表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
飛空船創造スキルで大冒険! 2008年版七つの大罪と共存して特能獲得  作者: 石上夢悟朗
第三章 中型飛空船対抗五島制覇大競争の開催
43/217

43話 模索、魔道具の回収方法

「湖の中に魔道具ですか。どうしましょう?」

「調査が必要と思います」


 サクラさんの質問に、俺は迷わず答えた。用途不明の魔道具が存在するかもしれないのだ。放置はできない。


「ならば回収するべきだろう。問題は方法だな」

「釣りでも試してみますか? ヤマトさんは釣竿を持っていましたよね」

「かなり広く深い湖だからな。難しいのではないか」


 ピヌティさんの言う通りだろう。わずかな魔力しか感知できなかった。これでは魔道具の場所が、特定できないからな。釣りで回収は困難だと思う。


「飛空船で潜水可能だと思います。ただし結界を強化すればですが」


 当然だが飛空船の結界は、潜水を想定していない。


「ねえ、ヤマト君。補助者に聞くのはどうかな? 何か知っているかも」

「それは止めておきましょう。この魔道具が開拓に有用な可能性もあります」


 命の危険があるなら別だが、現状で補助者を頼るのは早計だろう。


「開拓に有用だと、補助者に聞くのは駄目なの?」

「夢幻島の開拓は、バイオレット様の成果にする必要があるのです。困り事があるたびに補助者を頼っていたら、功績に瑕疵(かし)が生じるでしょう」


 開拓は目的ではなく手段である。外部の援助は極力、少ない方がいい。補助者の協力も例外ではない。


「あ、そっか。開拓に成功しても、内容にケチが付くと国に戻れないんだわ」

「そうです。しかし開拓の途中でも、十分な功績と認められれば目的は達成となります」


 それでバイオレット様が納得するかは、分からないけど。開拓が終了するまでは島に残ると言うかもしれないな。


「ヤマト殿。話を戻しても構わないか?」

「あ、すみません。魔道具の回収方法でしたか」


 少し話が脱線していたな。


「現状では保留としましょう」

「そうか、仕方ないな。魔道具の詳細だけでも、知りたかったが」


 ピヌティさんが残念そうな顔をした。


「魔力の反応が遠すぎて、断言はできませんね。ですが可能性の一つとして、水を生み出す魔道具が挙げられます」

「大岩の上で、水を発生させる? そうか、見張りだな!」


 ここは見晴らしも良く、結界の外を警戒する場所に適している。水場があれば、長期間の哨戒も可能だろう。


「もしかしたら、ここ以外にも水生成の魔道具があるかもしれません」

「なるほど、探してみる価値はあるな」


 とはいえ実際に探すのは、夢幻島の残留組が中心となるだろう。必要に応じて、飛空船も使うけど。


「ヤマトさん。そろそろ戻らないと、日が暮れます」

「もう、そんな時間ですか。帰りは少し急ぎましょう」


 サクラさんは遠くの空を見ていた。安全地帯の中とはいえ、完全に日が落ちると危険だ。全員で飛空船に戻り大岩を後にする。操船訓練も兼ねているため、様々な飛行方法を試してみた。しかし、速度は落とさないように注意する。また直線での加速能力も、現状をしっかりと把握しておく。




 ――拠点に到着したのは、日が暮れてから。次に行くときは早朝に出発しよう。余裕を持って行動したい。風雷号を降りたら、すぐにバイオレット様を探した。


「戻りましたね、ヤマト。調査はどうでしたか?」

「気になる場所を発見しました」


 大岩の存在と、湖の魔道具について説明する。


「それは確かに気になりますね。回収なら水魔法を利用する方法もあるでしょう。ボーロング・コナン!」

「は! お呼びでしょうか、バイオレット様!」


 ボーロング・コナンさんは近くで農地計画の話をしていた。呼ばれると、即座にバイオレット様の元にくる。この人はバイオレット様に命を助けられた。それゆえ三兄弟の中でも、特に忠誠心が高いようだ。風貌は三男のベアムンさんを、何歳か老けさせた感じである。三兄弟は全員、よく似ているな。


