーちゃんの居る農業区画で行なう事にしてもらった。


 因みにエーデルは自室に置いてきた。ものすごくごねていたけど何かの拍子に壊されでもしたら堪ったものではないから昨日一晩かけて説得した。

 その時に『私を(机の上に)置いて行ってしまうのですね……』、『お前が大事だからだ。わかってくれ!』とか『あの娘達シーちゃんとクーちゃんのほうがいいのでしょう!?わかっているのですよ!?』、『なんでキレてんのさ!?意味わかんないよ!』などのやり取りがあったけど……もう、忘れた。忘れたことにする。

 本当に、感情表現が豊かになったものだ……。


「シーちゃん、クーちゃん。いざという時は助けてね?本当、マジでお願い」

「きゅるるっ!」

「わふぅぅんっ!」


 まるで『任せろ!』と言うように鳴き声を上げた。実に頼もしい事この上ない。そして可愛いから和む。

 シーちゃんとクーちゃんも成長してこの一年でまた一回り大きくなっていた。本当ならまだ子供の二頭も俺との召喚契約が影響しているようで今では並みの成体に匹敵する図体になっていた。

 二頭とも両親と同じ大きさに成長した事を喜んでいたなぁ。なんでも『これで喧嘩しても負けない』とかなんとか言っていた……ように感じた。

 親子仲悪いのかな……。


「ん?」


 ふと何かを感じて足を止めた。天井部を見上げて、先程感じた何かを探った。

 農業区画内の天井部からなんとなく今誰かの視線が、こっちを……?確か、これは監視カメラだったか。

 それはどこか身に覚えのあるような視線だった。


「きゅる?」

「わふ?」


 そうして突然足を止めて考え込んでいたからか、両隣を歩いていたシーちゃんとクーちゃんが不思議そうに小首を傾げていた。きゅーきゅー、わふわふ、と心配そうに鳴いていた。


「うん?……いや、なんでもない、かな?」

「きゅるー?」

「わふー?」


 なーに、大丈夫大丈夫。視線に悪意はなかったし、問題はないって。……妙に絡み付くような視線の感覚には戸惑いを覚えるけど。

 さあ、もう行くよー。


 さて、前日には母から父に指導者が代わった事にハイになって喜びはしゃいでいたのになぜ俺がこんなに警戒しているのか不思議に映るかもしれない。だけど、よく考えてほしい。改めて考えるとガチムチマッチョな父は“あの母”の“夫”だという事を。

 今朝になって一度冷静になって考えてみた。あの母のスパルタンな教育的指導という例もあるのだから『まさか父も……え?俺の安寧は?』と考えてもおかしくない。……おかしく、ない、よな?

 被害妄想と笑いたければ笑えばいいさ。用心が無駄に終わったとして笑って済むからそれはそれでいいのだから。


 背後にシーちゃんとクーちゃんを引き連れて、様々な不安要素を孕んだ今日の指導に思いを馳せていたら父の待つ広場に来ていた。来て、しまっていた……。

 広場の中央には腕を組み仁王立ちしている父が居た。その表情は実に暑苦……爽やかに、嬉しそうに笑んでいた。


「よく来たな!さあ、愛息子よ!これからは父さんも実技で色々教えてやるぞ!はっはっはっはっ!」

「父さん、張り切ってるね……」


 無駄に、という言葉は心の中だけで呟いた。俺もそこまで鬼じゃない。こんな父でも俺は尊敬している。主に戦神や鬼神の生まれ変わりとも言えるあの母を嫁に取った的な意味で。

 見た目的にはガチマッチョな父のほうが強そうなのになぁぁ。グラマラスな我が儘ボディの母のほうが強いとか……。はぁぁ、同じ男としては複雑な気分だ。


「ああ、可愛い愛息子のためにモノを教えられるからな!父さんは今までにないくらい気分が盛り上がっているよ!最高に(ハイ)ってヤツだなっ!!」

「あー……そっか」


 この三年間はずっと母が教育方針の主導権を握ってきたから父さんも鬱憤が溜まっていたのか。俺がある程度動けるだろう一〇歳の身体に成長するまで指折り数えて待っていたものね。嬉々として。


「さて、まずは格闘技か。愛息子よ!お前が望むのは一撃粉砕の力強い剛系か!それとも後の先を制する柔系か!父さん的には剣術は基本として『柔能く剛を制す』の精神で合気道や柔術、暗器術がオススメなんだけど……どうかな!?」


