46/124
ねずみ
視界を、赤いなにかが横切った。拳くらいの赤が電車の向かいの座席、その下へ駆け込んでいった。不思議に思うまもなく悲鳴が上がる。ぐらりと人が棒立ちのまま倒れた。車窓の景色と同じように、車内の床を血が広がっていって、誰もがあっけにとられる。そのあとに恐怖が人々を染めた。電車がホームに入っていく。緊急停止ボタンが押され、アナウンスが車内に響く。足止めを恐れてホームへ飛び出す人の、鞄に赤いものが滑り込んだ。
視界を、赤いなにかが横切った。拳くらいの赤が電車の向かいの座席、その下へ駆け込んでいった。不思議に思うまもなく悲鳴が上がる。ぐらりと人が棒立ちのまま倒れた。車窓の景色と同じように、車内の床を血が広がっていって、誰もがあっけにとられる。そのあとに恐怖が人々を染めた。電車がホームに入っていく。緊急停止ボタンが押され、アナウンスが車内に響く。足止めを恐れてホームへ飛び出す人の、鞄に赤いものが滑り込んだ。
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。