表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/12

Epilogue.胎動する伝説


 聖都スロノス大聖堂において行われた大司教位の叙任式はつつがなく終えられた。

 舞台となった講堂から退く、祭服姿の男の肩には黒地に金刺繍の帯が引かれている。まだ年若く見える男が大司教という職位に就くことは外部からは異例と思われたが、事情に通じる者の間では納得をもって迎えられていた。

 その男に声をかける者がいた。


「大司教位就任おめでとう、カコー殿。式典は疲れたであろう。」


 労いの言葉をかけるのは、男よりも年かさの老人である。老人も式典に参列していたようで、祭服の装いであるが、彼の肩帯は紫地に金の刺繍が織り込まれている。

 男はにこやかに答える。


「もったいない御言葉でございます。カコー様。」


 二人は互いの眼を見て、微笑みをかわす。その笑みは聖職者としての慎ましさをもっていたが、その奥には互いの間にのみ通じる符牒めいたものがあった。


 二人は聖堂の一室へと入っていく。

 書物の写しを作成する職務に従事する司祭らが机を並べている。その奥には高い天井まで届く書棚の壁が並ぶ。円形に配置された書棚は迷宮のようになっており、熟練の司書職でなければ求める書に容易にたどり着くことはできない。

 だが、薄暗い書庫を二人は迷うことなく進んでいく。老人の先導に、若い男がついていく様子であった。

 やがて、ある一角にたどり着くと老人は一冊の本を抜き出し、男に渡した。そしてまた歩き始める。

 そうやって何冊かの書物を求めると、奥の人気の無い場所にある机に腰かけて講義を始めた。


 講義、とはいうものの、それは複雑な符号の口伝に過ぎない。

 実際に教えの内容を求めるならば、一見して出鱈目に選ばれたかのように見える書物を繋ぎ合わせて読み解く必要がある。

 その探求は男が自力でなさねばならない。


「罪典とはそういうものだ。」


 老人の笑みは燭台の揺れる灯に照らされて、歪んで見えた。

 ヒトの犯した罪をまとめた奇書、実在を疑われる罪典と呼ばれる書物。カコーという名を共有する者の間でのみ受け継がれる呪詛は、このようにして伝承されていく。


 男は抑制的な態度で老人の講義に耳を傾けるが、内心には興奮が漲っていた。ヒトの犯した最初の罪、罪典の始まりは司教位の身では読むことを許されなかった。ようやく原初の邪悪に触れ得ることへの期待が、男を昂らせる。


 事実を言えば、罪典は読み解く者によって大きく解釈を変える。口伝される符号は書物の一節を示唆するに過ぎず、その解釈によって『破門』の修得に至る道筋も変わってくる。

 だが原初の罪業だけは、はっきりと記されていた。男は震えながら辿り着いた秘文を読み解く。


「始祖が降り立ったとき、地の獣らはこの稀人まれびとを歓待した。だが始祖は良しとされず、これに長命なる貴人の種を蒔かれた。」


 物語調の一節は、ヒトの起源と、その罪を示していた。その解釈するところはヒトの始祖は外界から訪れた存在であり、土着の民を征して貴族ノーブルの祖となったというものである。己の邪悪がヒトの本性であったことに、カコーは喜色を禁じえず、また大カコーはそれを諫めながらも笑むことを止めない。

 いつの間にか、二人の周囲には数人のカコーが集まっていた。皆、肩帯を巻く上位聖職者だ。

 影から出ることなく、遠巻きに眺めるだけの者もいるが、同胞が階梯を昇ることを祝福するために身分を明らかにする者もいた。カコーらは、互いに顔を合わせると短い祝いの聖句を述べると、まばらに書棚の影へと消えていく。

 そんな別れ際、誰かの声が響いた。


「そういえば、次の勇者が仕上がったそうだね。」


 くつくつ、と笑う声が書庫に響いていった。



 Epilogue.胎動する伝説



 過去に勇者が霊腑レイフを抱いて産まれてきたことがある。それまでに前例のないことであったために、教皇庁はこれを奇貨とするべく調査が行われた。

 結果はつまらないものだった。母体となった女はサーブル家に侍女として仕えていた過去があった。要するにサーブル家の何者かの手がついた後だった。彼女は貴族ノーブルの種を孕んでいたわけだ。

 身重の女を選定し、勇者を降ろす苗床にする際の選考が甘かっただけだ。担当した司祭は自ら事の顛末を調査し、結果を報告した上で自害した。

 報告を受けた直属の司教は、その報告を自分の位置で留めた。そのとき司教の頬は邪悪に吊り上がっていた。司教は、そんなことで良かったのか、とほくそ笑んだ。ヒトの失った力を取り戻す、始祖により近づくための勇者という計画を、彼は自分好みに塗り替えた。