 いや、『どうかな!?』なんて戦闘術の事を嬉々として聞かれてもわからないっての。こちとら前世は平和ボケ上等な平成を生きる日本人だったんだからさ。

 よって、俺は指導担当である父に全てを任せる事にした。


「んー、よくわからないから父さんに任せるよ」


 任せてしまった。全部、任せた。それが間違いだった。

 俺の内心では投げやりな返答を聞いた時の父の目がキュピィィンと怪しく光ったのを俺は見ていなかったからわからなかったんだ。

 それからの指導は母に優るとも劣らないスパルタンな訓練になる事を……。


「では愛息子よ!準備運動を始めようか!愛息子はそこの二頭と一緒に走り回っていたと聞いた!感心だぞ!それではまず初めにこの広場を軽めに百周するぞ!」

「え?」

「ん!?」


 おかしい。この父は今なんと言った?

 いやいやいや、待て待て待て。落ち着けよ、俺。今のは単に聞き間違いかもしれないじゃないか。一応は確認も必要だ、うん。


「ひゃくしゅう?」

「ああっ!そうだとも!これくらいボクの愛息子なら軽いだろ!」

「え?本気で?」

「勿論だっ!」


 父のキラキラと輝く顔があった。

 なんでそんなに嬉しそうな顔をしていやがるのか、この父は……。

 視線を見渡して改めて周囲を確認した。農業区画の一角にあるこの広場はシーちゃんとクーちゃん、他魔物(♀)達とよく遊ぶ場所だ。割と大きい身体を持つ魔者達と遊べるわけだから必然的にこの広場も当然それ相応に広大さがあった。


 だから、もう一度言わせてもらう


「本気で?冗談でなく?」

「本気だとも!何を言って――はっ!?まさか……そうか!そういう事なのか!?」

「は?あ、ああっ、そう!そうなんだよ!父さん、これはいくらなんでも――」


 とんでもない誤解が解けたと思って安堵した俺の言葉はここで途切れる事になった。他でもない父によって。


「やはり!そうだったのか!!なんという事だ!愛息子は『百周など軽い!その倍だ!』と言いたいのだな!?流石はボクとイングバルドの愛息子だ!」

「え?えええっ!?ち、ちがっ!俺は、ただ」

「わかってる!みなまで言う必要はないとも!流石は我が愛息子だ!よろしい!そういう事ならば愛息子の期待通りに倍の二百周だ!!そぉぉらっ、行くぞぉぉ!!」

「だから、ちょっと待てえええっ!?」


 勢いよく走り出して迫ってくる父が居た。俺は迷わず反転して逃げるように駆け出した。

 時折背後を振り返って確認した。実に楽しそうな父の顔が見えて一瞬だけ、ほんの一瞬だけ殺意が湧いた。

 一度こうなったら父は普通に言っても止まらないし聞いてくれない。この状態の父を問答無用に止められるのは最早母だけだ。

 二百周か……辛いねっ!


「さあっ!そうと決まれば後は走るのみだ!さあさあさあっ!走れ走れ走れえええっ!」

「ちょっと待てええええっ!?!?」


 父のテンションが上がってマッハでヤヴァイ。自分で言っていて意味不明だけど、それだけ今の俺は慌てているという事だ。

 そうして暫く半ば無理矢理に走らされている俺は背後から迫る父に魔力の高まりを感じ取った。それは複数の気配となっている。


「わふーっ!」

「きゅるーっ!」

「ヒャッハーッ!」

「うぉおっ!?」


 なんか飛んできた!?火とか風とか……雷とか!しかも雷はカスった!服の裾が焦げてるっての!今の俺の服装はシンプルな半袖と短パンなんだからな!防御の付与魔法(エンチャント・マギア)なんて施されていない、普通の運動着なんだよ!

 当たったら死ぬだろうが、このダメ父がああっ!!


「と、父さん!行き成り攻撃魔法とかやめろよな!?裾が焦げてるって、おいっ!?」

「正直すまんかった!今度は気をつける!」


 謝るのかよ!?素直だな、この父は!憎むに憎めない!――て言うか『今度は気をつける』ってなにさ!?

 きっと、こういう所が母の言う『あの人の可愛い所よ』って事か。言われた時は惚気ているだけと思っていたけど、これは事実だったのかね。

 くそぅ。将来は俺も綺麗な嫁さん貰って自堕落で淫蕩な性、げふんげふんっ生活してやるんだからなーっ!


「走れ走れ走れえええっ!!ヒャッハーッ!!」

「んなっ!?もうやだあああっ!!」


 さっきの『今度は気をつける』ってこの事か、おいぃぃっ!?青白いレーザーが背後から飛んでくるとか、どこの宇宙戦争だ、こらあああっ!?!?

