四話 初戦闘はあっけない
初めて評価、感想がつきました・・・(困惑)ありがとうございます。
こんな拙い文章ですが、これからもよろしくお願いします。
さて、いきなり短剣を持って襲い掛かってきたが、正直中学生の頃の知り合いの方が動きが速い。まあ、いい機会だ。自分が何できるか確認しとくか。スキルは確か技名を声に出すか、発動と念ずれば発動する。
俺は相手からバックステップで避ける。そして
「我流体術 彗星落とし」
技名を呟いた。瞬間俺の体が勝手に動き出し、かなり早い速度で相手の懐へ潜り込む。自分の体が勝手に動くというのはかなり変な感覚だ。俺は潜り込むのと同時に相手の顎を蹴り上げる。相手はいきなりの動きについてこれていないようで俺の蹴りは、相手の顎にクリーンヒットし、相手の体は数メートル上に浮き上がる。更に追い打ちをかけるように飛び上がり、浮いている相手を地面に叩き落とす。
これ、直撃してるから骨が何本か折れてるんじゃないかな?
「さて、お宅らはやるの?」
残りの二人に問いかける。二人は首がはち切れんばかりの勢いで首を左右に振った。さて、轟音が鳴ったし、エルは起きてしまったかね。チラッっと見てみるが、普通に寝ていた。あんな音が鳴ったのに寝ていられるなんて、どういう神経してるんだ。
さて、あの貴族が持ってた短剣は没収してしまおう。いきなり襲ってきたんだしこれぐらいしてもいいよね?ということで没収。
クリアナイフ
効果【透過】【武器召喚】
RANK レア
まあ、貴族令嬢が持っていたから、大方見当はついてたけどかなりすごい武器が手に入ったな。しかしこの効果でランクがレアって・・・
剥ぎ取りなりなんなりをやっていると、それなりに人が登校し始めた。というか、授業が始まるのがこんなにも遅いならこんなに早く来る必要なかっただろ。
登校してくる奴等は一様に吹き飛んでいるアイシャにびっくりしている。まあそうなるわな。更にはエルの傍に俺が突っ立っているのだ、余計ビックリしているのだろう。面倒な事になりそうだが、喋らなきゃどうとでもなるか。さてと、これだけ人が集まってきたって事はそろそろ時間なのだろう。
「おい、もうそろそろ時間だぞ、起きろ」
そう言い、彼女を起こそうとするが中々起きない。面倒くさいことがこっちにもありましたよ。
「おいマジでそろそろ起きろ」
そう言って肩を揺らすも、全く起きる気配がしない。こういう場合どうすりゃいいんだ。なんか強いショックでも与えればいいのか?そんな事を考えていたら、普通に起きた。なんなんだよ一体。
「・・・・・・おはよう」
「おはようございます。・・・・・・って俺はお前をどういえばいいんだ?普通にお嬢様とかそのあたりか?」
「普通にエルでいい」
そんな会話を繰り広げていると、明らかに周りやエルとは歳が違う人が入ってくる。
「お前らーHR始めるぞー」
その言葉で周りで話してたやつが一気に着席する。
「あ~今日から新しい仲間・・・というより、仲間の身内が転入?する。おい、そこのキリセ・リョウトだっけか。さっさと挨拶しろ」
・・・・・・はい?え?自己紹介するの?マジで?というか俺転入扱いなの?奴隷が都合上転入というおかしなことになっているため、教師も困惑気味である。
「えーっと霧瀬両人です。エル様の護衛をしています。これからよろしくお願いします」
さて、こんな感じでいいのかね。めんどくさいことにはならなかったみたいなので、空いていたエルの席の真後ろの席に座った。
「まあ、いろいろとおかしなことになってはいるが、仲間ということには変わらない。仲良くするように。あと、アイシャは全治三か月の全身骨折だそうだ。何故ああなったのかわかる人は放課後職員室へ来るように」
そう言ったあと教本を手に取り
「それじゃあ一限目の授業を始めるぞ」
「今日の授業はここまで」
教師がそう言った瞬間。わっと教室がざわめきだす。
授業を見ていて気付いたことだが、この世界の言葉はまるっきり日本語だが文字は別である。【神眼】に翻訳機能があって助かったが、気付くまで少し時間がかかった。何故前の新聞は違和感なく読めたのかは謎だが多分【神眼】の力をまだ完全に掌握していなかったので、勝手に翻訳したのだろう。習っていることは元の世界での中学校レベルなので途中から聞き流した。そして、元の世界みたいに6時間も授業があるわけではなく、4時間授業らしい。かなりイージーだ。
「リョウト、ご飯にしよ」
そう言ってエルは自分の弁当を取り出す。あ、俺弁当持ってたっけ?カバンの中を探すと黒塗りの弁当箱が姿を現した。箱を開けるとフランスパンみたいなものが一つ入っているだけだった。ちらりとエルの弁当を覗くとサンドウィッチや、サラダなどが入っていた。とても美味しそうだった。
次回は2月3日更新予定です。
2018/7/21
矛盾していたところを修正しました。