僕は君の本物の目になれるのか?
僕の好きな女性は? 目が見えない!
ただ、目が見えない分感覚が研ぎ澄まされているというか?
僕の気配が分かるらしい。
僕が遠くから彼女を見ていると? 彼女は僕の気配に気づくき
決まってこう言うだ!
『誰か、私の近くに居るの?』
『・・・・・・』
『私の許可なく! “私を勝手に見ないでくれる?”』
『・・・・・・』
『“覗き見さんは何処に居るのかしら?”』
『・・・・・・』
『何故、私を見ているの? 私が目が見えないから?』
『・・・そ、そうじゃない!』
『あら? 声が出るんじゃない!』
『・・・あ、あの? 僕は、』
『“良かったら? 私の友達になってくれない?”』
『えぇ!? いいの?』
『勿論! それに声だけしか分からないけど、とっても優しい声を
貴方はしているし、信用できるわ!』
『・・・あ、ありがとう。』
『私も嬉しいわ! “友達が一人増えたんだもの!”』
『・・・・・・』
彼女と仲良くなり、二人で話すようになって分かった事だが、
彼女は生まれつき目が見えないのだと言う。
先天性のモノなのか? 彼女が子供の頃からお世話になっている医者は?
彼女の目はこの先、一生! 外の世界を見る事が出来ないと言ったらしい。
・・・でも? 彼女の両親はまだ彼女の目が見える事を諦めておらず、
いい医者が居ると聞けば、彼女を連れてその先生の所まで会いに行くと
言うのだ!
ただどうしても、“目にメスを入れたくない彼女は今のままでも十分で
手術はしたくないという!”
確かに、キレイな彼女の顔にメスを入れるのは僕も反対なのだが
彼女の目が見えるようにもなってほしい!
そこで思いついたのは? “僕の片目を彼女あげる事。”
僕の知り合いの医師に、僕の目を彼女の目に移植できる手術が
できると言う話を聞いて決めた。
僕は彼女に右目を移植する事を進める!
『君がよければ、“僕の右目を受け取ってくれないかな?”』
『えぇ!? どういう事?』
『移植手術をするんだよ!』
『でも? そんな事をしたら、貴方の片目がなくなるのよ!』
『分かってる、でもね? 僕の目で君に初めて見る世界を見てほしんだ!』
『修弥? 本当にいいの? よく考えて!』
『勿論! よく考えての事だ。』
『・・・で、でも? そんな事をしたら、貴方の右目が、』
『いいんだ! 君の目が見えるなら、僕の右目ぐらい大したことはないよ。』
『・・・ありがとう、だけどやっぱり私は、』
『もう少しで効いてくるよ。』
『・・・えぇ!? 私に何を、』
『君が目を覚ます頃には、もう君の右目が見えるようになっているはずだ。』
『・・・・・・』
僕は彼女が僕の右目をもらって移植する事を断ると分かっていて、
先に睡眠薬を彼女に飲ませていた。
案の定、彼女は深い眠りにつき、そしてそのまま病院へ。
彼女が目を覚ました時には、病院のベットの中だった。
彼女の目には、包帯が巻かれていた。
看護婦が彼女が目を覚ますと? 彼女の寝ているベットに行きこう言った。
『無事に手術は成功しましたよ。』
『えぇ!?』
『1週間は、包帯は取れませんが確実に貴女の右目は見えるようになります。』
『・・・か、彼は? 彼はどこですか?』
『貴女の隣のベットでよく眠ってますよ。』
『・・・そ、そうですか、ありがとうございます。』
『じゃあ、安静にしててください。』
『・・・はい。』
*
1週間後、無事に彼女の包帯が取れ僕が彼女にあげた右目が見えるようになる。
彼女は泣いて喜んだ!
初めて見る世界に、感動と興奮と涙で溢れていた。
『これが! “今ある世界なのね?”』
『そうだよ。』
『ありがとう。』
『君が見る、これからの世界は僕と同じ目を共有しているんだ。』
『そうね、貴方の見る世界と私の見る世界は一つだわ!』
『あぁ、そうさ!』
『これから一緒に同じ世界を見るのね。』
『あぁ!』
・・・でも? 僕は彼女に右目をあげて1ヶ月後に事故で亡くなった。
幸いにも“僕の左目は無事だった。”
僕は彼女に、“僕の左目もあげようと思う。”
こうして彼女は、“僕の両目を手に入れた。”
君の見る世界は、僕の見る世界だ! 僕が死んでも君の目で僕は世界を
見る事が出来るんだ。
たくさんの世界を君と共有したい!
・・・僕は事故に遭う前日、彼女に手紙を残して死んだ。
そう、僕は計画的に死んだんだ!
彼女に僕の両目を貰ってほしくてね。
そしてこれで! “僕は君の本物の目になれる”事を知ったんだ!
最後まで読んでいただいてありがとうございます。