 父は魔法を放つのを辞めると懲りる事を知らないのか、あろう事か今度はエネルギー系統の銃器を取り出して躊躇なくぶっ放してきやがった。

 幸いにも使われた銃器はエネルギー系に属する非殺傷系の拳銃、フェイザーだったから当たっても死ぬ事はないのが救いと言えば救いだ。


 ただし、見た感じ父は遠慮なくレベル3に設定しているみたいだから当たったら“死ぬほど痛い”んだからな!?

 このフェイザー、エネルギーの放射出力に三段階のレベル設定が設けられていてレベル1だと当たっても痛みはないけど筋肉が弛緩して麻痺状態になる。レベル2は、麻痺はしないけど痛い、すっごい痛い。レベル3、これは今も父が撃ちながら追いかけて来ているけど当たると麻痺効果に加えて死ぬほどの激痛を味わう事になる。


 そんなものを振り回して楽しそうに背後からぶっ放してくる父から俺は逃げている。

 もうなんなの、この父は!?ある意味あの母よりもヒドイんだけどっ!!


「なぜ当たらない!?それじゃつまらないだろう!?逆境に立ってこその訓練じゃないか!!」

「当たったら痛いだろうがっ!あふーっ!?だ、だからってさっきまでの倍も撃つんじゃねええええっ!!」

「なんだと!?それならボクは何を持って指導すればいいと言うんだ!?」

「攻撃から離れろよ!!寧ろいらないから!言葉で指摘しろよな!!」

「っ――!!それがあったか!!流石は我が愛息子だ!!」


 本当にっ、もうやだあああっ!!この父は、もうっ!!

 ビタタァァっ!と土煙を舞い上がらせながら勢いよくその場に停止した父に漸く俺は安堵の吐息を漏らした。さっきまで持っていたフェイザーもいつの間にかなくなっている。


 そうしてそれから暫く走っていたら気がつけば二百周は走り終えていた。百周近くまでは父のデスマーチによる指導を受けて、後半の百周は口頭による穏やかな指導方針に変わっていた。

 やっとの事で走り終わってみれば俺はゼェゼェと息を切らせているのに父は汗一つ掻く事なくイキイキとしていて爽やかに笑っていた。一緒に走っていたのに、この差とは。大人と子供の違いがあるとは言え、世の理不尽を感じずにはいられなかった。

 それでも、終わってみれば走っていた疲れよりも父からの物理的精神的ストレスとプレッシャーの疲れのほうが酷かった。と言うかよく走れたな、俺。これでもまだ10歳の子供なんだけど。やはり色々な意味で廃スペックな父と母の息子だから、この身体も廃スペックなのだろうか。


 …………いや、待てよ。

 確か五歳の時から夕食時に母と父から渡されたカプセル型の薬剤があったけど……あれが、まさか原因か?母は栄養剤だか体調を整えるものだとか言っていたけど。いや、そんな事が……?

 でも、あれを服用するようになってからはイヤに集中力が高まったり頭の回転が早くなったり体力が著しく向上した覚えが……ある。

 え?まさか本人の知らない間に“肉体改造~薬剤編~”をされていたってオチ?

 いやいやいや、いくらなんでもあの母と父が一人息子相手にそんな事を……あー……フッ、合理的なら平然とやりそうで怖い所だなぁぁ。

 怖くて事実確認できないじゃねぇか!もういいよ!開き直ってやるっての!カカカッ!


 こほんっ。失礼、紳士淑女の皆様。

 さて、まだ基礎体力作りを始めたばかりなのにこれだ。この事から父も実技指導では鬼だった事がわかった。物理的な脅威という意味で。攻撃魔法とか銃器をなんの躊躇もなくぶっ放してくるんだから指導中は正に命懸けだ。

 こうなってくると『フゥ、もうウチの両親はどうしようもないな』とやさぐれて色々と投げ捨てちゃいけないものまで投げ捨てそうになる。

 あっ、そう言えば……。


「シーちゃん、クーちゃん。俺、言ったよね?危なくなったら助けてね、って言ったよ、ね?」

「きゅるる~……」

「わふ~ん……」


 なになに?父に視線で牽制されていて手が出せなかった……だ、と?え?マジで?あの状況下で父はこの二頭をも警戒していたというのか?ウソだろ、おい……。

 申し訳なさそうに項垂れる二頭を見ると怒るに怒れない。一応は助けに入ろうとはしていたようだったし。


「はっはっはっ!そこの二頭ではまだまだ力不足だな!まだまだ精進が足らんぞ!父さんを止めるなら――母さんくらいじゃないと、な……」

「父さん……」


 さっきまで自信満々だった父よ、なぜ急に背中が煤けているのか……。なんだかとても切なくなるじゃないか。

 そんなに母が怖いのか?いや、言わなくてもわかるけどさ。寧ろ言わないでほしい。聞いたら後悔しそうだから。


 それからなんとか気を持ち直した父が改めて指導に乗り出した。その指導する姿は、まるで何かを振り払うように一心不乱になっているように見えた。

 最初みたいに攻撃はなかったけど精神的にはそれ以上に熱を入れていたなぁ……。

 もしかして母の影に怯えていた、とか?


