憧れ
あの空の下には何があるのだろう。町・空・村・森…、色々な創造を膨らませる……。
未知の世界があの青空の下に広がってるのだろう。
空を見上げる度に「なんてちっぽけな迷路に私はいるのだろう」と思ってしまう。
この世界はこんなにも広いのに私は町という1つの迷路しか知らない。
生まれてこのかた、町から出たことがないのだ。
18年間この町で友情・勉強・それに恋愛もしてきた。
だが、それらはいつも空を見上げる度にどこか満たされない感じがした。
この広い青空の下では、何もかもがちっぽけに思えてしまうのだ。
だから私は「バイカー」になった。いつも自由で何かを追い求めてまだ見ぬ先へ突き進んでいく彼らに憧れたのだ。
彼ら「バイカー」達はいつも堂々としていて清々しく見えた。
この日本は90%近くが山々に囲まれており人々が暮らしている場所は8%に満たない。人びとは「北海道・東北・関東・中部・関西・四国・九州」の7ヶ所に山を切り開き生活をしているのだ。
それらのパイプ的役割を担っているのが「バイカー」であり、彼らの仕事は多岐に渡る。
荷物の運搬・移動時の警護・未だ誰も行ったことのない道の開拓・討伐等々彼らのおかげでこの日本が成り立っているようなものである。彼らはバイカー連盟に属し仕事の受注をする。また、順位というものもあり高順位の者ほど報酬の高い危険な仕事が受注できる。
因みに私はまだB下ランクで、その上にはB中・B上・A・Sとあり聞いた話ではZランクなるものもあるらしいが彼らは伝説的なものであるらしい。
とにもかくにもまだまだ未熟というわけである。
それと、私の愛車は「GPZ400」というスポーツタイプのバイクである。体勢は少々きついがスピード・小回りは抜群に良い。