 獣を討ち滅ぼす力が、ヒトのものでなければならない道理は無い。獣は獣同士で相食むが良い。食い詰めた中堅貴族ノーブルを攫い、あるいはセレファイスの権利闘争から炙れた連中を買ってきて、四肢を落とした種馬のように扱った。以前の数倍に苗床の母胎を増やした。祝祷を受けて産まれ落ちた児らの多くは生後間もなくに亡くなった。

 結果として悪なる司教カコーの思惑通りとはいかずとも、六人の霊腑レイフと異界の知識を宿した勇者が誕生した。彼らはヒトの成長する数倍の速度で成熟し、二年の月日を経て実戦に投入される運びとなった。どうやら今回接触された世界は戦乱の絶えない野蛮な環境だったらしい。



「あれが塩の櫃か。」


 六人の青年らの内、リーダーらしき男が呟く。彼らは皆、黒髪黒眼、褐色の肌に複雑な図案の入れ墨を彫りこまれている。外見的な年齢は一律に十代後半といったところか。大人びたエキゾチックな風貌をしている。

 装備は各々に違う。重装鎧に大盾を持つ前衛然とした男。その隣に立つのは斥候として迷彩付与エンチャントを施された軽装鎧の男。腰に双剣を佩いた女と、軽装鎧の上から付与を幾重にも込められた外套を羽織るリーダーらしい男が中衛を務めている。最後尾で後方警戒をするのは、虎に似た獣に騎乗し弓と矢筒を負う女であり、その前を白いカソックを纏って短杖を持つ女が支援役として配置されている。


 彼らは「塩の櫃」と呼ばれる迷宮の探索に訪れていた。目的は迷宮内にあるとされる遺物レリックの回収だ。事前の調査報告ブリーフィングでは、何度か偵察目的に送り込んだ人員が入口と思しき門扉の位置を特定するに至ったが、皆内部に侵入したところで報告が途絶えているとのことだった。


「位置を特定と言ってもなあ…。」


 斥候役の男、ゲラーキが呆れたような口調を洩らす。

 迷宮の周囲の大地は、その名を象徴するように白く覆われている。曇り空から時折漏れる陽光を反射させ、地のひび割れがきらきらと輝く。低木がまばらに茂るものの、視界を隠すものはない。

 天空から垂れ落ちた白蝋が折り重なったような、異様さと巨大さを兼ね備えた建造物が彼らを見下ろしている。その迷宮の正面には、堂々と巨大な門がそびえていた。

 ゲラーキが失笑するのも無理はなかったが、偵察に送り込まれた者らが無能だったわけではない。以前は門の周囲に対して光学的、魔術的な隠蔽が施されており、巨大な迷宮の外周を丹念に歩き回って調査した結果、隠蔽結界の除去に成功したという経緯があった。

 リーダー格の男、イグティスはゲラーキに、油断するなと軽くたしなめる。彼らは互いを血族として認識していた。それは前世の記憶、異世界の風習に基づいた感情だったが、勇者として降ろされた現状では結束のために必要なものだった。


 六人は遮るもののない白い大地を歩んでいく。まるで高地のように激しい風が吹き付ける、白い荒野に土埃が粉雪めいて舞い上がっていく。やがて何の妨害もないままに扉の真下へと辿り着いた。重装備に身を包む男、プロピルギオの逞しい背丈の三倍以上の高さがある。

 閉ざされた門をゲラーキと司祭服の少女、イエリアが調べる。罠や呪詛の類が仕掛けられていないことを確認して、プロピルギオと双剣の女剣士、シフォマが力づくで押し開く。厚みのある石材の扉が、ずりずりと開いていき、人が一人通れるほどの隙間ができあがった。

 ゲラーキが乗り込もうとするのをイグティスが押しとどめ、後方の警戒に当たっていた獣使い、フィリオを呼び寄せる。視線にうなずいて、フィリオは騎乗していた虎を降り、それを門の内側へと送り込んだ。地に座り込み、目を閉じて瞑想の構えをとるフィリオの肩にイグティスが手を添える。開いた門の正面でプロピルギオが警戒の構えを見せ、他の三名が周囲の見張りを行なう。


 フィリオの額に汗が浮かぶ。彼女は今、獣の目を借りて迷宮の内側を索敵している。イグティスは彼女の視界を仲間に共有する。

 虎の目に映っているのは、白に染められた町並みだった。多層の建築物が軒を連ね、複雑な細道を形作っている。虎が歩んでいるのは、その建物の間を門から真っ直ぐに貫く大路だ。生命の気配の無さにフィリオが術を解く。六人はイグティスを中心とした隊列を組みなおし、迷宮へと踏み込んだ。


