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2/2 深青に挑む背
風が低く咆哮を上げた。
それに呼応して、鳥が威嚇のさえずりを返す。
空一面が分厚い雲に覆われた中、中央の光の束が僅かに蠢いていた。
銀河のように渦を巻いて、地上に光を飛び散らせる。
家々に隔たれた視界の先の空には、さっきの空から一変して、黒に似た深青が広がっていた。
植物園で見たデルフィニウムの花弁のように、鮮明に瞼に残る鮮やかさ。
ゆっくりと歩く空を仰ぎながら歩く私を、少女が忙しなく抜かしていく。
端正に整えられたショートカットの髪は風に煽られて、カバンの横についていたチャームも左右に激しく揺れる。
私を置いてきぼりに、彼女は悠然と闇を孕む空に挑んでいく。




