活動報告
「……以上が、今回の文化祭の会計報告です」
報告しているのは、文化祭実行委員会第4部会計だ。
ここは手野大学第4キャンパス短期大学部のとある講義室の一角。
今日は講義ではなくて、第4キャンパスにある手野大学短期大学部と附属学校において行われた文化祭の総括をしている。
文化祭は、11月1日から通常であれば4日まで行われることになっている。
そして7日以降の最初の月曜日の午後5時から、このようにして会計報告をはじめとするそれぞれのキャンパスごとの文化祭の総括が行われる。
この総括の後、報告書が作成され、それを実行委員会へと提出。
その話し合いは、15日以降の最初の水曜日午後5時からとなっている。
会計報告は、全ての露店の集計を締め切った後に行われることになっているため、この3日ほどかけて行われた。
それぞれの露店ごとに集計をしてもらい、そのすべてをいったん吸い上げる。
それから監査として再チェックをしたうえで、ここで報告することになっている。
「今年の会計は、35万3411円の黒字でした。これは、大学側並びに基金からの補助金を除いた金額です」
「すごいな。補助金なしでの黒字になったか」
部長が嬉しそうに言う。
大学は、当然手野大学のことだ。
基金というのは、この文化祭のためにプールしている文化祭基金というのがある。
この基金は、文化祭の運営などのために使われることになっていて、生徒会費や学生会費の中から集められることになっている。
ちなみに、寄付は随時可能だ。
「ええ、短期大学部と附属学校始まって以来のできごとです」
「ふむ、よかったよかった」
「これから報告書を作りますが、それでよろしいでしょうか」
「ああ、頼む。12日までにまとめて、私に持ってきてもらえたらありがたい」
「わかりました。では早急に」
会計報告が終わると、それ以外の諸報告が順々に行われた。
和やかな雰囲気の中、会合は終わった。
報告書は、会計報告書を会計が、その他のまとめた報告書を書記がそれぞれ作成し、部長が提出するという段取りとなった。
つまり、いつも通りということである。