第8話 コース王との対面
布都がコース王の声を聞いた直後、布都の意識が霧の湖に移動する。
???「こんにちは。私はミラ。霧の湖のコース王をしてるわ。」
布都「あなたが…コース王様?」
布都はコース王と名乗る者を前にして不思議に思う。圧倒的な力やオーラを全く感じないのだ。
布都(オーラも0だし、力も何も感じない。どうなっておるんじゃ?もしかして幻覚だったりするのか?)
布都はミラの顔を触る。普通に触れるし、感触もある。幻覚ではないようだ。
だが、布都は怪しく思い、全身を隈なく触る。
ミラ「私ちゃんとしたコース王だから!ちゃんと強いから!だからやめて!くすぐったい!」
布都「あ、すまぬ。ちょっと怪しく思って」
ミラ「だからといって全身触ることがありますか!普通に下半身も触ってたよね!?やめてね!?」
布都「いや触った方が確実だと思って」
ミラ「だから触りすぎなの!顔だけとかにしてよね!」
布都「それで、お主がコース王なのは認めるが、本当に強いのかの?」
ミラ「ついに様付けすら外しちゃったよこの子…ええ、強いわよ。あのレベルの悪勢力ならどんな攻撃でも一撃でやれるくらいね。なんならオーラの圧でも倒せちゃうわ」
布都「そんなに強いのか!?ならすぐに倒してくれないか?」
ミラ「だけど少しまずいことになってるのよね…」
布都「え、なにかこれ以上にまずいことがあるのか!?相手がさらに覚醒する可能性とかか?」
ミラ「いや、あいつの上限レートはざっと10億だから問題はないのよね。問題はあなたよ。布都。」
布都(10億で問題がないってどれだけ強いのじゃ…?それよりも…)
布都「え?我に問題があるのか?」
ミラ「ええ、私が戦うにはあなたのレートオーラを使わないといけないけど、あなたのレートって今0よ?使った分がそのまま反動として来るのよ」
布都「あっ…」
布都の現在のレートはミラと共鳴したおかげで約1万。だとしても反動のレート式に直すと10万で気を失ってしまうレベルの反動が来る。そこから霊夢とお燐と早苗の救助を早急にしなければならないのだから必ず避けたいところである。
ミラ「うん?待って。今共鳴してるってことは…あれが使えるわね。トラックフォース」
布都「トラックフォース?なんじゃ?それは」
トラックフォースとは、コース王が持っている各コース特有の能力で、コース王と共鳴すると扱うことができる。トラックフォースはコースの元の難易度に依存する傾向にあるが、簡単なコースのトラックフォースでも普通に強い。トラックフォース発動中は全身から特定の色のオーラが発生する。霧の湖のトラックフォース発動中は水色である。
ミラ「とりあえず、トラックフォースが使えるなら使用レートオーラは最小限に抑えられるわね」
布都「大体どのくらい使うのじゃ?」
ミラ「うーん、本来は1億近く使うんだけど、オーラ精度を最大限に高めると1万まで減らせるのよ」
布都「1万!?それなら全然大丈夫だが、そこまで精度を高められるのか!?」
ミラ「私はコース王よ?それくらいどうってことないわ。とりあえずあの悪勢力をさっさと倒しちゃいましょうか」
布都「なるべく霊夢や他の人は傷つけないようにしてくれよ?」
ミラ「ほいほーい、それじゃ行こっか、主様♪」
布都「その呼び方はなんなんじゃ…」
ミラ「結局私はあなたに命令されたらなんでもやらないといけないからね~この呼び方がいいかなって」
布都「まあ、お主が納得しているのならそれで良いのじゃが…」
そんな言葉を交わし、ミラの意識が布都の体に移り、トラックフォースを唱える
【Fast Cradle】