1月番外編
1/30 帰路
日本家屋のような外観の飲食店を抜けていく。
重々しい木の扉を開くと同時に、寒さが肌に突き刺さる。
車に乗り込んで、エンジンをかけた。
夜空は紺青色に浸る。
それでも、建物を覆い隠す闇の影の方がさらに暗かった。
一本道を挟んだ、信号機の青、車のヘッドライト、お店の光だけがこの夜を照らす。
家に着いて、車を駐車場に停めた。
空には、上弦の月よりも少し丸みを帯びた月が浮かび、暗闇の奥で無数の星が脈打つように瞬いている。
紺青色に灯るその星月夜は私の心をそっと包む。
1/31 黄昏の光
空は、雫のイラストを描く時に塗るような人工的な水色をして、その中央には真っ白い満月が浮かんでいた。
息を吐き出すと、冷たい空気が体内に溜まった血泥を溶かし出していく。
車に乗り込み、静かにドアを閉めた。
枯れ草が目立つ畑、視界の先に静まり返った学校、静穏な景色が過ぎていく。
車道の先に聳え立つ信号が黄色に変わり、ブレーキを掛けた。
束の間の黄色の信号と知らぬ間に過ぎていた時間を映し出す、空の隅に漂う夕焼けのオレンジが共鳴していて、それは視界を揺らすほどに美しかった。
信号が青に変わって走り出す。
陽光は打ち上げ花火のように強靭な放物線を描いて、私の眼に跳んでくる。
街灯は夜の帷の中、その真っ黒な夜の闇を吸い取ったかのように、激しく光っていた。