 ハハハ。まさかぁ……。ちょっ!?父さんっ、顔色が真っ青だよ!どうしたのさ!?


 


▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽


 


 どうも、不思議な状況に陥っているアオイです。

 二百周の走り込みも終わってさあ、これからという時になって突如として母が登場した。

 無言で歩み寄ってきた母は一言『正座しよっか』とだけ言って更に威圧して父を正座させた。態々芝生の生い茂る広場から砂利の多い端っこに移動してから……。

 そして今、俺の目の前ではガクブル震えて正座する父と鬼の形相で仁王立ちする母が居ます。素敵に嗤ってるけど、我が母ながら綺麗だけど笑顔が怖いとはこれは何さ?

 え?意味がわからない?大丈夫だ、俺もわからない。


「ねぇぇ、クロード?アレはどういう事なのかしら?愛する息子を非殺傷兵器とは言え躊躇いもなく撃つなんて……ねぇ、どういう事なの?ねぇぇ?」

「みみみ、見ていたのかい!?」

「ええ、見ていたわよ?エーデルちゃ、こふんっ、エーデルが『マスターが危険です』って知らせてくれたのよ」


 エーデル、あの視線の正体はお前か。でも、ありがとう。今回はある意味助かった。

 だけどもう少し欲を言うならもう少し早く助けてほしかったかなー、なんて。もう二百週は走り終えていたし……。

 たかが準備運動で二百週とか、やっぱり意味わからない。


「その時は何の事かわからなかったけど、ここであなたのやった事を映像で見せられて私ね、理解したの」

「り、理解?な、何を理解したのかな?ハハハ……」

「それはねぇぇ、『ダメだ、あの人を早くナントカしないと』って思ったのよぉぉ。ウフフフフフ」

「――ッッ!ナントカって何かな!?ボクは何も悪い事はしてないよ!?なあっ、愛息子もそう思うだろう!?」

「…………」


 ついっ、と父から視線を逸らした。今ここで余計な事を言えば母の魔の手が確実に俺にも伸びてきそうだったから。

 それに実際に被害を受けたし。兵器関連の資料を読み漁った時に取り説で読んだけど、あれって死なないとしても当たると死ぬほど痛いらしいじゃないか。マジ勘弁だ。


「せめて何か言ってくれないかなっ!?このままじゃ父さんが母さんにころされっ」

「あ・な・たー♪――何をアオイちゃんに八つ当たりしているのかしら?……捻るわよ?」

「ヒィィっっ!!??」


 母のひどく低い冷徹な声色に父は生まれたての小鹿のように震えていた。

 母が『捻る』と言った瞬間に思わず股間がきゅぅぅっとした。恐怖で縮こまったのだと信じたい。寧ろ男に対して『捻る』なんて言うならそこにしか思いつかない、他にどこがあると?

 でもな、信じられるか?うちの両親はこれでも夫婦仲は円満なんぜぃ……。


「さあ、行くわよぉぉ。フフフフ……」

「ちょっと母さん!?ボクは愛息子のために良かれと思ってだね。別に悪気があったわけでは……ァ、アーッ!?」


 とてもイイ笑顔の母は恐れ戦く父の襟首を掴み茂みの奥に入って行った。

 暫くすると父のものと思われる悲痛な叫び声が痛いほどに響いてきた。それと母の実に楽しそうな嗤い声も聞こえてきたけど、こっちは意図的に聞き逃した。

 では皆さん、お手手とお手手を合わせて。


「なーむー」

「きゅーるー」

「わーふー」


 今ここに父の冥福を祈ります。

 死んでないけどねっ。


 …………あれ?この場合って俺の訓練はどうなんの?


