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2/3 透徹の檻
空は恨みたくなるほどに透き通っていて、私の感情を反芻させてきやがる。
その透き通った空に鳥の群勢が飛ぶ。
空を大袈裟に駆け回り、電柱に止まった。
この空を、世界を侵略していく。
枯れ果てた猫じゃらしが風に揺らされている。
そんな他愛もない情景すら美しく見えて、葉の落ちた木々すら偉大に映る。
建物の影すら無常に物寂しく見える。
ネガティブな感情を追い出そうと、歌を口ずさんでも、浮かんでくるのは悲痛を叫ぶ歌ばかり。
無心を装って、目の奥に溜まる涙を硬めさせる。
歪曲した気の幹すら私を避けて、佇む。
風の呼吸音が車道に響いた。
風は無惨にも私の髪を捲り上げる。
涙を隠してはくれなかった。




