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大魔王九郎の世界征服録  作者: 幽夢
9/9

vs偽勇者

さぁラスト!!

 ザントーナ付近につくと九郎たちはそこでファルッサがナイフを首に突き立てているのを目撃した。


「何をしてるんだ?」


レオが不審に思い問いかける。


「ザントーナが壊滅してたろ?あれは多分俺のせいなんだ。いきなり意識がとんで、それで目が覚めると俺以外の人は全部死んでて・・・・」


そこまで言ったところで空間が歪む。


「ふふっ、うまく誘き寄せれたようですねぇ。九郎、今日こそはあなたを潰す」


「ああ、セオーラ残念ながらご期待には沿えんな。なぜなら潰れるのは貴様だからだ」


セオーラと呼ばれた魔族が指をパチンと鳴らすとファルッサの体から真っ黒い樹が生えてくる。


「ほう、それは貴様が研究していた樹だろう?ついに完成したか」


「ああそうさ。あれに勇者の力を蓄えそれをファルッサに埋め込む。そうすることで勇者を作り出すことに成功したのさ。破界樹、俺が世界を獲るための力になってくれる樹だ」


「お喋りは終わりにしよう。レオたちはそちらを頼むぞ」


「冥府の門・開、闇の衣」


「なかなか容赦がないようだ。さて、では私もいこうか」


そう言うとセオーラの体からも破界樹が生える。全身が黒く染まり完全に破界樹が行き届いているようだ。


「黒之閃光」


手のひらから黒いビームが発せられセオーラの体を貫く。しかし恐ろしい速度で再生してしまう。


「インフェルノフレイム」


「剣舞・八連刃」


地獄の灼熱を舞うような剣技で振り払う。


「あちらも助けねばならぬし次で終わりにするぞ」


「なんだとっ!?私を舐めているようだな」


「天帝之鉄槌」


右拳に集中した金色のオーラで殴り飛ばす。その威力は破格で一撃でセオーラの細胞をすべて消滅させてしまった。


「さて、あちらに・・・・おっと、もうすでに暴走しているな。厄介な」


九郎が振り返るとそこには天に届きそうな程の巨体になったファルッサがいた。原形は留めておらずもうすでに樹の化け物としか形容できない姿ではあったが。足は消え、根となり地面から生えている。


「襲え、星礫(ほしつぶて)


シリアが『星の書』で最初に覚えたのがこの星礫だ。超圧縮された光属性の魔力をぶつけるだけの魔法。しかしそれは『星の書』では最低ランクの魔法とは言え、普通は一生触れることすらないほど高難度な魔法なのだ。


「グアァアアァアァァアア!!!!」


顔面にまともに食らったファルッサだったものは相当なダメージを受けているはずだ。


「メテオタックル!」


ゼクシアの城壁の守りで強化された鎧を使った高速のタックルだ。炎王の闘気というオーラを圧縮し超高温になっている。


ゼクシアのタックルによってファルッサの胴の一部は焦げ、抉れているがそれでも簡単に再生する。


「それにしても・・・クリムゾンノートが魔導書じゃなかったとはねー。まぁでも恐ろしい力ではあるかな」


クリムゾンノートは魔導書であって魔導書でない。そこに記された魔法はすべて存在せず、しかしそれを全て記憶した者にのみクリムゾンノートの真の姿が見えるようになる。クリムゾンノートの正体は魔法強化の魔道具(マジックアイテム)。真の姿となったクリムゾンノートの最後のページに手をおくことで契約が成立し術師の魔法の威力を最大で100倍にする。魔導書だと思われてきたのは使用者の術があまりにも強力で、既存の術とは結びつかず未知なる術が記されていると思わざるをえなかったからだ。


「火よ 舞え すべての命を焼き尽くさんがために 命を喰い さらにその力を振るえ 傾城の炎術 破滅の煉獄


風よ 散らせ 森羅万象を斬り裂かんがために 大気を孕み さらにその力を振るえ 破壊の暴風 滅亡の禍嵐


火よ 風と交じり合い その力を不滅の物とせよ 踊れ 主が敵を討ち滅ぼさんために ストーミィフレイム」


これは2つの術の合成。ダンシングフレイムとソードリィストームという2つの恐るべき魔術を合わせ、その効果を掛け合わせることにより炎はまさに破壊の権化となっていた。荒々しく舞い踊る炎はファルッサの体を焼き貫き、再生する度に燃やし続ける。


「ほう、これはなかなかやるな。これで終わると良いのだが・・・」


「!」


傍観していた九郎のところへ先程まで舞い踊っていた炎が転移させられる。


「空間魔術、理性を失ってまだ使えたとはな」


「不滅の炎とはまた厄介」


「この世のあまねく物一切は我が供物に過ぎぬ 魔術と云えどその例には漏れぬ その身を我に捧げ 我が血肉となれることに歓喜せよ 闇喰(やみばみ)


突如現れた闇に炎は喰われ、九郎の肉体には魔力が満ち、体の傷も癒えていく。


「なにっ!?まだ再生するのか、こいつは!」


レオが驚きの声をあげる。レオたちのパーティーではブレンダが最高火力でありあれ以上の火力が出せる者はいないのだ。そのブレンダの全力を食らってなお復活するというのはレオたちでは勝てないということを示す。


「どうする?そろそろ俺がやっても良いのだぞ。あちらはほぼ一撃で終わらせたようなものでな。少々退屈しておったのだ」


「いやまだだ。俺たちがやる。闘気武装」


「ほう、それで殺れるか?」


「殺るさ」


「雷光刹那、シャイニングブレード、千畳両断」


雷光刹那は腕に雷の力を集め高速の斬撃を繰り出す技、シャイニングブレードは光の力で剣を覆い巨大な刃として広範囲を斬る技、千畳両断は剣を大上段で振るい千畳もの空間を真っ二つに割く技である。この3つを連続ではなく同時に使うことによりかつてない破壊力を生み出そうというのだ。光と雷はもはや剣の形を取らず鞘から生えた巨大な雷光のようだ。それを高速で振るい空間とともにファルッサを両断する。


「名付けて轟雷閃光万畳消破(ごうらいせんこうまんじょうしょうは)!!!!!!」


それはファルッサの出した光のバリアによって食い止められるがバリバリと轟音をたて一瞬でそれを消し去る。そしてファルッサの体も斬り裂き大半を塵へと還す。


「詠唱待機しておいたよ!ダークネステンペスト!!」


「こちらもです、星裁(ほしさばき)


「天帝之翼撃」


ブレンダの闇と風の合成魔法、シリアの光の魔法、最後に大八咫烏の姿に戻った九郎の一撃でファルッサは文字通り根こそぎ消滅させられた。


これが九郎とレオたちの伝説の最初の1ページ。この後神によって九郎の力が奪われるまでの200年、九郎の統治は続きかつてない聖君と賞される。それを支えたレオたちもまた後世に語り継がれることとなる。


しかしここで語るのをやめよう。彼らは伝説なのだ。その終わりを文字にすることに意味などないのだから。

勇者君ネーミングセンスが・・・万畳=16562平方メートルだそうです。これを真っ二つって・・・つまりどゆこと?ってなるかもしれませんがノリでつけた名前なので。まぁ千畳両断が大河ドラマとかで出てきそうな畳のでっかいお部屋真っ二つにするくらいのイメージで。轟雷閃光(以下略はその10倍くらい、ただし斬撃の太さも高さも桁違い

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