 


▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽


 


 フッ、結局あの後は父も母も戻ってこないで、そのまま終わったよ。

 憂さ晴らしにシーちゃんとクーちゃん、その他魔物の子達と“ドキっ!魔物だらけの合戦ごっこ!~ポロリもあるよ!?~”をした。魔法あり物理攻撃ありの白熱した展開になった。因みにポロリとは命を落としかける的な意味だ、勘違いのないように。……数羽のアルミラージが、うぅぅ。

 俺はまだ非力な一〇歳の子供だからシーちゃんやクーちゃんと常にトリオを組んでいた。そうでもしないと俺のようなひ弱な子供が魔物達と一緒になって合戦ごっこなんて遊びなんてできっこない。

 本当にシーちゃんとクーちゃんはすごいんだ。

 シーちゃんは鋭い嘴や前足の爪で空中から奇襲できるし、瞬間的に強く羽ばたく事で突風やカマイタチ、局地的な竜巻まで起こしてしまえる。明らかに本来のグリフィンの強さじゃない。

 クーちゃんは大地を駆ける強靭な四肢と鋭い爪や牙で相手をものともしないし、その体躯から繰り出される突進力は並じゃない。更には本来のグレイハウンドでは持ち得ない雷を操っている事も大きい。

 母から『召喚契約を結んだ事でなにかしらの能力的変化が二頭に見られるかもしれないわね』とは聞いていたけど、これがその影響なのだろうか。少し不安だ。


 そうして遊び兼訓練(笑)を終えると皆、身体中を泥んこにしていた。掠り傷や打ち身なんかは多かったけど死傷者も少なかったのは行幸だったな。魔物の高い身体スペックならこれくらいは明日にはほぼ完治しているはずだ。

 クッ……今なんとなく不安に思った。俺も徐々に“あの”母と父に汚染されているのでは、と。なんだよ?死傷者って?掠り傷に擦り傷だけで行幸だと?

 俺は平成日本人だった、俺は平成日本人だった、俺は平和ボケした平成日本人だった……!

 よし。これで倫理観はまだ持つだろう。もう“だった”と過去形にしている時点で手遅れの気がしないでもないけど……。

 …………クッ、本当に手遅れの気がしないでもないなっ。


 さてさて、その日の夕飯の時には父も母も戻ってきたのだけど母は肌も艶々しているのに、父はズタボロのミイラ男と化していた。それでも会話が途切れる事なかった。いつも通りだった。怖いくらいに……。

 この事実を前に俺は何も聞く事ができなかった。ここでそんな事したら地雷原をスキップして行くようなものだとわかっていたから。

 本当に、あの茂みの中で一体何があったのだろうか……。


 そして夕食後の紅茶を楽しんでいた時の事だ。


「あっ、そう言えば……。ねぇねぇ、アオイちゃんに渡すものがあったのよ」

「渡すもの?俺に?一体なんなの?」

「それはねぇ……はいっ、これよ。ふふふ、パパの事でスッカリ忘れていたわ」


 手渡されたものは楕円形の三cmくらいの大きさをした琥珀色のブローチだった。

 琥珀の縁は銀で装飾されていて、シンプルな作りの中に確かな優雅さがあった。なかなかに上質なものだと思うけど、俺はこれを貰う理由がわからなかった。

 それになにより……。


「母さん、俺、性別的には男の子なんだけど。わかってる?」

「そんな事は知ってるわ。私がお腹を痛めて産んだ子なのよ?当たり前じゃない」


 母はまるで『何言ってるの、この子?』みたいな風できょとんとして言っていた。

 それよりも気になるのだが……父よ、なぜに黙っているのか。さっきまでの家族団欒はどうした?なぜ琥珀のブローチを見て怯えた?いかにも『しまった。忘れてた』みたいになっているけど。

 まさか……呪いの品とかじゃないだろうな?


「それじゃ、なんでブローチなのさ?これって女の子が――」

「アオイちゃんなら違和感がないから」

「えー……」


 俺が『女の子が付けるものじゃなかった?』と言いきる前に母は無常にも『違和感がない』の一言の下に切り捨てた。それがまた無駄にキリッとしていて堂々としたものだから俺は逆に何も言えなかった。


「それでなんでこれを?誕生日とかじゃないし」


 結局は女の子云々については深く追求することなく華麗にスルーする事にした。聞いても絶対に碌なことにならないというのは今まで接してきて理解しているからな。この母や父と一〇年間家族をしているのだからこのくらいは手馴れたものだ。


「魔法行使における安全装置よ。常に身に付けておくのよ?いい?これは主に出力安定の効果を付与したから、万が一にも魔力操作に失敗しても暴走の可能性は限りなく低くなるわ。絶対に外しちゃダメよ?」


