表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界をゴーレムと伴に歩む  作者: ぴっぴ
第1章 ゴーレム使い放浪編
5/54

第5話 ゴーレム1号と2号

 さてまだ買い込んだ食料は有る、ゴーレムが2体になり森の中でも安全性が増してきた。そこで俺はのんびりとゴーレムの調整をする事にした。具体的には左右のバランスを取ったり、動かしてみてバランスが悪い場合は各部のウエイトを調節したりして不具合を少なくしてゆくのだ、まあ地道な作業だがモデラーはこう言う地味な作業ほど楽しめたりするのだ。


「着いて来い!」


「「・・・・・・」」


 一緒に歩いて見たり、曲がってみたりしてゴーレムの動きを確認。予想通り曲がる場合の反応が悪い、此れは関節が少ないために重心移動が上手く行かない為に起こる現象なのだが、今回のゴーレムは簡易バージョンなので仕方ない、そもそも2足歩行出来るだけでも凄い事なのだ、斜めに進むとかロボットにやらせるには膨大なデータとジャイロが無いと出来ない事から比べると上出来だろう。


「まあ良いや、良しお前らはここで待機。この拠点を守っておいてくれよな」


 ゴーレム造りの為に造った陣地。大きな木の葉っぱで上に屋根をつけただけの簡易住居だが、雨露しのげるので今現在の俺の家? なのだ。

 そして俺は街に買い物へ、ゴーレムは上手く動かないので一人で買い物に出かけるのだ。目的はゴーレムに着ける槍の穂先の購入だ、出来ればゴーレム造りの材料も欲しいが、薬草採取で蓄えたお金は後少ししかなかった。


「ありゃ雨かよ! ついてね~な」


 街へと歩いていると雨が降ってきた、そこら辺に生えている大きめの葉っぱを頭の上に載せてそのままスタスタ歩いてゆく。まあ濡れてもその内乾くだろう、ただし雨水が目に入ったりすると視界が悪くなるので目に雨水が入らない様に葉っぱを載せておくのだな、これは兵隊と同じ理屈だ、傘を持つのが禁止なのは危険な仕事をしている場合は当たり前の事なのだ、


「ラノベの小説じゃ雨降らないのにな、何で俺だけ雨に濡れるんだろう」


 ラノベの異世界では殆ど雨が降らないのだ、主人公は物凄く優遇されている。しかしゴンはボッチな上に貧乏、そして歩けば雨に降られる程運がないのだった。だが其のお陰で雨に濡れたぐらいでは風邪をひかないし、一人にも慣れているので今の境遇にも平気なのだった。


「まあ良いや、不幸が俺を更に強くするのだ! 見ていろ天気め! 俺は風邪などひかん! 俺を殺したければ隕石でも降らせるのだな! ハ~ッハッハッ!」


 空に向けて叫ぶゴン、とても危ない人に見えるが雨の森を歩いている人は居ないので平気だった、もしも他人に聞かれていても勿論ゴンは気にしない、どうせ他人は直ぐに忘れてしまうのだ。


「おっちゃん、槍の穂先ちょ~だい」


「なんだお前、びしょ濡れじゃね~か」


「うむ、外は雨だからな。当然濡れる訳だな」


「本人が気にしてないならまあ良いか、槍の穂先何本だ?」


「4本チョ~ダイ」


 4本で2万ゴールドもしたがゴーレムの強化の為なのだから仕方ない、これは先行投資って奴なのだ端金を惜しんで損しては馬鹿だからな。これで地道に薬草採取で貯めていたお金も無くなってしまった。宿は野宿だからタダだし、保存食が後2日程は有るが非常に不味い状態だな。お金を稼がなくてはゴーレムも造れないし将来も大変に暗い。


「焼きそばチョ~ダイ」


「はいよ! 500万え~ん!」


 異世界人のやってる屋台で焼きそばを買って帰る事にする、お約束の料金を聞くと何か懐かしい感じがするな。もう所持金は殆どないがゴーレムが稼働し出せば稼げるハズだから気にしない、それに一旦金を使い出すと止まらないのがボッチって奴なのだ、たまにしか人混みに行かないから、人の多い所に出るとハイテンションになって来るのだ。

 そうして森に帰り、購入した槍の穂先をゴーレムの4本の腕に取り付けて準備完了!


「ワハハハ、行くぞゴーレム。狩りの時間だ」


 ゴーレム2体を引き連れて森の中へと入ってゆく、目標はゴブリンやオークだ、魔物を狩ってお金を稼ぐのだ。そしてもっと良いゴーレムを造るのだ! 常に前進有るのみ、モデラーは高みを目指すものなのだ。


 バタ! 


「あれ? あれ~!?」


 2体のゴーレムは森の中で倒れてばかりいる、木の根や凸凹道を上手く歩けない様だ。まあ当たり前だな2足歩行で悪路を移動するのは非常に難易度が高いのだ。折角腕を4本付けたが、森の中では木が邪魔に成って上手く歩けない原因の一つになっていた。


「駄目か~、森の中で2足歩行は無理っぽいな。平らな所でしか動けないのか~、家の留守番位しか出来ないっぽいな」


 折角有り金残らず使って造ったゴーレムだが森の狩りのお供には使えない様だった。つまり使った金と労力が無に返ったって訳だな。


「・・・・・・よし! 又一つ俺は賢く成った! やはり実戦は訓練や想像とは違うって事だな。よしよしそれが学べただけでも十分に価値は有った!そう言う事にしといてやる」


 ゴーレムが使えないので俺は独りで木に登り、下を通りかかった魔物に襲い掛かる戦法で魔物を仕留める狩りに変更した。なんか第2次大戦の一撃離脱戦法みたいでカッコ良いのだ。


「ヒャッハー!!」


「「「ギャ???」」」


 魔物の通り道と思われる獣道の木の上に待機して、魔物が真下に来た時に木の上から襲い掛かる。大声を上げて相手を脅かして、相手の体が硬直した瞬間に頭に棍棒を振り下ろすだけの簡単な作業なのだ。


「ワハハハ! 俺様の養分に成るのだ!」


 ゴーレムが居ない方が強いと言う噂はどうやら事実の様だった、ゴンは危なげ無くゴブリンやオークを軽々と狩っていったのだった。

 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