「湖の底に魔道具が存在するかもしれません。水魔法で回収できるはず。ヤマトに説明を、お願いします」

「かしこまりました! ヤマト殿。水魔法のことなら、お任せを!」

「お、お願いします」


 俺への態度が丁寧すぎて、いまだに慣れない。バイオレット様を助けるために、罪を承知で証拠隠滅を行ったと信じているみたいだ。島の関係者を騙すのも悪いし目的があったとは伝えた。謙遜と取られたのか、態度は変わらなかったけど。


「まず水を操る魔法ですね。水量と持続時間によって難易度が大きく異なります。湖の底となると、達人級の力が必要となるでしょう」

「今の俺だと、ちょっと無理そうですね」


 少量を動かすだけなら大丈夫だが、湖の底までは難しい。


「水中での呼吸を可能とする魔法もあります。こちらは中級魔法に該当しており、ヤマト殿なら遠からず使えるでしょう。しかし他人に使用するならば、難度が上がります。ご注意ください」

「なるほど、ありがとうございます」


 水中での呼吸だと、少人数で回収することになるか。万が一を考えると、止めておいた方が無難だ。後は水を操る魔法だな。ただボーロング・コナンさんも、湖の底まで水を操るのは無理らしい。


「そうなると飛空船を使った方が、よさそうですね」

「お役に立てず、申し訳ない」

「いえ、勉強になりました」


 ボーロング・コナンさんは、元の場所に戻っていく。


「残念でしたね」

「複数の方法があると分かっただけでも、助かりましたよ。バイオレット様なら、水操作で回収できませんか?」

「……不可能とまでは言いません。ただ魔力の消費や身体の負荷が大きいですね。数日間は、魔法の使用に支障をきたすでしょう」


 それは駄目だ。下手をしたら身体を壊しかねない。ボーロング・コナンさんは、水魔法に属する癒しの術を心得ている。ただ専門の医者ではない。無理は禁物だ。開拓するのに専門医がいないのは、本当に怖い。これも課題の一つだろう。


「ところでヤマトは、今から夕食ですか?」

「先に近接戦の訓練をする予定があります」

「それなら、ちょうどいいですね。今日は私が料理を作るので、よかったら一緒にいかがでしょう?」


 バイオレット様が料理? 大丈夫かな?


「何を考えているか察しが付きます。私が一人で作るのではなく、トリアに教えてもらいながらですよ」

「失礼しました。遠慮なく、いただきます」


 疑問が顔に出ていたみたいだ。ポーカーフェイスは難しい。


「ところで二人のメイドには、教わらないのですか?」

「二人にはボーロング三兄弟及び、元支部長たちの世話を任せています」


 あ、そうだったのか。


「では後ほど。訓練、がんばってくださいね」


 バイオレット様が風雷号に乗り込み、休憩室に入っていく。だけど一人でいいのだろうか、と思ったらトリアさんが慌てて追っていく。




 修練に励むとしよう。俺は船の下で、木刀の素振りを開始した。船内に鍛錬室がほしいな。今度、試してみるか。いけない、集中が乱れた。素振りの際は全神経を傾けないと意味がない。

 ――最後の素振りを終え、木刀を鞘に納めた。そのあとに、アクスさんから声を掛けられる。


「精が出るな、訓練か」

「俺たちも鍛錬するところだ。混ぜてもらっても構わないか」

「合同訓練と、いきましょう。木刀と金砕棒は似たような武器。私に任せなさい」


 グランザードさんとソフィアさんも一緒である。おそらくメイド二人が、夕食を作っているのだろう。完成を待つ間、手持ち無沙汰になったのだと思う。ところで木刀と金砕棒は似ている武器なのだろうか。どちらも打撃武器ではあるけど。


「よろしくお願いします」


 そして訓練を開始する。――――――地面との友情が芽生えそう! 模擬戦では何度も転ばされた。どうも足下に隙があるらしい。また模擬戦だけでなく、様々な白兵技術を教えてもらっている。

 合同訓練というより、指導のために来てくれたみたいだ。元支部長二人に、協会トップクラスの魔獣狩人である。講師としても優秀だった。


「ありがとうございました!」

「魔法は優秀だが、近接戦は普通だな」


 グランザードさんから非常にありがたい、お言葉を賜りました。俺も自覚はあります。身体中が汗だくで、このまま食事は駄目だろう。そのまま風呂に行き、汗を流す。上がった頃には、夕食が完成していた。待たせてしまった様子だな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