 茶化すように『メッ♪』と子供を軽く叱るようにして言った母。

 母の言いたい事は理解できたし、納得もした。だけど母よ、それはもう今更ではないかな、なんて思う。

 それと言うのもシーちゃんやクーちゃん達と泥だらけになって遊ぶたびに水の魔法(ネロ・マギア)風の魔法(アネモス・マギア)、時には火の魔法(フォティア・マギア)も使って服や身体を洗って乾かしていたからだ。

 生活に使用する極小規模の魔法だったとは言え、使用し始めた五歳から今まで一度として魔力の操作を誤った事はない、暴走なんて尚更だった。

 まぁ召喚術の一件で叱られてからは使う事はなくなったけど。


「母さん。暴走なんてした事ないよ。小さな魔法しか使った事ないしさ」

「アオイちゃん――なにか、言った、かしら?」

「マム、ノーマム!!!」


 口答えしようなんて思ってすみませんでしたあああっ!!

 母の雰囲気がガラリと変わりそうになったから即座に自分の意見を撤回した。自分でも一層清々しいと思えるほどの変わり身の早さだった。これも躾けられている、って事なのかなぁぁ。おろろろ~。


「うん、アオイちゃんはいい子ねぇ♪」

「ウン。ボク、イイコニシテルヨ」

「そうよねぇ。うふふふ」


 さっきの威圧的何かで思わず言葉が片言になってしまった。

 母よ、撫でてくれるのは嬉しいのだけど今は勘弁してくれないだろうか。流石に恥かしいし、今にも頭を握り潰されるのでは、と考えてしまって怖い。

 嬉しさ半分怖さ半分というのは不思議で斬新な感覚だな……。


「……愛息子よ。お前というヤツは……(ボソボソッ)」

「……うっさいよ!そんな同情の目で見るなって!(ボソボソッ)」

「あら?二人して内緒話?ずるいわ、私も混ぜてほしいなぁ」

「「なんでもないから!だから気にしないで!」」


 アハハハハ、と誤魔化すように笑う父と俺。肩まで組んで素晴らしいまでに息が合っていた。母が言うにはこういう所が……まぁ。


「本当にパパとアオイちゃんは似た者同士よね。親子なんだ、って実感するわぁ」

「そ、そうっ?本当にっ?いやぁぁ、テレるじゃないか!はっはっはっはっ!!」


 という、事だった。父は母に並び、知に優れ武も鬼神の如くの実力を持っているし、一人の人としても人格者であると思う。息子の俺も父を尊敬もしている

 だけど、こればかりは不本意で仕方がなかった。

 それと言うのも、父は、その、なんと言うか……んー、天然というか、自然なまでにバカだった。ああ、誤解しないように、いい意味で、だからな。

 あとは、まぁ感動屋はいいとしても、無駄に声が大きい所が欠点と言えば欠点かな、と俺は思っている。毎朝、あの大声で朝の挨拶をされると頭に響くんだ……。


「そん、な、バカな……ぅぅ」


 だと言うのに父はいい歳してなにかテレているし、大きな声を出して笑っている。

 俺は両手両膝を地面についてガックリしてしまった。

 信じられるか?俺はこの父と似ていると母に言われだんだ。これは新手の嫌がらせだろうか?


「愛息子はなんで落ち込むのかな!?父さんはこんなに嬉しいのに!!」

「あらあらあら♪」


 父よ、そんな事を言われても……ねぇぇ?いつも母にしばかれている父とソックリと言われても喜んでいいのか判断できるわけないと思う、よ?

 まだ母に似ていると言われたほうが喜べ……いや、それもそれで男として複雑な気分にさせられるけどさっ。それでも家族内で上位者に当たる母似のほうが色々と有利な気がしてくるからまた不思議だ。

 俺は男だけどな!


 今はまだ子供だからっ、少しだけっ童顔で、少しだけっ女顔だけど、ちゃんとした男だからなっ!


 


▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽


 


 その日の夜。アオイの自室での事。


 どうしよう……。

 エーデルには昼間に行なわれた無茶な訓練を母に知らせた事で助けられた。正直言ってあの時の父を止めるには母を呼ぶしか対処できなかったと思ったからな。

 だからエーデルにお礼を言いたいのだけど、夕食からずっと機会を逃していて就寝の時間になってしまっていた。

 こうして今もベッドに横になって考えるのはエーデルの事だ。ハッキリ言ってこういうのはモヤモヤしてしまい、とても気まずい。なんと言うか喉に引っ掛かったものがある感じだ。

