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5 初めての仕事

「ありがと、実はね……」


愛梨さんの話をまとめると、付き合っていた彼氏さんと晴れて同じクラスになったが、あからさまに避けられているとのことだった。しかも、彼女曰く自分より他の女子と喋っているそうだ。だから、クラスでは李央先輩といるのがほとんどだって言っていた。


「なるほどねぇ…愛梨はそのことについてはどう思っているの?」


「…。…もっと一緒にいたい。あんまり束縛したくないって思うけど、やっぱり他の女の子といるのを見るのなんて辛い!…」


そうだよなぁー、恋するのには悩みは付き物だからなぁー。

(ちょっと現実から目を逸らしたい駿樹)


「愛梨の思いは分かったよ、これからは私たちが考える時間だ。明日までには解決させる手立てを考えておくよ。」


「ありがとぉぉ、李央ちゃん!!それなら、私は部活に戻らせてもらうねっ」


___


「さて、新入部員たち。考えるぞ!!」


と言われましても…。悲しい前科持ちの俺に恋の悩みを解決させろというのですか?

しかも、俺、男だから女子の気持ちなんて全く解りゃぁしねぇんだが。


「李央先輩、考えるって言っても何からすればいいか…」


「みりちゃん、そう深く思い詰めなくていいから。ゆっくりでいいんだ。」


焦らしたのは部長だと俺は思う。


「よく聞くんだ新入部員諸君。ポイントは、原因を明確にしてどうやって解決すればいいのかを考えることだ。」


ほう。……?


「ぶちょー、原因とは具体的にどうゆうことなんですか??」


千星、俺が思っていたことをそっくりそのまま言ってくれたな。


「よくぞ聞いてくれた!それはな、相談者の悩みが『誰が』『何を』したことが原因だったのかと言うことだ!」


「「「ほう…。」」」


「今回の愛梨のケースで考えていくよ。『誰が』『何を』を意識してみな。」


「それは彼氏が100%悪いんじゃないの!!」


「そう思うかもしれない。けど、一旦冷静に、客観的にみなければいけない。掟にもあっただろう?」


なるほど…。こんなに奥の深い部活だったのか。てっきりネタ枠のほぼ自由な部活なのかと思っていたよ。


「でも千星は彼氏の方が悪いと思うなっ。だって彼女がいるのに他の女の子といるって、しかも楽しそうに…。そんなの許されませんっ!」


「私も今回は彼氏の方が原因だという割合が高いとは思う。だが、愛梨に一切非がなかったか、と言う点はどうだい?」


「それは…。愛梨さんも李央先輩とほとんどいたって言ってたから、もう少し自分から話に行こうとする姿勢も必要だったかもしれないんじゃないかしら?」


「みりちゃん、いい目のつけどころだ!そうやって考えていくんだ!」


「…。君も何か言いなさいよ!!!」


うわっ、急に大声で叫ばれると心臓に悪いからやめてほしいよ…。


「俺だってちゃんと考えてたんだから…。だからそんな大声で叫ぶなよ。」


「じゃあ、何を考えてたって言うのよ」


「…。彼氏さんは、怖かったんじゃないかなぁって。」


俺だからこそこういうことを感じるのかもしれないな。


「どう言うことだい?」


「愛梨さん、美人じゃないですか。」


こんなこと言って大丈夫か俺?キモくないか??

いや、今はそこにツッコまないところだ。うん。


「だから、クラス替えっていう行事で今までとはまた違った環境になるから、『俺は付き合っていていいのか』みたいなネガティブループしてるんじゃないかって。男の俺は感じました。だからといって愛梨さんを避けるのが正解だとは思っていませんけどね。」


「「「…。」」」


あれ、俺なんかやばいこと言っちゃったかな??


「瀬早クン!!」


何ですか、部長さん!びっくりさせないでもろて。


「素晴らしいよ!!いや〜、やっぱり女子ばっかよりも男子の意見があった方が新鮮だなー!」


あ、めっちゃいいって意味でしたwwなら良かった。


「じゃあ、今回の案件をまとめようか。」


「「「はい!」」」


やべ、部活感がすごいっww


「彼氏くんはまず女の子との距離感を考える。そして、愛梨は少しずつでも自分から動く。もし二人っきりが気まずいなら、二人を含んだ四、五人でいるのがいいかな。どうだい??」


「「「その通りです!!」」」


部活感が(#2)


「じゃあ明日私の方から伝えておくよ。」


「「「よろしくお願いします!」」」


部活かn(#3)


なんかいい経験になった気がする。人の役に立てたなら嬉しいな。


___


「愛梨から後輩たちにもありがとって伝えてと言われたよ。」


愛梨さんは前ほどはだが、いい感じの雰囲気だそうだ。


「そうですか、ならよかったです。」


「駿樹くんも活躍してたもんねっ」


「私がこの部活に入れたことがよかったのね!!」


そうだ!俺、めちゃ馴染んでるからちょっと忘れてたぞ!


「「「ちなみに退部するとかそういう拒否権ないから」」」


なんでだよ!


「ていうか、なんでそんなに俺をこの部活に入れたいんですか?」


「ああ、先輩たちが卒業してしまって、私一人になってしまったから今年度に最低三人部員を増やさないといけなくてね。それでみりちゃんたちに手伝ってもらったというわけだ。」


そゆことかー、部活ありすぎるとそういうことも起きるのか…。

でもな〜、俺の陰キャ生活が……。

あ〜でも、昨日みたいに人の役に立つのは楽しかったな、


「俺、この部活に正式に入りたいと思います。」


「「「!!」」」


やっぱり、ちょっと面白そうだなって一日で分かったからな。


「そうとなればこれからよろしくな、瀬早クン。」


「よろしくっ」


「しっかりやるのよっ!」


こんな感じで俺はいつの間にか恋愛相談室部に入部していました。

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