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1/22 凍る響き
帰り際、駅のホームを抜けて階段を降りていく。
視界がコンクリートになると同時に、空気は凍りつくほどに冷たく響いた。
車は澄み渡るようなタイヤ音を響かせて抜けていく。
心の雑念を払っていくように、静かに虚しく。
車通りが止むと、木々のさえずりが映えた。
風に小さく揺らされて、小さくしわがれた落葉を歩道に落としていく。
その道を抜けて、歩道橋に上った。
階段の1段飛ばしは駄目という、あってないようなルールから逸脱して、1段飛ばしで上へ上へと昇っていく。
歩道橋の上からの光景は信号機が届きそうなくらいに近く、立体的に見えた。
車の音からは遠のいたのに、この世界の臨場感が増した。
電柱から黒い羽を持った鳥が飛び立って、遠くへと羽ばたいていく。
行先は、遠い。