 それでも沈黙を守るエーデルはそんな事を気にしないだろう。感情が生まれた時よりも豊かになったと言っても、そこで不満に思うほど育っているとは……育っている、とは?……あれ?昨日の晩には駄々を捏ねられた覚えが……。

 ま、まぁそんな細かい事はいいんだよっ。今は俺がエーデルにお礼を言う事についてだからさ。すぅぅ……はぁぁ……よしっ、男は度胸、女も度胸と言う、ならば――やろう。


「エーデル」

「はい、マスター」


 ベッドに横になったまま呼びかけるとまるで待機していたかのように直ぐに反応があった。寝たままの俺の目の前にラグビーボール状のダイヤモンドと三色の宝石が周回している空間ウインドウが展開される。

 早速昼間の件でお礼を、言おう、としたの、だけど……。


「今日は、その、あれだ、えと」

「はい?」

「だからだ、な……あー」

「はい……?」


 この口がっ、この口がっ、この口がっ。

 いざ、お礼を言おうとするとなかなか出ないものだな。まったく、口下手の自分がイヤになる。普段は平気なのに改めて面と向かって言うのは気恥ずかしいとしか言いようがない。

 ええいっ!


「ぁ、ありがとうっ。昼間は助かったっ」

「――はい。お役に立てたのなら幸いでした」


 言えたーっ!母さん、俺ちゃんと言えたよっ。人としてクズにならなくてよかった。なによりちゃんとエーデルにお礼が言えてよかった、本当に……。


「それで、お礼にエーデルは何かしてほしい事ってある?」

「何も……いえ、一つだけ」


 ダメもとで聞いただけなのに、こう言ったらアレだけど意外にも一つしてほしい事があったようだ。

 何もないんだろうと思っていただけに、これはなんと言うか……嬉しい誤算というやつだな、うん。


「なに?俺にできる事ならいいんだけど」

「それは大丈夫でしょう。私の身体をお作り頂ければ、と思います」


 これは意外……じゃないな。何だかんだで設計している時はあれこれと注文をつけてきたし。それでもこうしてハッキリと催促された事がなかっただけに少し驚いてしまった。

 だからこそ思う。特に優先して作る理由がなかったから時間を掛けてゆっくり取り掛かるつもりだったけど今は明確ながんばる理由ができた事を。

 エーデルの初の我が儘とも言える願いだ。これは最高のモノを作るしかない。問題は作業時間だけど、これは母の講義と父の訓練、それ以外の時間を全て注ぎ込むとして、大体……うん。


「……二年だ。今から二年で最高のものを用意する事を約束する」

「いえ、元々一〇ヶ年計画で進める予定のはずでしたから、そこまでお急ぎにならなくても」

「よろしい、とか言うなよ?これは俺がやりたいからやるんだ。礼もいらない。いいな?」

「……はい」


 これはただの意地だ。理由ができて、更には約束を交わした。ならば守るためには労力は厭わない。絶対に2年で終わらせてやる……つもりでがんばるっ。


「ふふん。二年後を楽しみに待っているといいさ」

「はい、マスター。その日を心待ちにしています」


 さてさて、啖呵切ったはいいけど実はAIなどのソフト関係はともかくハード関係は造詣に深くなかった。機械人形、それもアンドロイドでは上位互換とも言えるガイノイド系に手を出すには不十分と言わざるを得ない。

 ど、ど、ど、どうしたものかね……。


「マスター?」

「んむ、なに?」

「ありがとう、ございます」

「……れ、礼はいらないと言ったっ」

「はい。申し訳ありません」

「謝るな。それじゃまるで俺が悪いみたいじゃないか」

「申し訳ありません」

「だから、謝るなと……はぁぁ」


 どうしようかね、この子ったらさぁ。こんな事を言われたら死ぬ気でがんばるしかないじゃないか。

 そう覚悟した俺は布団を跳ね除けてベッドから抜け出した。向かうは学習机にある情報端末だ。父と母には内緒だけど研究区画の情報端末にバックドアを仕掛けさせてもらって、自室からでもアクセスできるようにしていた。

 ちょっとした事で一々向こうまで行くのは面倒だったから、苦肉の策だった。バレたら父と母のダブル説教確定、叱られる事は請け合いだねっ。……鬱だ、死のう。

 席に着くと早速操作端末に手を置いて作業を始めた。幾つもの空間ウインドウが展開された中の一つに呼び出したのはエーデルの身体開発の計画と設計図だ。他は情報収集も平行して行なっている。


