8 新しい悩み
「そういや聞いてよ駿樹、朝部で部長がすっごいウッキウキだったんだよ!なんか今日から俺もリア充だー!ってずっと叫んでて、こっちはめちゃ疲れたんだよ…。」
教室で彼方が俺に愚痴をこぼす。それ、絶対俺らのせいだな。違うわ、おかげ、だ!!
「バスケ先輩、そんなはっちゃけてたのか。」
「ん?もしかしてお前らが相談のったのか?」
「そうそう」
「へ〜、結構ちゃんと活動してんのな。」
「やっぱり、ネタ部活だと思ってた?」
「そりゃそうだろww」
うん、俺も思ってたもん。
___
しばらく何にも相談なくゆっくり部活時間を過ごしていたある日、部長が知らない人を連れてきた。新しい相談者さんかな?
「君たち、新しい案件だぞ!」
やっぱりそうみたいだっ!
「俺は、志賀大成だ。」
「私たちの学年でのビックカップルが別れたっていう噂にはすごい驚かされたよ。」
部長たちの学年ではそんな有名人なのか。
「ああ、で今、李央が言った通り俺は付き合って1年…も行ってはないが別れたんだ。」
「別れてここに来る人は珍しいですねっ」
俺も千星に同感だ。今までは付き合ってる、または付き合う前だったもんな。
「それで相談とは何ですか?」
「俺、なんでフラれたのかが全くわかんないんだ!嫌われるようなことをした覚えもないし…。理由があるのなら納得できるんだが、」
「別れて、としか言われていないということですかっ?」
「ああ、そうだ。」
なるほどなぁ、フラれた理由わかんなかったらそりゃモヤモヤするよなぁー。(駿樹、過去の自分とリンクしていて、現実から目を逸らしたい気分)
「なるほど!!じゃあ、フラれた理由が分かれば良いってことですね!!」
「そういうことだ。」
「じゃあ、大成。あとは私たちに任せておくれ。サッカーに守護神は必要不可欠な存在のはずだ。」
大成さん、ゴールキーパーなんだ。特に関係ないけど新しい情報だ。
「ありがとう、後輩たちもよろしく頼むよ!」
「「「頼まれました!!」」」
___
「李央先輩、二人のことについてもう少し知りたいです。」
「そうだな、さっきも言ったがカップルといえば、と言われたら必ず名前が上がるくらい有名だったんだよ。」
それって相当だよなー、
「でも、イチャつく系カップルじゃなくて、側から見たら友達みたいだったな。」
有名だからめちゃいちゃついてるのだと思ってた。
「じゃあ、まず大成について話すか。」
「どんな人なんですかっ?」
「所謂、はちゃめちゃする系男子だ。」
「あぁ、私そういう人苦手なのよね…。」
未璃奈、今個人の感想タイムではないのだよ?
「だから付き合ったって聞いた時、私を含め特に同中の人がめちゃくちゃ驚いていたな。」
「そんな感じの人なんすね。ちょっと意外っす。」
「あと中学の頃だっけな、私の幼馴染の夕羽-冴木夕羽に何だっけ4回ぐらい?告白してフラれたみたいだよ」
いや猛者すぎる!!!驚き超えてもう尊敬の部類いっちゃいますよ!
「「うわぁ…」」
あ、女子二人がちょっと引いてるww
「でも、大成と夕羽は普通にイジリイジられ合うような友達みたいな感じだぞ?だがまあ、そういう人だと理解してくれていれば良い。」
「分かりました。」
「ぶちょー、彼女さんはどんな方何ですかっ??」
「ああ、洞戸美香っていうんだが、文武両道のすごい子なんだよ〜」
意外だな、勝手にもっとギャル系の子かと思ってたよ。
「意外ですわ」
やっぱり思ってたみたいだ。
「私も正直言って意外だったさ。もう少し美香について話すな。」
「お願いしますっ」
「美香はな、背も高くて、バスケ部のエース、テストの順位一桁台は当たり前、といったハイスペック女子なんだ。」
めちゃすごい人やん!え、なんで付き合ってるのかが全く理解できないんだが。
「何で付き合ってるんでしょうか??」
俺も同感だ。
「流石に私もそこまでは分からない。ちなみに噂では美香から告白したらしいよ。夕羽に聞いたら少しは情報が増えるかもしれないが…」
マジですか!?絶対大成さんからだと思ってた!!ていうか、
「何でここで夕羽さんが関係あるんですか?」
「同じバスケ部なんだ。違う中学校だったと思えないくらい仲が良くてね、その二人。」
なるほどぉ。そんな関係があったんだ。
「そろそろ解決策を考えていこうか。」
「「「はい!」」」
「…て言っても、美香さんの本心がわからなければ話にならなくないですかっ??」
「それは俺も思いました。」
「今回に関しては私もそうとしかいえないんだよな。困ったなぁ…」
「じゃあ二人が直接話せば万事解決じゃない!!」
いや…そういう問題じゃない気がするが、
「申し訳がないが、お互いに許可さえもらえればそうしたいな。」
「きっと大成さんは大丈夫でしょうけど、美香さんはどうでしょうか…」
そうだよなぁ、聞いた感じだと良い返事が返ってくるとは思い難いが…。
「ちょっと夕羽にメッセージを送ってみるよ。」
「「「お願いします!」」」
___
〜ちょっとしたら〜
「…、一応許可は出たらしいよ、美香から。」
!?
「今、なんと?」
「美香から許可がでたって」
「も一回、お願いします」
「…OKって、」
半ば諦めてたから聞き間違えじゃないかと思って二度聞き(三度聞き?)しちゃったww
「びっくりですねっ、無理だと思ってましたよっ」
「正直なとこ、無理だと思っていたわ」
ですよねっ!みんなも同じ考えだったよ!!
「部活時間にはやりたくないって言ってたから、昼休みでも良いかい?」
「「「もちろんです!」」」
「じゃあ、明日、頑張るよ!」
「「「おおー!」」」
良い結果になることを願おう。俺もできる限りのことは精一杯やろっ。
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