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1/16 沈む記憶
面接台本の用紙を埋めている途中で、ペンが止まった。
教室は鉛筆を動かす音が充満していて、逸れ者のような、ペンを止めてしまったことへの羞恥心に駆られる。
自分の本当の短所は嫌な記憶を鮮明に記憶してしまう部分だと思う。
取り返しのつかない過ちから、他愛もない失態エピソードまで、詳細に記憶してしまう。
相手に言われた言葉もその場の乾いた雰囲気も、その時の自分の劣等感と羞恥心も、その時に脳内で考えた言い訳も。
だけど、唯一、相手の表情だけが背景と同化したかのように思い出せない。
その部分を憶測で蔑む顔や嘲笑う顔で当てはめてしまうから、尚の事、現実よりも悪い形で記憶に残ってしまう。
楽しかった思い出の記憶は、感情は伴わずに楽しかったという事実だけがぼんやりと浮かんでいるだけなのに。




