2 駿樹の決意
あの日から2日後、
「えっ、駿樹と和瑚ちゃんが別れたって噂、マジのやつだったの!?」
「そうさぁー」
「あんなに仲睦まじいラブラブだったのに意外だったな〜」
「俺も予想外だったさww」
こいつは幼馴染の花園悠莉。今、家族ぐるみで卒業祝いたこパ真っ最中だ。
「ま、今日は慰めてあげるよ!」
「なんでそうも上から目線なのかなぁ〜。まあ、お言葉に甘えさせてもらうよ。」
俺もまだ傷心が治っていないのだ。そこで強がる余裕がないのだ。
「駿樹、本気で好きだったもんね、和瑚ちゃんのこと。」
「ああ。本当に真剣にわこりn…いや、神城と付き合っていたからな。」
もうわこりんって呼んじゃダメな気がした。いくら未練があるからってもう恋仲じゃあないんだから…。
「……。辛くないの?こんな急にフられて。」
「あぁ、」
辛くないわけないだろ。俺はすっごいアイツのことが好きだった。控えめに言っても、三度の飯よりアイツのことを想ってた。本当は手の届くはずじゃないと思っていながら…。それが悪かったのかなww。
「……!!駿樹!」
「あははっww。ごめん、ダサいよなww」
気づいたら俺は泣いていた。
「ううん、今は想いを全部吐き出して。抱え込まなくていいんだよ。」
悠莉は俺にそっと手を差し伸べてくれた。
「あぁ…、ありがとう、悠莉」
俺は泣きじゃくった。端から見たらすごく無様だっただろうな。
・
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「あー悠莉、俺の無茶に付き合わせてごめんな?」
流石に申し訳がない。いくら気持ちが不安定だったからって。
「全然平気!駿樹が落ち着いてくれたのが一番嬉しいから。」
「そうか。」
「そいえば駿樹、彼方くんから和瑚ちゃんのこと聞いた?」
なんのことだろうか。心当たりがないぞ。
「なんだそれ?」
「まだ言ってなかったのね彼方くんは。」
俺が知らずに彼方だけが知ってるわこr…神城のことなんていうものがあるのか??
「あのね駿樹、落ち着いて聞いてね。実は和瑚ちゃん…」
それを聞いて俺は絶句した。何も言えなくなってしまった。
そんなことがあっていいのか?今までのは全部無駄だったということなのか?
「駿樹、大丈夫そう?」
「ああ」
態度がそっけなくなってしまったがこれは許容してほしい。
でもやっぱり…
「わああぁぁぁぁーー!!こんな思いするなら恋なんてしなきゃよかったぁぁぁl!!」
「!?駿樹?」
「やっぱり俺、高校生は恋とは無関係な生活送りたい!二度とこんな思いしたくないからね!!」
「しゅ、駿樹。一回落ち着こ!?」
「女子と関係持たないようにするには!?……!そうだ、俺、隠キャになればいいんだ!!」
待って、これは神案だぜ!素晴らしいぞ俺!
「うぇぇぇ!?駿樹、ほんとに頭冷やした方が…」
「俺、瀬早駿樹は高校生活を隠キャとして生きることをここに誓います!!」
誓います!…誓います……(誓います…)(余韻)
よしっ!これで俺の高校生ライフは安泰だね!
「駿樹、大丈夫なのかn」
「ぐうぇっ…、なにこれくそマッズい」
「あ!そういえば大量にわさび入れたヤツ作ったんだったww!」
「おいっ!!」
___
「……、あ、もしもし彼方ー?」
「おう!どうしたー駿樹?」
「お礼と報告があるんだー」
ちゃんと今日あったことを言っておかないとね。
「なんだー?」
「まず、神城のこと、言わないでおいくれてたんだね、ありがと」
「!?」
「悠莉から聞いたんだ、卒業式の時のこと」
「悠莉、アイツ言いやがったのか」
「あっ、全然聞いて平気だったから気にしないで!」
「お前がそれならまあいいが…。それで報告ってのはなんだ?」
「ああそうそう、俺、高校生は隠キャとして生きるって決めたんだ!」
「いぃや!?え、マジすか???高校生だぜ?青春満喫しねぇのかよ」
お、驚いてるなww〜
「おう!だってそうすれば、女子と関わることがなくなる→もうあんな辛い思いをしなくていいってことだ!どうだ俺のこの素晴らしいアイデアは!」
「そういうことなら理解はできるが…。まあ、気が変わればまた言えよー」
「ないと思うけど承知したぜ!」
「ほんじゃあ、またなー」
「おう」
ということで俺は高校生から隠キャになります。
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