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くび
快速電車に乗っている。車内はほどほどの人で、向かいは先ほど降りたばかり、隣では男がうつらうつらしている。車窓から暖かい光がさす、和やかな昼下がりだ。読みさしの本を取り出す。男は前のめりにのめりこんで、今にも首が落ちそうだ。本に集中する。ごとんと音がした。隣をみると男の頭がない。首ののっぺりとした断面がこちらをみている。暫くそれと睨めっこをしていたら、通りかかりの人が男の頭を拾い上げて直していった。
快速電車に乗っている。車内はほどほどの人で、向かいは先ほど降りたばかり、隣では男がうつらうつらしている。車窓から暖かい光がさす、和やかな昼下がりだ。読みさしの本を取り出す。男は前のめりにのめりこんで、今にも首が落ちそうだ。本に集中する。ごとんと音がした。隣をみると男の頭がない。首ののっぺりとした断面がこちらをみている。暫くそれと睨めっこをしていたら、通りかかりの人が男の頭を拾い上げて直していった。
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