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神を騙る存在に怠惰な男はのせられる

悪文失礼します。

「え、あ、あの、阿弥陀如来さまですか?」

俺はインターホンのカメラを見て、驚愕した。

何故なら、そこには阿弥陀如来がいらしていたからである。

俺は深呼吸したのち、問いかけた。

「本物?」

「はい、そうです」

「つまり、私は死んだのですか?それで浄土真宗やから、阿弥陀さま直々にいらしたと」

「はい、なので扉をあけてください。早急に迎え入れなさい。仏罰が下りますよ」

「え、はい!あのすぐ!直ちに開けます!」


 俺はあまりのことに、茫然としてしまった。

 あまりのこと、すなわち、自分が死んでいること、阿弥陀さまがせっかちであること、仏罰を下されそうになっていることである。


 しかし、阿弥陀さまは本物の阿弥陀様なのか?という違和感がわき、冷静になった。まず、平等院鳳凰堂の阿弥陀如来坐像と酷似、というかそのままの姿で住宅地にいらしてる。それに感情的、つまりせっかちで短気であるし、軽々しく仏罰などと口にし脅すなど、振る舞いが阿弥陀さまは無い。ということで玄関からインターホンへとんぼ返りをし、阿弥陀さまを騙るやつに一言いってやることにした。


「あの、あなたは阿弥陀さまを騙る偽物ですね?本当によくない。誰ですか?あなた」

「わぁーたぁーしぃーは、そうですねぇ、実は!異世界転生を担当している女神です!」


そういうと、阿弥陀如来坐像の陰から、ひょっこり、女神が現れた。間違いなく女神であった。

何故かというと、まず、後光がさしていている。そのため顔が見えにくい。が、完璧といえる造形の唇や鼻筋、顎のラインはわかる。あと髪は金色で長いが整えられている印象、ごく自然な仕上がりという感じで神々しい。なにより、視覚情報でなく直観として美しいと俺は感じている。ついでに、衣装も白く質感の良い布を使っていて、いかにも女神という感じで大変に似合っている。


 あまりの美しさに俺が言葉をなくしていると、女神は屈んでカメラから姿を消した。え、と思う間もなく、再び姿を現した女神は犬を抱いていた。

 俺の犬だ。二年前に死んだ黒い毛並みの、柴犬の雑種。享年14歳。

毛艶のいい愛犬がインターホンごしに吠える。入れろ!入れて!とキャンキャン言ってる。

老犬ではなく、若返っている。元気な頃の犬の姿だ。


 俺は年のせいかわからないが、涙が出てきた。おもわず扉を開けると、当然ですよね、みたいな顔で女神が部屋に入ってくる。続いて愛犬がチャカチャカ走ってくる。あと浮遊した阿弥陀如来坐像も入ってくる。スイーって。


 玄関へ迎え入れた女神を改めてみると、コスプレAVのパッケージの綺麗な女優みたいな印象。

後光も消えとるし、ただの美人コスプレイヤーやんと思う。おっぱいでかいし。

「部屋ってこっちですよねぇ」美人レイヤーが靴を脱ぎながら問うてくる。感じが悪い。

 自称女神は階段へ視線を送ってる。ここは実家で俺の部屋は2階の端だが、おい、こいつ、なんやねんと俺が思う前に、ずかずかーと、二階の俺の部屋に向かう美人レイヤー。


「こちら、うちでやってる世界へ来てもらうための同意書です。魔力あります!ファンタジー!」


 女神は部屋の本棚から白いファイルを取り出し、俺に渡した。

 小汚い俺の部屋に、美人レイヤー(女神)と愛犬(享年14歳)と阿弥陀如来坐像(国宝)と俺(享年35歳)が集まってベッドの上に広げた書類を囲んでいた。異様だ。


 俺はベッドに座り、正面に阿弥陀如来坐像が浮遊している。

女神もベッドの上、俺のすぐ隣に座った。とても近く、おっぱいが見えそうである。白い肌。


「こう、転生特典のチートとかあります?」

「もちろん、あります」


 女神はご機嫌に異世界へ行くメリットや、魅力をプレゼンしだした。すごい勢いだ。よくわからんが。

 窓の外は、昼から夕暮れに変わっていた。俺は犬を撫でていた。


「伝え忘れていましたが、太陽が沈むとあなたは死にます」

「俺って生きてたんですか?」

「はい、ギリギリ。今の状態は、わかりやすく言うと、今は魂が抜ける直前に見る夢と思ってもらえれば、大まかにあってます」

「ほぼ、死んでますね」

「はい、なので急いでください。まず何になりたいですか?エルフ?大魔法使い?勇者?ドラゴン?」

「え、もう行くことは決定してるんですか。同意してませんよ。」


 女神はニヤニヤと俺ににじり寄る。


「あなたは同意します。なぜなら」

女神は俺のちんちんをズボンの上から、甘いじりし始めた。抵抗むなしく、勃起。哀れなり。

「同意、しますね?」耳元で囁かれる。

俺は阿弥陀如来坐像を掴み、壁を向かせた。


 俺はドラゴンとして異世界で新生活を送ることにした。俺はドラゴン。

大きさは部屋の天井に頭がつく程度だが、異世界に行けばもっとデカくなれるらしい。

牙も爪も強そうだし、赤い鱗も角度によって輝きや色合いが変わる。宝石のようだ。

翼もデカく、格好いい、飛べそう。部屋の中なのでたたんでいるが。ドラゴンはウキウキしている。


「ドラゴンさんって秘密をまもれますか?」

「ああ、ドラゴンだからな、ドラゴンは秘密を守る」

 では、と女神は光り輝くものを豊満な胸の間から取り出した。サービス精神があるなとドラゴン感心。


「ドラゴンさんのお腹は丈夫ですか?」

「ああ、ドラゴンはお腹が丈夫だ」

 犬が女神に吠えている。警戒の鳴き声だ。

夕暮れが窓から入り、部屋は赤く染まる。日没が近い。


「ドラゴンさんはおしりの穴は大きいですか?」

「デカいぞ、ドラゴンの尻穴はでかい」

「これ、入りますか?」光り輝くものをドラゴンの尻に隠したいらしい。

「当然入る。ドラゴンだからな!ん!ぐう!うおぉおおおお!?」

 躊躇なく突っ込まれた。光は尻の中へ注入、熱くて、全身に染み渡るかのように快感が広がる。


「ア!何!?なに入れた?お尻、アッツ!すご!快感が押し寄せる、荒れ狂う波の如く」

「おおまかに言うと、同意を得られなかった大量の魂を混ぜて使いやすく綺麗にしたものです」

「え、同意を得てないの?駄目じゃない?」

「なので、ドラゴンに入れて送るんです。では、いってらっしゃい!世界を愛して死んでくださいね」


 日は沈み、俺は宇宙船地球号の一員ではなくなった。

新たにドラゴン密輸船となり、女神の言う異世界に送られたのだった。


 ドラゴンは知らないが、これはつまり、魂を観測し、資源利用する悪い宇宙人に騙されて、人格を消された大量の魂(異世界転生を理解せず、同意しなかった生物の魂)を密輸することになったのである。


 自称女神は大量に送り込んだ魂が異世界で定着するか、観察するためにウキウキで異世界へ向かった。

読んでくれてありがとう。


2/9設定を追記したり、全体を修正したりしました。

タイトルも変更

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