修行3
「と、いうことでだ。ぬるい修行はやってられん。短期で大幅強化だ!」
「九郎がやる気になってるが俺は少々怖いぜ」
ゼクシアがひとりごちる。
「そうか、俺は楽しみになってきたが・・・・げほっ」
「なんだ、あの程度のメニューでもうバテたなんていうのか?あくまで準備運動だからな。ここからが本番だ」
「具体的には何やるんだ?」
「2人で俺と戦ってもらう。本気で行くからな」
九郎の本気、その言葉に2人は内心ぞくっとした。以前九郎を討伐しに行った時でさえまだ遊んでいるかのような印象だった。そんな九郎が本気を出したらどうなるのだろうかと。
「私たちは?まさかこの魔導書読んでるだけとか言わないよね」
「実はそのつもりだったんだがそう言うのであればやってみるか?」
「もちろんです。レオさんたちだけ強くなって置いていかれるのは嫌ですから」
「ならやることは何個かあるな。まずそこにある魔法を全て習得すること、魔力を増やすこと、脚力を上げること。余裕があれば魔力の操作もだな」
「目的は分かるんだけどそれどうやるの?って感じのもあるよね。魔力の増加とか操作とか脚力とか」
「ほぼ全部だな。魔力の増加に関してはお前らも知っているであろう方法だ。操作は与えられた時間を考えると少々無茶をすることになる。脚力の向上の方法だが、俺の特訓メニューをやってもらうことになるな」
「結局ぼかされてしまいましたが、早速今からやりたいですね。それに魔力の増加の方法ってまさか魔力枯渇による超回復ですか?それは生命の危険を伴う方法では?」
「当たりだ。生命の危険はないから安心しろ。危ないと思ったら直接俺の生命力を送り込む。・・・・駄目だな。聖職者のシリアにはこの方法は使えんか。おそらく魔族である俺の生命力は拒絶されるだろうな」
神に仕えるシリアにとって魔族である九郎の生命力とは百害あって一利ない猛毒のようなものだ。そんなものを取り込めば間違いなく死ぬだろう。
「じゃあ私にしかその方法は使えないってこと?」
「星の書には生命力を持続的に回復させ続ける魔法も載っていたはずです。それを使って魔力枯渇させれば安全かもしれませんね」
「魔力操作の修行は同時に複数の魔法を使うことで行う。まずは2つからだな。2人は俺たちから離れたところに行くといい。言い忘れたが魔力枯渇は最後だからな。俺がいる時にやれ!!」
シリアとブレンダが十分に離れたところで九郎がレオとゼクシアに声をかける。
「さぁ、始めようか。殺す気できた方がいい」
「闇の衣」
自身を強化する闇を纏う。
「英雄の英気」
「城塞の加護」
2人も自己強化を施す。レオの英雄の英気は全体的に能力を上昇させるものでゼクシアの城塞の加護は防御力を大幅に上げるものだ。
九郎が前に出る。一瞬でゼクシアの懐に入り込み殴りつける。その一撃でゼクシアの体は宙に舞い5mほど先で着地する。
「お前そんなんじゃ仲間守れねーぞ!壁役たる者どんな攻撃食らっても踏ん張れ!!」
「おい、ゼクシアはいいけど俺を忘れてんじゃねーよ。」
「雷光刹那」
雷を纏った剣を同じく雷を纏った腕で振り抜き刃が九郎の背を切り裂く、ことはなかった。
「闘気武装、これがお前らの目標だからな」
鎧のようになったオーラに阻まれていた。
実はにぃなさん(最初から最強ライフ参照)って高等技術使ってたんだなぁってことが分かります。それとどうしても描写からして秋人君より九郎の方が強そうになっちゃいますが・・・そこらへんは辻褄合わせを作中で出来ればと思います。