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男が1%の世界で  作者: ガッキーシステム
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お年玉

目が覚めるともう9時だった。

昨日は寝るのが遅かったとはいえ少し寝すぎた。

俺は受験生なのだ。あまりゆっくりしていられない。

そんなことを考えながら階下のリビングに降りると俺以外の家族はもう勢ぞろいしていた。


「おはよう。改めて、あけましておめでとう。」


そう言いながら炬燵に足をつっこむ。


「あけましておめでとう。」


「あふぇましておめでとう。」


凛姉さんはしっかりした挨拶だが柚子はあくび混じりに挨拶してきた。

よく見ると全員寝癖がついている。

起きたのはそれほど前ではなさそうだ。


「あけましておめでとう。優も起きてきたことだし朝ごはんにしましょうか。お雑煮のおもちは何個にする?」


母さんがそう言って腰を上げた。


「待たせっちゃったみたいでごめんね。」


「いいわよ。みんなさっき起きてきたところだし。」


どうやら俺の推理は正しかったようだ。


おもちの個数は俺と凛姉さんは2個、柚子は1個と答えた。

澄まし汁の角餅が我が家のスタイルだ。

三つ葉が香り高くておいしい。



お雑煮を食べ終えてほうじ茶をすすっていると母さんがポチ袋を持ってきた。


「大事に使いなさいよ。」


そう言って、渡してきたのは真ん丸に太ったポチ袋だった。

我が家はかなり裕福なのでお年玉は年にかかわらず一律で10万円と決まっている。 

小学生相手に渡しすぎではないかと思うのだが、転生して精神年齢が高い俺はともかくとして凛姉さんや柚子に無駄遣いしている様子はない。


「あ~あ、今年でお年玉も最後かぁ。」


今年で二十歳となる凛姉さんは少し残念そうだ。


「でもお姉ちゃんはモデルで稼いでいるじゃない。」


「それとこれとは別なのよ。何もせずにもらえるお金がうれしいんだから。まあ、いっか。今年頑張って稼いで来年は優にたくさんお年玉あげるからね。」


「え~。お姉ちゃんわたしは~?」


「もちろんあげるわよ。」


柚子がほほを膨らませながら言うと、凛姉さんは苦笑しながらそう言った。


そう、凛姉さんはモデルをしている。

しかも、カリスマモデルというやつで家には凛姉さんが表紙を飾った雑誌が何冊もある。


最近では、ITubeというサイトで動画配信もしているそうだ。

雑誌の凛姉さんはショートカットで切れ目のかっこいい女性であるのに対して、動画ではかっこよさを残しつつもふとした時に見せる柔らかい表情とのギャップがたまらないと評判で、登録者数は何十万人といる。

動画配信サイトがまだ伸び盛りであることを考えると十分トップITuberの一人なのである。

凛姉さんが照れるので言わないが俺は初期から応援しているファンの一人だ。



「部屋に戻って勉強してくるよ。」


受験も佳境の今、あまりのんびりともしていられない。

国立彩桜学園それが俺の目指している学校の名前でこの国のトップレベルの学校だ。

男子は無条件で合格としている学校も多い中、彩桜学園は男子でも普通に落ちるそうだ。


流石に男子が一人もいないのは男女平等の観点からまずいので多少の下駄は履かせてくれるという噂だが公式で発表されていない以上あまりあてにもできない。

なので、俺は誕生日でお正月という特別な日なのに机にかじりつかなくてはならない。


「じゃあ私が教えてあげようか?」


「せっかくだし私が教えてもいいわよ。」


凛姉さんと母さんがそう言ってくれた。

確かに、彩桜学園のOGでこの国トップの大学を卒業または在学中の二人ならいくら難しいとはいえ中学生の勉強を教えるくらいわけないだろう。


「う~ん、いいよ。わからないところがあったらお願い。」


最近は過去問や問題集をひたすら解き知識の抜けを確認するのが主な勉強で付きっ切りで教えてもらう必要はない。


「せっかく、かわいい息子とゆっくりできると思ったのにな~」


そう言って、母さんは炬燵に突っ伏した。

年齢的に見合っていない行動だが20代前半にも見える母さんがやると絵になる。


「なんか失礼なことを考えなかった?」


年齢のことを考えたせいだろうか、母さんが寒気を覚えるような視線を向けてきた。


「何でもないよ。ほんとに何でも…」


そう言って俺は階上の自室にそそくさと戻った。

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