表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/11

第2話 異世界転生~チートを添えて~

 風がそよぎ、木々がざわめき、小鳥がさえずるなか、俺は倒れていた。



「ん、んん…ここは」


 木漏れ日を感じて目を覚ます。


 …たしか俺はあのじいさん―もとい、神様に異世界転生させられたんだっけか。


「ってことは、ここはもう地球じゃないのか…。まあ、確かにそうっぽいな」


 だって…


 バサッ バサッ



 ドラゴンっぽいのが飛んでいるんだもの。



「まじかー。ドラゴンとかいるのかー」


 いや、呑気に言っている場合か?あれ、襲ってこないよな?



「ま、まあ、距離があるし大丈夫でしょ………ね?」


 俺は誰に聞いているんだ。一旦落ち着こう。



「スゥー…ハァー…、スゥー…ハァー」


 よし、オーケー。



 まず、自分の状態の確認だ。


「えーと、服は…なんだこれ?見たことのないデザインだな。この世界にあわせてくれたってことか」


 次に…、


「顔……は分からないな。見える範囲だと前と変わってないっぽいけど…。まあ、あとでいいか」


 他には…、


「持ち物は、なんもない?…いや、服になんか入っているな。手紙か、これ?」


 誰からだ?って、あのじいさんからだよな。読んでみるか。



 えーと、


 ユミト君へ


 異世界転生は無事にできたかの?


 万一失敗したら、性別が変わったり、手足がもげたりするって聞くんじゃが…。


 まあ、大丈夫じゃよな!



「って、おいっ。これ、失敗するとかあんのかよ!しかも、リスク高っ。…俺、大丈夫だよな?……よし、ついてる。俺は男だ」



 そんなことより、これからおぬしの第二の人生が始まるぞ。


 さしあたって、直接伝えた通り儂から力を付与しておいた。


 といっても、儂も自然の摂理に逆らうことは禁止されている。


 だから、不死身だとか、人間の域を超えたものは付いてないから気を付けるんじゃぞ?



「…そういや俺、チート能力をもらったんだっけか。いや、このじいさんの言いぶり…。もしや、そんな強いやつじゃないんじゃ?なら、全然許容範囲内だろ!」



 儂のできる限りのことはした。


 一覧にまとめたからちゃんと見とくんじゃぞ?



「一覧?…ああ、これか。どれどれ…」


 手紙の下の方に一覧がまとめてあった。



「えーと…、ステータスを上昇させる?」


 …ステタースて。んな、ゲームじゃあるまいし…。



「…ほう、調整は可能なのか」



「ん?まだあるのか。えーと、これまで編み出されてきた体術が使える」


 …俺、武術を極めてるってこと?


 武道、舐めんな?


 人生かけて技を編み出してきた偉人たちに謝りなさい。



「…ほう、武器も含まれんのか。剣術とか」


 俺、包丁すら握ったことないんだけど…、大丈夫?



「え?まだあんの?えーと、これまで編み出されてきた魔術が使える」


 …俺、魔術も極めてるってこと?


 もう一度言うよ?


 人生かけて技を編み出してきた偉人たちに謝りなさい。



「…ほう、基本は火水土風雷か。他にも特殊魔法がある、と」


 欲張りセットだなぁ。俺、もうお腹いっぱい。



「…っと、こんなもんか。ほーん」

 


 スゥー…。



「いや、これ……強すぎじゃねーかっ!?」



 これくらいが限界じゃ。すまんのぅ。



「いやいやいや、十分すぎるよ?じいさん、自重って知ってる?」



 伝えるべきことはこれくらいかの。


 この先、儂はもうおぬしに干渉することはできん。


 一人でもがんばるんじゃぞ。



 最初は、西に進んだ先にある村に行くとよい。


 その村がここから一番近いはずじゃ。


 それでは、おぬしの行く末に幸あらんことを!


 神より



「…はぁ。神様ってすげーなぁ」



 あまりに過剰すぎる力を前にして、俺は…


「よし!きれいに封をし直して、しまっておこう!」


 見なかったことにしました。





 ―だがユミトは見落としていた。

 

 手紙には二枚目があったことに。

 




改訂しました



追記


この作品がなろうで初投稿なので、何度が修正入るかもです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