「マスター。なにを?」

「今からもう一度設計を見直すの。ちょっとばかりがんばる理由ができたからさ」


 お前のためだ、とは敢えて言わない、恥かしいから。二年近く前、まだ生まれたばかりのエーデルになら平気で言えたかもしれないけど感情表現が豊かになってきたせいで素直に伝えるには戸惑いがあった。

 ここ最近で急速に成長を遂げるエーデルはなぜか年上ぶる時がある。メインデータバンクに保存してある豊富な知識や情報で人格面が底上げされているからかもしれない。それでも貶してくるわけでもなく教育係か従者のようにちゃんと俺を立ててくれようとするから邪険にもできない。

 時々だけど、まるで兄か姉ができたように錯覚してしまう事がある……。

 こんなに尽くしてくれているのだから多少の無茶は通そうとしても別におかしくないだろ。なんだかんだで可愛いもんだしさ。


「今から……ですが、もうお休みされたほうがよろしいかと思われますが」

「最高のものを用意する、と言った。俺はエーデルとの約束を守りたい。そのためには今のままじゃ不十分だ」


 とりあえず前半1年から1年半で設計その他諸々を終わらせる。ちょっと詰め込みになるけどガイノイド技術の見直しと関連技術の洗い出しをしよう。必要なら武装関係も手を出して本体作成後に作る事も考えておこう。

 後半の残りでガイノイド本体の製造と細かな調整に費やす事になるけど……設計が終われば後は生産プラントのほうで設計図通りに自動生産されるから、実質的には本体の生産後に措けるエーデルの移植と微調整だな。

 それでも俺はエーデルのために……うん。


「俺は全力を尽くすぞ、エーデル」

「……はい。ありがとうございます、マスター」

「だから礼はいらないと……いや、もういい。さてはて、ちょっとがんばってみるかね」


 そのまま入力端末を操作してピポパとな。

 やはり同時に複数の事を考えられるのは大きい。一人で開発するもの道理が引っ込んで無理が通る感じだ。脳への負担と労力はハンパないけどな。糖分が、甘いものが欲しくなって仕方がない。

 ふふん。でもまぁ普段あまり我が儘を言わないエーデルの願いだ。そうとなればこの子を“アンドロイドとしての幸せの実現”に挑戦して作り上げてみせようじゃないか。

 あっ、ただ一つ問題なのは未だに性別がわからないから男女別か、兼用できるようにしないといけない事か。いい加減に決まっていてもいいはずなのだけどエーデルは恥かしがって教えてくれないからな。

 さてさて、そこの問題をどう解決したものか。


「僭越ですがマスター、もう夜も更けています。どうかご自愛下さいますように」

「…………そこまで無茶するつもりはないよ?」

「返答に間がありました。語尾も疑問系でした。そして、私から目を逸らしました。……マスター?」


 そ、そんな事はないんじゃないかなー、と俺は思うんですけど、ハハハ……。

 エーデルに言われてから時計を見て、気が付くと深夜になっていた。よくよく思い出してみると俺はまだ一〇歳の子供だった。普段なら今の時間はとっくに夢の中に居る時間だ。

 欠伸を一つ二つして出てきた涙を袖でぐしぐし拭って、更にもう一度欠伸をした。一度意識してしまうと途端に眠気が襲ってくる。


「むむむっ」

「マスター……」


 エーデルは責めるような心配しているような一言だけだった。

 確かに眠い。このままだと明日の午前にある母の講義と午後の父の訓練に差し支える。それはあまり、と言うかかなり好ましくない事態だ。

 寝不足で実力を発揮できません、なんて言おうものなら鉄拳制裁されかねない。主に母から……。


「……はぁぁ、一時か、じ、冗談だって三〇分したら寝るよ」

「はい、マスター。三〇分後にお知らせさせて頂きます」

「はいはい」


 一時間、と告げようとしたら凄まじく不機嫌なオーラがエーデルから噴出してきたような錯覚が襲ってきたので三〇分と言い直した。すると気を直したエーデルは渋々といった風で了承してくれる。

 本当に感情が豊かになったものだ。寂しい事だけどこれは俺から独り立ちする時も近いかもしれない。彼女の望む生き方、在り方、存在意義、思想という多種多様な問題に直面して苦悩して、その先にエーデルの望む幸せがある、あってほしい。


 ああ、本当にエーデルが真に完成に近付くその日が今から楽しみで仕方がない。







アオイと父の話だったはずなのに途中は母に、最後はエーデルに美味しい所を持っていかれた。

哀れ、父ww

基本的にこの作品の男性キャラのヒエラルキーは低い。

人間、亜人、獣人、魔物、魔族関係なくなっ!

それはアオイも例外ではない……はずだ。

ではでは。


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