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7 「じゃあこれから詳しい解説を……」

「じゃあこれから詳しい解説を……」

「いらない。最初のナチュ……なんとかでいい」


 あたまいたくなってきた。せんもん用語やめて……。


「ナチュ……は攻撃と防御を両方こなすオールラウンダーで、総受け王子はその名のとおり防御専門ですよ。大丈夫ですか?」

「いいのいいの、最初のやつで」


 もういいよ、どっちでも……。

 なんか新しい単語つらつら出されると頭痛してくるわー。

 どうせ私には未知の領域だし……。悩んでもムダなんだって、今やっと気付いたのょ。

 それに、なぜだか後者の方から明らかにヤバいオーラを感じる……。


 そもそも、私が王子様になってどないすんねん。

 女の子はいつだって誰かのお姫様、なんだからねっ☆

 きゃっ☆ 恋児にコクっちゃった☆ (ちらっ)


「はい、ナチュラルボーンレズホイホイお一つ、っと」


 なんか転生すると、こういう専門用語がどんどん、どんどん、出てくるんだろうなー。いやだなー。

 漢字なら分かるよ。でも横文字って、意味わかんないもん。

 そもそも漢字は歴史ある表意文字であり……クドクド。

 カタカナは表音文字で音しか表さな……ブツブツ。


 ひょっとすると異世界では、今まで私が地球で培った知識は大して役に立たないのかもしれない。

 ……いや、ろくな知識じゃないけどさ。

 前世で鍛えたエクストリームオナニーが異世界で人を救う! なんてとても思えない……。


 転生って、言うなれば異分野への挑戦。

 これ、歳を取れば取るほどキツくなるよねー。

 いやでも、社会に適合できなかったヒキニートにはむしろ、新天地である異世界への適正がある可能性も……うむむ。


「あのあの、ちょっといいですか?」


 ガキャ……じゃなくて、ベルチャットが私の顔を上目遣いに覗き込んできた。


「ボクこれから頑張ってあなたを守護しますから、よろしくおねがいします!」


 ベルチャットがニッコニコ微笑みながら私に握手を求めてくる。


 うわキショッ! 気持ち悪っ!

 媚び売るガキほど不気味なもんはないな。


 いいか、子供ってのはな、ウンコチンコ言ってカードで遊んでりゃいいんだよ!


 ……と心では思うが、さっきみたいに表には出さないのよわたくし。


 こいつ私の守護女神らしいからな。

 長い付き合いになりそうだ。心象悪くしない方がいい。

 私はベルチャットの汚れのない小さな右手を取ると、脂でべっとり湿った両手で握り返した。


「うん! 私の方こそよろしくね! にこっ!」


 せいぜい利用させて貰うさ、だが最後には、ボロ雑巾のように捨ててやるからな! 覚悟しとけよクソァ!


「えへへー! いっしょに頑張りましょう!」


 無垢な笑顔の少女と対照的に、世俗にまみれた私は相当にゲスいなと、思わざるをえなかった。

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