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1話-1
いつの頃からだったろう?
俺がこうなったのは…
…俺は傍観者だった
自分の事なのに
まるで見知らぬ他人を見下ろしているような…
そんな感じだ
その為か
あまり熱心に何かをしようと思わなくなっている
何故、俺がそうなったのだろう?
答えは…多分…
俺の四年以上前の記憶が無いからだ
原因はよくわからない
でも、多分
俺が記憶を失うくらいの何かがあったのだろう
もし…
誰かに『お前は優海蒼真では無い』
って、言われたら多分信じるだろう
…家族の事もあるし
でも、
…まぁ、
別にそれでも構わない
今の『俺』は少なくとも『自分』である事は違い無いのだし
…そう、思いたい
けど…
…不安なんだ
だから、なのかな?
他人の前じゃまるで
『作った自分』を演じているみたいだ
…本当の『自分』が
本当は
わからないんだ
それだからかな?
俺が俺でいれる時間
それがこの
静寂な夜の時間なのだろうか…