男の価値は「種」で決まる？ 上等だ、俺のビジネスで世界を孕ませてやる（旧題：貞操逆転世界で起業してみた）

　平凡な日本の男子高校生、相馬大和（そうま やまと）が事故をきっかけに迷い込んだのは、男女比が【1：10】になった≪貞操逆転世界≫。
　そこは女性が社会の全てを支配し、希少な男性は子孫を残すための『種』として、国家に徹底的に保護・管理される世界だった。

　さらに、大和の身体にはこの世界の男たちと決定的に違う秘密――いつでも子を成せる『常時活性』という特異性があることが判明する。国家の最重要機密『生ける聖杯』として、硝子の鳥籠の中で至れり尽くせりの生活を送る大和。しかし彼は、富裕層の女性だけが子を持つ機会を独占し、多くの一般女性が子供を産む喜びを奪われ絶望しているという、この世界の深刻な歪みを知る。

「こんな狂った常識、俺が内側から破壊してやる」

　社会的な権利を一切持たない男が世界を変える唯一の方法――それは、最強の女性パートナーを“妻”として得ること。
　大和は、巨大財閥の令嬢にして経営の天才【月読輝夜】と、遺伝子工学の権威である天才科学者【ソフィア・ヴァレンシュタイン】の二人に狙いを定める。高慢か無気力なこの世界の男とは全く違う、紳士的でエネルギッシュな大和の魅力に、氷の心を持つ輝夜と合理主義者であるソフィアは次第に惹かれていく。

　そして彼は、タブーとされる性ビジネスと、全ての女性を救うための壮大な精子提供ビジネスの構想を打ち明ける。

　これは、一人の異世界人が、その身一つと常識外れのアイデアを武器に、二人の天才を共犯者として、女社会の歪んだ常識に戦いを挑む、愛とビジネスの革命譚。