表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/49

些細な動機 2

 月森は突然怒り出した。

「あの社長はやってもいない痴漢の濡れ衣を着せた。この前のヨーロッパでの商談でもそうだ。あの社長はヨーロッパの有名美術館で絵画鑑賞をして商談に遅刻しかけた。その責任を私に着せて。だいたいこの程度の恨みで人を殺していたら今頃刑務所の中で人口爆発が起きますよ。刑事さん私が容疑者なんてつまらないことを言わないでください」

 

 木原は質問をする。

「では午後十二時頃何をしていましたか」

「アリバイですか。昼食を食べに行っていましたよ。証人はいませんがね。近くにある隅田公園で弁当を食べることが日課になっていましてね」

 アリバイを確認した神津は月森に頭を下げた。

「ありがとうございました。」


 二人は帰ろうとした。しかし木原は引き返した。

「月森さん。この会社では絵画の取引は行っていますか」

「いいえ」

 木原は帰ろうとしたが再びあることを思い出したようにもう一度引き返した。

「すっかり忘れていました。あなたは絵画に興味がありますか」

「ないですよ。ヨーロッパの美術館で見たくもない絵画を見せられたからあそこまで怒っているのです。遅刻の責任を取って謝罪したくらいでは怒りませんよ。まあ趣味の野球には興味があったようでしたが。今もこの鞄に野球道具は入っています」

「ありがとうございました」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