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異世界をゴーレムと伴に歩む  作者: ぴっぴ
第1章 ゴーレム使い放浪編
14/54

第14話 自由都市グレートフリーデン

 豪華な馬車の後ろを俺のゴーレムハウスがゴトゴトと付いてゆく。馬車の中の人は多分金持ちか高貴な身分なのだろうが身分を名乗らなかった。身分を知った俺に襲われてはかなわないと思ったのか、それとも自分の事は言わなくても誰でも知って居ると思ったのかは俺には判らなかった。俺はエスパーじゃないので言われなくては分からないのだ。


「ほう、ゴンさんはゴーレム使いなのですか」


「まあ一応」


「綺麗な奥方2人を連れてご旅行とは羨ましい」


「・・・・・・?」


「まあ! 綺麗だなんて!」

「奥方!」


 仲良くなった護衛から2人を奥方とか言われて、ナナとカヤのんはクネクネしていた。怒り出すかと思ったらまんざらでもないのか、それとも相手を欺く為の高度な戦術なのか? 他人の心を読めない俺には分からない、だが、話の流れに乗って否定する事だけはなんとか避けたのだった。


「ほへ~! でっかい!」


「大きいわね~」

「前の街とは比べ物に成らないです」


 森を抜けた先に自由都市グレートフリーデンが見えたのだが、平原に佇むその姿は巨大だった。剣と魔法の世界だけに都市は城塞都市、都市の四方が石の壁に囲まれているのだ。見える範囲で約2キロ程の壁が有った、高さは10m位だろうか。2キロと言ってしまえば大した事が無い様に思えるが、此れは700階建ての高層ビルを横にしたほどの巨大さなのだ、元の世界の空母でも300mを少し超える程のサイズなので、かけられた労力と時間がどれほど掛かった事だろうか。異世界人恐るべし。


「凄いでしょ、自由都市フリーデン」


「スゲ~な、何年掛けて造ったんだろうな、あの壁」


「ふふふふ、200年!」


「ほへ~! 200年!」


「まあ嘘なんですけどね。本当は魔法で1年で出来ました」


「・・・・・・なんか急に有り難みが無く成った気がする」


 この超大型都市は魔法で作られた都市なのだそうだ、中には50万人が住んでおり、周辺の国から独立している都市なのだそうだ。周りの国がチョッカイをかけてきた事も有るそうだが、この都市には魔法使いや冒険者が多数いて戦闘力が桁違いなので、どの国からも独立出来て居るのだそうだ。


「軍事国家って奴か、強力な軍事力を背景に独立性を保つって奴だな」


「良くお分かりで、ゴンさんって実は教養人?」


「うんにゃ、俺は極めて平凡な常識人」


「常識人が聞いたら怒るわよ」

「ナイスジョークです! ごん様」


 都市に入るところで検問をしていたが、俺達はフリーパスだった。やはり馬車の人物は権力者だった様だ。そしてそのまま街の中に入り、街の中心の高台の方へと向かってゆく。街の人間からジロジロ見られたが、俺も街の人間をジロジロ見たのでお互い様って奴だな。

 そしてこの街にはケモ耳の人? やドワーフみたいな人、そして偉く美形のエルフっぽい人まで歩いていた。


「うほ~! 獣人じゃん! あっちはドワーフか!? うおぉ~! アレ、エルフじゃね?」


「ちょっと失礼よ!」

「人を指差してはいけません!」


 育ちが悪く色々なものに興味の有る俺は大騒ぎだ、連れのお姉さんみたいに育ちが良くないので自制心って奴が余り無いのだ。ここら辺が野蛮人扱いされるのだな、悲しいが事実なのでしょうがない、人間だれでも弱点を持っているものなのだ。

 そして周りの家より明らかに大きくて広い豪邸の庭へと入ってゆく、勿論入口の門には衛兵が2名立っていた。やはり私兵を雇える位の金持ちか、権力者の様だ。


「こちらの部屋でお待ち下さい」


 建物の中から出てきた執事さんに案内されて豪勢な応接室に通される。そこでお茶やお茶菓子などを振舞われしばしの休息。


「お前ら、慣れてるな」


「家に秘書が居たから」

「私の家はメイドさんでした」


「お前らどんだけ金持ちだったんだよ、執事なんて見た事ね~ぞ。そもそも田舎にはメイドも居なかったぞ、勿論メイド喫茶も無かった」


 どうやら連れの女2人は超上流階級のお嬢だった様だ、もしかしたらリムジンで学校に通って、週末は自家用ジェットで外国にバカンスに行く家柄だったのかも知れない。パスポートも持たず、家から出ない底辺の俺には分からない異世界に住んでいたのかも知れないな。怖いから聞かない様にしよう、知らなければ気にする事もないのだからな、世の中には知らない方が良い事が沢山有るのだ。う~む、生まれガチャでSSRを引いてた奴は何か違和感が有るな。


「お待たせしたね」


 助けた男が着替えてやって来た。助けた時も豪華な衣装だったが、今は着替えて更に豪華な衣装をまとっていた。何か知らんが見えを張るのが好きな人種みたいだ。俺を相手に見栄を張っても仕様が無いと思うのだが、多分彼の癖なんだろうな。俺としては服に金を掛けるより、護衛を多く雇ったりした方が良いと思うのだ、死んでしまっては元も子も無いからね。


「これは先日のお礼だよ。本当に有難う」


「いえいえ、どういたしまして。当然の事をしたまでです」


 差し出されたズッシリ重い袋を有り難く頂いてニコヤカニ談笑する。思わぬ臨時収入に自然と笑がこぼれて来る。うむ、この人は良い人だ、困ってたら又助けてあげよう。


「所でゴン君達はこれからの予定は有るのかね?」


「取り立てて予定は有りません、街を見物して生活する術を探そうと思ってます」


「良ければ我が家の護衛をやらないかね? ゴン君が居れば心強いのだがね」


「半年位ならやっても良いですが、長時間は無理ですよ。一つの場所に長くは居られない性格ですから」


「ふむ、もっと長くやってもらいたいが無理を言うつもりは無い、とりあえず半年程働いてみてそれから又考えてみてくれれば良い」


「お世話になります」


 それから俺達は豪邸の別館の使用人が住むこじんまりとした家へと案内された、俺達は住み込みで働くらしい。俺は主人が出かける時の護衛で、女性2人は豪邸のメイドさんって事だった。住む所ろと働き口を貰ったので非常にラッキーなのかも知れない。


「意外と素直に受けたわねゴン」


「意外だったか?」


「断って森の中に住むと思ってました」


「ふふふふ、ここに居ると面白そうだからな、特等席で見物するのだ」


「「何のこと?」」


「護衛付きの金持ちを森で襲う盗賊って珍しいんだよ、普通の盗賊は金を取りやすい商人達を襲う、ワザワザ護衛付きの馬車を襲った盗賊は紐付きだ。バックに面白い奴が居るに違いない、つまりこの家は又襲われるハズだ!」


「「ひえ~! それって危ないんじゃ無い?」」


「ふふふ、ハイリスクハイリターンって奴だな、そいつらには俺の養分に成って貰って、俺は立派なゴーレムを造るのだ~! フハハハハ~!!!! 全てはゴーレムの為に~! ゲホッ! ゲホッ!」

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