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1/21 刻まれる歩み

 入試前日。

 心はいつも通りに単調で臨場感がなかった。

 事前指導が終わり、昇降口を抜けていく。

 上履きを入れたビニール袋の音、手を振ってすれ違っていく声が通り過ぎていく。

 変わりない景色がどこか哀愁を帯びていた。

 人波を過ぎていくと、コンクリートを蹴る乾いた足音と手の中のビニール袋が擦れる音だけが刻まれる。

 淀みなく時計の秒針のように一定のリズムを刻んで、足は進んでいく。

 得体の知れない焦燥感が湧いてきたりして、歩みのスピードが段々と不規則になっていく。

 自分が緊張しているのか、それすらイマイチ分からない。

 それでも、頑なに歩みを止めない。

 自宅が見えてきて、私は歩みを止めた。

 視界の横を、雲に隠された太陽の欠片が眩しく滲んだ。



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