 風の音が、開かれた門の隙間から吹き入ってくる。だが迷宮の内側は一切の音のない、時間が止まっているかのような静謐の世界だった。虎の視界からは伺えなかったが、迷宮の内側は広大という他なく、星の無い夜空と言っても差し支えない天井の高さを備えていた。閉ざされた空間であるにも関わらず、薄暮のような明るさが保たれているのは、大路の先にある光源のためだ。

 外観を信用するならば、円周形状の迷宮の中央部、天から垂れ落ちる糸の頂点に純白の太陽のような光が湛えられている。信仰者としての資質を持つイエリアはその光景にひれ伏し、涙を流している。素朴な感性の持ち主に対して、十分な感銘を与えるだけの威容が櫃の内側にはあった。


 プロピルギオがイエリアを立たせると、彼女は気を取り直して探索の使命を思い出した。

 彼らは前回の勇者らとは違って、拝陽教への教化を行なわれていない。魔素受容体である霊腑レイフを持つ肉体に降ろされた彼らは、それまでの勇者と違い、異世界の記憶を深く持ったまま生まれた。彼らの世界は神と人との間に直接の繋がりが存在した世界だったらしい。無理な教化は勇者としての資質を損なうと感じたカコー司教は、ただ単純に自由の身になるための条件を示し、彼らを従えている。

 実際のところ、異界の神の力を降ろして振るわれる異能は、転生後にほとんど失われてしまっていた。六人はカコー司教に悟られぬように、弱体化した力をそれらしく披露し誤魔化していた。悪なる司教が異能の本質を悟れば、どのような外道をもって彼らに対するか知れたものではなかったからだ。


「例えば奴らの奉じる偽神を崇拝させられたかもしれんな。」


 イグティスは吐き棄てるように言う。人造の偽神を崇拝させられ、挙句に歪められた異能を引き出されるなど考えるにおぞましい冒涜的行為だ。

 彼らは何らかの成果を持って帰り、それを交渉の材料としてこの世界での居場所を創り出すことを目的としていた。


 頭上に輝く光の頂こそ、求める遺物レリックに違いないと見て、彼らは迷宮の中心部へと進んでいく。大路を進むに従って、両側の建物は無骨な白壁へと変わってゆき、道幅も狭まっていく。一行は光源を支える巨大な柱をどのようにして登るべきかと思案していたが、近づくと柱の壁外に絡みつくように螺旋の階が備えられているのが見て取れた。


 そこで先頭を歩むゲラーキが異変に気づく。イグティスはゲラーキの肩に手を添え、彼の気づきを全員に届けた。ゲラーキの目は可視光線のみならず、より広い波長の光線を捉えることができた。また何よりも優れていたことは、彼の目には魔素が見えたのである。その目に映っていたのは大路の突き当たり、柱の壁の根元に存在する濃厚な魔素の塊だった。


 イグティスから飛んだ指示に従って、プロピルギオが大盾の裏に備えた短槍を右の壁へ連続して投擲する。突き刺さった槍を足場として、フィリオが素早く壁上へと駆け上がった。

 プロピルギオはさらに後衛として守られるべきイエリアを摘み上げると、フィリオに向けて打ち上げる。わたわたとイエリアは壁をよじ登り、フィリオがそれを引き上げた。サポート役の二人は壁上の安全な位置を確保した。

 ゲラーキはすでに左手にそびえる壁と壁の隙間を縫う細い路地を見つけて、するすると入り込んでいく。透視にも似た視野を持つ彼は、物陰に身を隠し敵の隙を突く役割を担っている。

 プロピルギオは大盾をシフォマに向ける。彼女が掌を盾に添えると、盾はぐにゃりと歪み両手槌へと変形し、それをまた持ち主の手へと戻した。後衛の安全が確保できる以上は、プロピルギオも攻勢にでる構えだ。

 イグティスは二人の前衛の三歩後ろで祈りの詠唱を始めていた。それを追うようにイエリアの祝祷が輪唱する。プロピルギオに対して深い護りの祈りが降り注ぐ。隣で双剣を構えるシフォマにも、遅れて護りが広がっていく。


 本来であれば敵対するか否かの決断の前には、相手の実力を測る必要性があったが、その点で言えば彼らは短慮であったかもしれない。交渉とは相手を制圧してから始めるものだ、というのが彼らの常識だったからだ。その代わりと言えるかはわからないが、彼らは第一手に安全策を選んだ。


 フィリオの騎乗していた虎が、いつの間にか壁の隙間を抜け、魔力を放っている対象へと襲い掛かった。使い魔が機先を制することに成功したと判断しフィリオは弓を引き絞り、厚い風の音を響かせて放つ。飛翔する矢の先端からは黒煙が漏れ出している。矢はまだ見えない敵の潜む壁に衝突すると軽い爆発を起こし、広範な煙幕を張り出した。

