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1/23 揺れる屈折
机に反射した山吹色のカーテンが川のせせらぎのように緩くたゆみなく流れていた。
どこからか流れてきた風が頬に当たる。
僅かに乱れて、はみ出した髪が揺れた。
「あと、20分で教室を閉めるから早く終わらせちゃいなね」
美術の先生の背骨はピンと伸びていた。
その声に急かされて、絵筆を手に取り、青の絵具をつける。
すっと線を描いて、空の部分を塗っていく。
キャンパスの上に不恰好な世界が創造されていく。
青が掠れ切って、私は絵筆を水に晒す。
その瞬間、微かにへばりついていた青の分子が水に溶け広がった。
お葬式の煙のように水中を漂い、奥深くへと堕ちていく。
時計の針が12の上に止まり、私は急いで絵具を洗う。
バケツに入った濁り水を手洗い場にひっくり返し、束の間の汚染された川が出来上がる。
廊下に置かれていた鞄を勢いで担いで、階段を駆け降りていく。
窓から夕焼けの光が差して、眼鏡に付着していた塵が曖昧な輪郭を纏う惑星のように写った。