 プロピルギオは煙の中へと突撃していく。すでにゲラーキが目を生かした突撃を敢行しているはずだ。視界は効かずとも密着して殴打すればいい。そこに濃密な煙をかきわけて、ゲラーキが転がり出てきた。


「やべえやべえよやべえって。」


 狼狽して叫ぶゲラーキを追って、銀色の巨獣と、それに騎乗する純白の巨人が飛び出てくる。プロピルギオは咄嗟に両手槌を投げ捨て、脚幅を大きく構える。巨獣の頭から生える捩じれた角をつかみ、勢いを殺そうと試みるが突進は止まらず、プロピルギオは大路を区切る壁へと押し込まれてしまった。

 ゲラーキは体勢を立て直し、獣の顎下に短剣を突き立てようとするが、鋼のような皮に阻まれてしまう。


「どきなッ、ゲラーキ!!」


 頭上からのシフォマの声を聞きつけ、ゲラーキが飛びのく。彼のいた位置に太い杭が打ち込まれ、獣の顎を地面に縫い合わせた。プロピルギオの捨てた槌を変形させ、跳躍から体重を乗せて打ち込んだのだ。銀の獣は鼻先に飛びついたシフォマを忌々しげに睨む。

 そこに騎乗する白い巨人の拳が振るわれる。致命の一撃に思われたが、間一髪、壁から逃れていたプロピルギオがシフォマを上に投げ捨て回避させていた。


 二人分の祈りによる付与エンチャントを受けたプロピルギオでさえ、押し込まれてしまう怪力を見てイグティスは劣勢を感じる。奇襲は失敗した。相手は随分と格上の化け物だ。想定はされていたが厳しい表情になってしまう。

 イエリアは癒しの祈祷を繰り返し行っている。フィリオは騎乗する巨人の急所を狙おうと矢を放っているものの、威力が足りず突き刺さることすらない。

 結局、通用したのはプロピルギオとシフォマによる肉弾戦だけだ。探索を得手とする一行パーティには厳しい正面戦の形になってしまっている。イグティスは隊形を立て直すように指示する。


 じりじりと列を下げシフォマを中心とした陣形を組みなおすが、敵は追い討ちをかけずに待っている。

 そのとき、頭上を睥睨していた光球が一際強く光り視界を奪った。ゲラーキだけは何が起こったのかを見ていた。六本の熱線が走り、彼らの脚を焼いたのだ。同時に迷宮内の白い床が波打ち、数え切れない本数の輝く糸が吐き出される。糸はイグティスらの脚があった断面へと侵入していく。脚を灰にされた痛みが上ってくるよりも早く、挿入された糸から心地よさが駆け上がってくる。イグティス以外の者は意識を手放してしまったらしい。異能が彼らの意思を感じ取ることができなくなってしまった。


「話をしよう。ここでかつて何が起こり、今何があるのか。」


 迷宮の主然とした声が頭に響く。あの光の塊は遺物レリックではなく支配者だったのか。



 ◇



 カリストルは塔の頂から睥睨し嘆息する。またあの脳味噌筋肉木偶野郎は考えなしに暴れやがって…。警報代わりにしかなりやがらねえ…。

 ハスター師から預かった霊腑レイフが輝く。その意味は慰めか、嘲笑か。カリストルには量りかねる。

 彼女が語りかけてくることは、この二年の間皆無だったが、この大地そのものとなった彼女の息吹をカリストルは確かに感じ取っていた。送り込まれてきた刺客の類を大地が飲み込むのを眺めながら、師の生存をあらためて確信する。


 今の自分にできることは彼女、あるいは彼らの帰還に備えて、この地を守護することだ。


 アーカムは巨大な器となった。多くの死と悲嘆、謀計と暴力の汚濁一切を飲み込んだ。蓮田はその≪災厄パンドラ≫の蓋となったのだ。

 未だ、天と地そのものになりたい、と言った彼女の願いが叶ったのかはわからない。塩の櫃の内側では、眠りについた主を待つ三百人のアルマと、金剛石の化身、忘我の巨人と彼を相棒と認めた銀の獣がいるだけだ。新たな命の芽吹きが起こるのはいつのことだろうか。


 だが、それは決して辿り着けない未来ではないように思われる。なぜなら櫃の底に眠るのは死者の汚濁だけではないからだ。かつて勇者だった男と、彼に惹かれた竜姫もまた、この場所には眠っている。

 いつか新たな希望が生まれ、この地の白が穢れを清める塩の櫃から、清浄の象徴へと変わるときがきたら、師の願いは遂げられるだろう。


 その胎動を感じながら、カリストルは塔の頂で目を閉じる。

 消化不良気味の巨人の咆哮が、迷宮の内側に響いていた。


以上で完結です。

短い間ではございましたが、お付き合いくださいましてありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